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壁の反対側

地球人親子(*息子の友達とそのお母さん)は
ほぼ毎週うちに来る。




なぜかわからないけど
潔癖なあの親子は
いつも散らかりまくっている我が家が
大好きなのだ。






子供達が上で遊んでいる間
私と地球人ママ友は
お茶を飲みながらおしゃべりをする。




彼女は弁護士だったせいか
左脳がとても強い。





物事を全て、
善か悪かで捉えているのが
話しているとよくわかる。




彼女の価値観というものが
断固としてあって、
それ以外は受け入れない感じだ。




例えば、「子供達が
虹を頻繁に描くことに驚いた」と話すと




「そうよね、虹は子供達にとって
神聖なものなのよ。




なのにどうしてそれが
LGBTQとかなんとか
よくわからないもののシンボルに
されたのかがわからないわ。




私はね、普通の、
良い人たちと一緒にいたいのよ。




こう、大きな壁があって




片側に "普通" の人たち、
もう反対側に普通じゃない人たち
って感じで分けて




お互いに入れないように
できたらいいのにと思うわ」




と彼女は言った。





それだけじゃない、
彼女からしたら




犬を溺愛し、毎晩、愛犬の歯を磨き
ドッグシッター代やゴハンのために大金を払う
飼い主さんたちも "異常者” だ。




壁の反対側に入る。




「犬は確かに可愛いけど、
親を必要としてる人間の子供がたくさんいるのに
犬を擬人化して大金を注ぎ込む行為は
理解できない」という。




私はそれを聞いて、
なぜか




はるか昔にあった東西ベルリンの壁と、
それが壊されたこと




そして
戦争の光景を思い描いていた。




私は、LGBTQではないけど、
サンフランシスコという
土地柄のせいか




親しい人たちの中に
ゲイの人がたくさんいる。




私は、彼らの繊細さや芸術性、
人の心を汲み取れる美しさ






何より、彼らの
ユーモアの感性が大好きだ。





そして、犬も、
私はドッグシッターを
やってるくらいだし




人間とか犬とか、愛情を注ぐのに
動物の種族は関係ないと思ってる。




みんな役割と趣向があって




地球人の彼女は
人間が一番って思ってるんだから
それをやればいいし




動物が大好きな人は
動物を我が子のように愛せばいい。




それでバランスが取れているんだから
相手の志向が間違ってるのなんのと非難するのは、
全く意味がないと思う。




私からすると
同意できない発言が多々ある、
地球人ママ友。




私が実は宇宙人だと知ったら
彼女は真っ先に私を
壁の反対側に追いやるのだろうな。




でも私は、なぜか
この彼女が大好きなのだ。




文句ばっかり言ってるけど
彼女の文句は明るい。




話し方も面白い。




そして、真っ直ぐだ。





「そんなこと思っちゃいけないって
わかってるんだけど・・」みたいに、




文句を言う時、
自分を正当化しない。


(私は、やる)←w




堂々と、気持ちいいくらいに
暴言を吐く。




だから聞いてても
嫌な感じがしないんだと思う。




私は話を聴きながら、
ここまで頑なな彼女がもし
”壁の反対側” を受け入れたなら




その時、彼女は
どれだけ大きく成長するんだろう?




・・と、
ひとりワクワクしていた。




彼女は、左脳型で、
善悪で全てを叩き斬る
タイプの人間でありながら




実は一方で、予知夢を見たり
未来予測的な勘が
ものすごく働く人だ。




彼女のオーラにも
サイキック能力を表す薄いブルーが
大きく上半身に入っている。





私はこう言った。





「ねえ、アクセプタンス
っていうオイル持ってる?




それを、手のひらに垂らして
毎晩、香りを嗅いでみて。




自分がすでにものすごく頑張ってることを
認められるようになるし




今、認められないようなものまで
もしかしたら受容できるように
なるかもしれない。




そしたら、あなたの世界は
何倍にも広がるよ。




あなたは今、
世界のほんの一部、壁の片側だけを
見てる状態なんだけど





それでも、そんなに魅力的で、
パワーにあふれてる。




それが、もう半分も受け入れたら
どうなると思う?




あなたのポテンシャルは
計り知れないよ。




私は、あなたの未来が
楽しみだわ」




実際、彼女は、
サイキック能力を教えるのが上手な
お師匠さんについたら




きっとあっという間に
開花すると思う。




見えないもの、
自分とは違うものを
受け入れることができた時




彼女の世界はどれだけ広がり、
輝くんだろう?




可能性を開く鍵は
いつもその人がいるのとは違う側、
壁の反対側にあるのかもしれない。




うちは玄関に、
アファメーションカードを
いつも置いてるんだけど




地球人親子はこのカードが大好きで
いつも帰り際に、1枚ずつ引いていく。




この日彼女が引いたのは





「私には能力があります」




だった。




彼女の素晴らしい力が
壁の反対側まで届いていくことが





とても楽しみだ。







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