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コンサドーレからTOKYO 2020へ〜ボランティア編〜
この記事は北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar 2021の記事です。
ざっと言うと
コンサドーレのボランティアをやるようになってから世界大会を意識して、この夏TOKYO 2020大会でボランティアやりました。
ただ、そこまでの道のりはそう簡単な歩みじゃなかったよ。
っていう感じです。
簡単にこのあと出る用語解説をすると
CVS:コンサドーレボランティアスタッフの略
TOKYO 2020:1年延期で2021年夏に開催された東京オリンピック・パラリンピックの略
Field Cast:TOKYO 2020大会ボランティアの総称
City Cast:TOKYO 2020都市ボランティアの総称
ってな感じです。
画像形式で年表も置いていきます。
2013年〜2016年
スポーツボランティアとしての始まり
当時のSNS投稿とこの頃あったこと
スポーツボランティアとして動き始めたころですね。
きっかけはコンサドーレ札幌 Advent Calendar 2013でCVSのことを取り上げた記事を見たことです。
このころコンサ公式ホームページに「CVS足りてません!」と10〜20人単位でヘルプを求める内容を何度も見ていたので、CVSの記事を読んで「面白そう」と思い、応募していました。
スポーツには競技に参加、観戦して応援するほかに競技を支えるボランティア(審判や競技役員の他に来場者対応など裏方全般)の三者がいて成り立つということをこの時期に学びました。
初年度からうっかり沼にはまり、気がつけば14試合参加。
すっかりマークされたのか翌年にはリーダーをやってました。
活動1年目を振り返って当時こんなブログも書いていたみたいです。
【ブログ更新】スズキさんの後悔日誌: CVS始めました。1年やってみました。 http://t.co/pJ6JwT5COY コンサドーレ札幌☆開幕カウントダウン2015の初っ端という大役を仰せつかりました(大げさ) 緩い感じの内容です。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) February 21, 2015
オリンピックのドタバタ感はこの頃から色々ありましたね…
この時期から世界大会、オリンピックへの参加意識は持っていたみたいですね。
(秘かな野望として、ボラとして東京オリンピック・パラリンピックに出たいというのはあります。クラブより先に世界に行きたいっす)
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 17, 2015
CVS3年目の2016年、J1昇格が掛かった最終戦は初めて3万人以上の来場者をオペレーションしました。
日頃からスタジアムに来る人は早くから来るけど、久しぶりに来る人はキックオフ直前にまとまって来たりして自由席の席案内に苦慮しました。
自由席は日本語だと”自由”というワードに引っ張られがちだけど、英語の”Unreserved seat=予約していない席”という意識を持ったほうが良いことを実感した時でもありました。
そして、試合ではお互いの利害関係が一致すると無理に点を取りに行かず引き分けで落とし所をつけるというのもこの時知りました。
年表
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2017年〜2019年
国際大会でのボランティア活動へ憧れを抱く頃
当時のSNS投稿とこの頃あったこと
2017年はCVSをやるようになって初めて経験するJ1の舞台、注目度が上がり多くの方々がスタジアムに足を運んで、より来場者対応など気を払うようになった時期でもあります。
3万人オーバーの試合でボラに携われると、「オリンピックでもボラいけるんじゃね?」って思わせてくれる。人の動きが同じ時間に固まるサッカーならなおさらそう感じさせられる。怖いわ〜
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 24, 2017
2018年、ついにラグビーワールドカップとTOKYO 2020のボランティアに申し込みました。
そして、普段活動している札幌ドームが国際大会の試合会場になることを意識して、積み重ねて来た経験を大会成功のためにアウトプットするようになりました。
これは最終戦、ACL出場が掛かった大一番で3万人以上来ることを予想して予めお伝えできることを吐き出してました。
札幌ドームで自分の座席位置を覚える際は「通路番号-列番号-座席番号」の3つをセットで覚えておいてください。構造上、どこから見ても似た風景なので、通路間違えていても気がつかない場合もあります。12.1 #詰めろ自由席
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 26, 2018
「知り合いが席取ってくれたけど23-109ってどこ?」って尋ねられてもその数字の組み合わせが通路・列・座席のどの組み合わせか分からず案内に時間がかかる場合があるので、友人・家族に教える際には「通路番号-列番号-座席番号」のセットで伝えてください。12.1 #詰めろ自由席
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 26, 2018
小さなお子さんの持ち物の一つに「通路番号-列番号-座席番号」のメモとかがあると、万が一迷子になったときにもそのメモを見たCVSや場内スタッフがすぐ案内することができます。12.1 #詰めろ自由席
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 26, 2018
(なぜ #詰めろ自由席 と叫ぶか。CVSとアルバイトで構成される多くて30〜40人の席詰め隊が約23,000席の自由席をくまなくチェックして案内したり協力の案内っていうのが結構いっぱいいっぱいなのよ。可能な限り来場者間でも協力して欲しくてちょっと強めなキャッチコピーで訴えてみました。)
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 29, 2018
最終戦の参加人数は中の人に確認しないといけないけど、2018シーズンのCVSはのべ1400人くらいが関わったと思います。運営費の圧縮は8桁行ったかしら?それよりも登録してなくても存在を知ってくれて、あらゆる場面でアシストしてくれるサポーターの方がいるのが心強かったです。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) December 1, 2018
2019年、ツイートからもバリバリ世界を意識してますね。
陽の目を浴びることは少ないですが、参加しているCVS向けに控室やイベントの動画を撮るようになりましたね。
2019.05.25 最先行入場直前、スタジアムDJ栗谷さんのエエ声が札幌ドーム内に響き渡ります。ピッチ内だけじゃなく、CVSもスポーツボランティアの一員として2002サッカーW杯、2017冬季アジア大会、2019ラグビーW杯、2020東京オリンピックと世界に繋がってます。 pic.twitter.com/C0viNONLOn
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) May 25, 2019
ラグビーワールドカップ2019
個人的には研修時点から海外からのお客さんに日本はいいところだよ!という印象を持ってもらえるようにパラメーターを全振りしたような感じでした。
私は札幌駅から大通公園エリアで海外からの観戦者や市民への案内等を担当したのですが、
・試合前、シャトルバスの運行終了がしたことを地下鉄の人に伝えていない。
・突然多くの外国人や日本人観戦者が地下鉄に流れ込んで地下鉄の人が困惑。
・見兼ねてボランティアが直接地下鉄の人に情報を伝えて、駅構内で案内。
・試合後、札幌ドームからシャトルバスがどこに着くか知らされてない。
・担当スタッフ「みんなで手分けして探して見つけたら教えて。」
・見つけたはいいが、シャトルバスが何台着くのか連携が取れていない。
・降りてきた人にひたすら観光マップやビールマップを配る。
・むしろ彼らもどこに降ろされたか分からないと思うから、目的地を尋ねられたら案内するほうが先じゃない?
街の中だけでもこんなんでしたが、試合会場やフリートと言われる要人輸送など各所でボランティアのストレスが溜まる事案が発生しており、ラグビーワールドカップに参加したCVSで急遽お疲れ様会という名の「あれはありえないよね」という愚痴こぼし会が繰り広げられていました。
この時、組織は違えど「オリンピックは大丈夫なのか?」と思ったのは当然です。
アドリブ力と度胸はCVSで鍛えられたと思う。 pic.twitter.com/WJ0z6pllVU
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 22, 2019
やっぱりCVSでアドリブ力を鍛えられた pic.twitter.com/Uo8zIaHBWZ
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 22, 2019
往路
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 23, 2019
・市内中心部から会場に向けて臨時シャトルバス出します!
・地下鉄でも行けます!
↓
・シャトルバス最終便出しました!解散!
・地下鉄の駅員さんにそんな情報が伝わらず突然増える利用者に困惑して急遽人員配置に割かれる
・ボラが駅の後方支援に回る
復路
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 23, 2019
・試合会場から市内中心部に向けて臨時シャトルバスでます!
・具体的に着く場所分かりません、おおよそこの辺です。人の流れ見て突き止めてください!
・300メートル離れたところが降車場であると突き止める
・で、何台シャトルバス出したかの情報が中々回ってこない
ルヴァン杯セミファイナル2nd leg.
CVS控室のホワイトボードもタイムリーな内容にしようと色々書いていました。
決勝進出が決まった瞬間、サポーターと自然に喜びを共有したり、自然と拍手が出ていたり忘れられない瞬間の一つです。
青天の霹靂!マラソンと競歩が札幌に!?
10月16日、酷暑対策としてIOCがオリンピックのマラソンと競歩の会場を札幌に変更することを検討すると報じられ、11月1日に変更が決まりました。
情報番組等で札幌がやたら叩かれて心を痛めましたね…
と同時に、札幌ドームのサッカー競技のみで活動予定だったボランティアがマラソン・競歩でも活動するのかと思うとTOKYO 2020大会の成功のために札幌に課せられたミッションは重要だなと感じました。
TOKYO 2020 Field Cast共通研修(北海道札幌市)
ラグビーワールドカップのボランティアから約1ヶ月半後に行われたField Castの研修を受けての感想ですね。
ハンドブックの内容や当日の研修内容など、スポーツボランティアではそれまで経験してこなかった内容だったので、これはすごいぞ!という記憶です。
(研修でも触れられた「多様性と調和」に関することが2021年2月に跳ね返ってくるとは…)
オリンピック・パラリンピックの資料だけあって、 助けを必要とする方へのコミュニケーション項目がある。身体にハンディがある人に対しては初任者研修・実務者研修で学ぶ内容をコンパクトに、誰でも普段の生活でも出来るように説明してる。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 3, 2019
ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を受け入れる)、ユニバーサルデザインに関してはウチらだけでなく、ホームスタジアムにも落とし込んでいきたいって個人的に思っている項目。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 3, 2019
改めてField Cast HANDBOOKを読んでいるけど、東京を中心に札幌・宮城・福島・埼玉・千葉・神奈川・静岡の各地で計8万人とも言われている人に対して研修でダイバーシティ&インクルージョンや障害に限らずあらゆる配慮が必要な人に対してのサポート方法を伝えてるのよ。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 5, 2019
世を忍ぶ仮の職業的にも、8万人がちょっとでも意識して日常生活でも取り入れたり、周囲に広がるだけで社会に変化が出るんじゃないかなと思わされるくらいインパクトが強かった。周辺的にはネガティブ要素が先行しがちだけど、ちょっと楽しみだわ。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 5, 2019
さあ、来年はオリンピックイヤーだ!とメラメラと燃えていましたね…
昨日みたいにアウェイサポーターが指定席に多く来る日は試合終了後のインナーゲート出口の段階で「出口は1階。地下鉄は北ゲート、シャトルバス・タクシーは南ゲート」ってアナウンスしたけど、手持ち看板で2階1階レベルで誘導が必要かな〜 あと、1階レベルで階段表示欄に最寄り座席案内とか
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) December 8, 2019
一人のCVSとして
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) December 7, 2019
2019シーズン、ありがとうございました。
席が空いているところや急病人、飲みこぼし箇所を知らせてくれて、いち早く対応することが出来ました。
スタジアム全体で協力し合えるのがコンサドーレの強みだと思います。
“CVS”の栗谷さんも様々なところでサポートありがとうございます。 pic.twitter.com/7T91uxj92Y
年表
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2020年
嘘やろ!
当時のSNS投稿とこの頃あったこと
最初は対岸の火事だと思っていた原因不明の肺炎
2020年はこの話題に触れないで何に触れるっていう感じでしたね。
Jリーグが2月下旬に開催延期対応をしてCVSとしての活動の機会も一気に白紙となりました。
そんな中、3月2日にField Castとして役割と場所がオファーされ、イベントサービス(来場者対応等)のチームリーダーで札幌ドームと札幌大通公園での活動を受諾しました。
東京1940 中止
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) March 24, 2020
東京1964
東京2020 延期
凄っ
そして、3月30日に東京オリンピック・パラリンピックの1年延期(史上初)が発表されました。
CVSやTOKYO 2020の活動停止や様々なことが重なって、2020年の上半期は大きな喪失感に襲われました。
初骨折
大会が1年延期されていなかったら、Field Castの活動前日でした💦
ぱっと見、指詰めたんか?と言いたくなる(いわゆるボクサー骨折) pic.twitter.com/nU4jRhMQlH
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 20, 2020
親分に落とし前スタイルからカマキリ拳法養成マシーンに変わった。 pic.twitter.com/Y5PS0eIHYw
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 22, 2020
骨折してから約4ヶ月、骨がくっついて骨折箇所の良性腫瘍(内軟骨種)を摘出して人工骨を入れる手術から約2ヶ月、ようやっと力を入れる現場作業に来月あたりから出てもいいんでないというドクターの見立てが出た。このご時世、最前線の復帰という別の怖さもあるけど、一つの区切り。 pic.twitter.com/0qDxmN3YSz
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 11, 2020
そりゃストレスも溜まるよね
生きている中で経験したことがないパンデミックということで、日常生活含めてガラッと変わったので、それなりにストレスが溜まっていたんですね。
それでも意識を「出来ない」という負の方向に持っていかず、「今出来ることは何か」と考えて行動して塞ぎ込まないようにしていましたが。
あ”〜、ボラ足ンネ。7ヶ月も仕事のコミュニティ以外での刺激が無いのも大変よ。(現場はもっと大変だけど)
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 12, 2020
オリンピックも一年延期でこちらのボラもお預けで。3月ごろの「中止だ!中止だ!」マン達の呟きや声で意欲だとか目標を奪い取っていく感じでTL見んのしんどかったし。リムったしw
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 12, 2020
年が明けたらもっとすごい向かい風が吹くとはこの頃はまだ知らず。
年表
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2021年
向かい風の中で携わったTOKYO 2020
当時のSNS投稿とこの頃あったこと
感染症は収まるどころか年末年始で変異株(アルファ株)が現れてネガティブな方に引っ張られます。
そして2月、喜朗が…
ここから一気にネガティブキャンペーンが展開されて、誰でも石を投げやすい世論になったと思いました。
感染症が収束する気配どころか新たな変異株(デルタ株)が出て、大会開催に対する疑問や日常の経済・文化活動が制限される中で特別視されるといった不満からマスコミだけでなく、SNSやネットのユーザーが攻撃的になっていると感じて正直しんどい時期でした。
(そこにイデオロギーとかも絡んで「キィーッ!」となりました)
一端のボランティアですらそう感じたので、当事者であるアスリートや組織委員会、競技団体や受け入れ自治体の担当者は大変だったと思ってます。
7月8日〜11日はジェットコースターのように
7月8日、1都3県無観客開催が決定され札幌ドームは有観客で動くと思われたら、
7月9日深夜、鈴木道知事が札幌ドームでの無観客を宣言して決定。
7月9日から11日に行われていた札幌で活動するField Castの現場研修はドタバタでした。
ボラ向け研修行ってきた。必勝弁当売っているワゴンとかグッズのワゴン、飲食店、場内案内マップとかそれ用におめかしされてたんだぜ… キレイだったよ…
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 11, 2021
こうなった以上、競技を無事終えられるように出来ることを出来る範囲でサポートするしかねえな。 pic.twitter.com/T77agqBbqK
札幌ドームで行われた研修、駐車場の出入り口にはテロ対策で車体に爆発物が取り付けられていないか確認するゲートが物々しく設置されていたり、1階バックスタンド北側にある喫煙所が祈祷室に変わっていたり、柱やゲートが紅模様に様変わりしていたりと陽の目を浴びることが出来なかったTOKYO 2020バージョンの札幌ドームを見てもらいたかったなという無念の気持ちがいっぱいでした。
大量のピンバッジが届いた。若月の時を超える40個。 pic.twitter.com/RryRLGzOkh
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 4, 2021
国際大会ではピンバッジ交換の文化があるということで、Facebookのコミュニティでボランティア用のピンバッジを作って用意したのですが、ガイドラインで接触が禁じられたこともあり、個人的に近しい人でチケット購入できたけど見られなかった人やお世話になった人にピンバッジを配りました(現在進行形)。
いよいよField CastとしてTOKYO 2020に携わる
この街にコンサドーレがあって、経営難の副産物的な感じで始まったボランティアの襷を諸先輩方が繋いでくれたおかげで、7年前スポーツボランティア(CVS)に足を踏み入れてここまで来れたから、とりあえず出来る範囲でやってきますわ。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 20, 2021
ここで何か得られたものをクラブに反映出来たらイイっすけどね。
客を対応する当初の役割から、城を守る役割になったな。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 21, 2021
地元でスポーツボランティアの活動が約1年8ヶ月出来ない中、同じウェアを着た俗にいう有償スタッフや国籍、年齢、性別、宗教、職業が異なるボランティアスタッフと一緒にミッションを達成しようとする感覚、感染症対策を取った上でコミュニケーションを図ったり、様々な制約の中でもやれることはやれた
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) July 21, 2021
競技会場へ入る際、空港の保安検査場みたいなところを通る必要があります。
端末にアクレディテーションカードをかざし、顔認証でOKが出ると持ち物チェック。
警備員さんの目の前で水筒に入っているものを一口飲んで、全身金属探知を行なってようやく競技会場に入れます。
札幌ドームでは大階段&エスカレーターを上がったところにある南北連絡通路の分岐点に第1チェックポイントとして設けられていました。
札幌大通公園ではNTT大通2丁目ビル1階がチェックポイントでした。
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活動開始時に食事引換券を受け取り、休憩時にお弁当と引き換えます。
お弁当はTOKYO 2020に限らず、スポーツボランティアをするときの楽しみであります。
さすが国際大会!と思わされたのは毎日異なるメニューでお弁当の他にコカコーラの自販機からドリンクを1本貰えることと、会場によっては明治のアイスもありました。お弁当を温める電子レンジがパナソニックから用意されており、スポンサーにも支えられているんだなと感じたところです。
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札幌ドームではボランティアや警備員、アルバイト等のために1店舗だけ売店が営業しており、スナック類の他にコカコーラ社の飲料が500mlペットボトル(キャップ付き)で買えました。
自販機でも160円なのにと思うかもしれませんが、普段ドームではプラカップでソフトドリンク260円ということを考えると、キャップ付きペットボトルでこの値段は結構頑張っているんじゃないのかなと感じました。
そういえば7月25日の活動時、橋本聖子組織委員会会長をお見かけしました。
すれ違う際に挨拶をした程度ではありますが、数秒間のコミュニケーションは強いインパクトでした。
札幌ドームでは当初5日間の活動を予定していましたが、無観客開催のため2日間になりました。
一方、沿道競技であるマラソン・競歩は当初の活動日数(私は5日間)のままでした。
役割が来場者対応から、観戦自粛のアナウンスを行うことに変わりました。
競歩競技は真下の地下歩行空間・ポールタウンを歩きながら、「私が下から磁石で選手を操ってレースを操作している」プレーをやった方が一生遊べない遊びを体験出来る。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 5, 2021
この国ではパンデミック禍においても強制力ではなく、強いお願いベースで社会経済活動を何とか回していたので、沿道での観戦自粛も強制力を持ったものではないことは理解して臨みました。
沿道競技の初日は8月5日木曜16時30分スタートの男子20km競歩。
沿道には集まりますねぇ。市民の他に道外から来られたんだなと気合の入った出で立ちの方、その様子を撮ろうと脚立を持って往来する報道のスチールカメラマンや沿道観戦者をインタビューする大阪のテレビ局など。
この時に思ったのは、リーダーとして仲間を危険な目に遭わせないようにしつつ観戦自粛のアナウンスはちゃんとやったよというアリバイを作るためにはどうしたらいいのかでした。
8月6日金曜は大通公園西3丁目〜西4丁目内で関係者のパスをチェックする役割でした。
活動開始したのが男子50km競歩の競技終盤だったので、金メダル争いや最後の選手を拍手で迎えたりと本来のミッションを行いつつ場の雰囲気を少しでも作れたらという感じで動いていました。その日の活動を終えて家で仮眠を取ろうと思ったら突然明朝7時スタートの女子マラソンが1時間繰り上げというニュースが入り、一気に目が覚めました。
午前5時半、4プラ前のスクランブル交差点。冬季夏季五輪会場が一度に見ることが出来る。 pic.twitter.com/YmecFMTXTb
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 7, 2021
7日土曜と8日日曜のマラソン競技は深夜2時30分集合というものでした。
十分な睡眠時間が取れていないことや連日の活動で溜まった疲労で頭の回転がよろしくなかったです。
地下鉄が動き出すと人の流れが出て来たり、すすきの方面に宿を構えた人が大通公園に向かって来たり。ここでも観戦自粛はお願いベースなんだよなと実感したところです。
あと、ランナーが駆け抜ける時に肉眼で見る人よりスマホでランナーを追いかけている人が多かったのが不思議でした。(インスタストーリーに上げているのかしら?)
リーダーとしてメンバーにお願いしたのは「沿道の観衆を刺激せずに観戦自粛のアナウンスをしてください」「危険だと感じたら安全なところに避難して構いません」「活動終了後、手洗いうがいの他に肌が出ている部分を拭いて感染症対策しましょう」という点でした。
俺の東京オリンピックが終わった。明日から5日間は在宅勤務含めて引きこもる。そして2週間の健康観察チェックがある。2度とないであろうパンデミック下での運用は痺れるねぇ〜
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 8, 2021
TOKYO2020 オリンピック、大会ボランティア(Field Cast)最終活動日から14日間の体調チェック、発熱・倦怠感・風邪症状もなく14日間過ぎました。2018年9月の募集開始から今日まで色々あったね~。とりあえずこれにて終了!次の目標へのスタート!(画像はPDFでサッと出せる参加証を印刷したもの) pic.twitter.com/PhHHiubtpq
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) August 22, 2021
大会前は強い逆風で心が折れそうな時がありましたが、制限下で行われた大会を通じて各地のボランティアが出来る範囲で大会をサポートする様子をアスリートや競技団体、関係者やメディアが伝えてくれて非常に嬉しかったです。
TOKYO 2020のあと
大会期間中、大通公園西3丁目と西4丁目を関係者が横断する際は5番出口と6番出口を地下から通らないといけない。なお、地下で一般市民と動線が交わる関係で悪い事が出来ないように地下側にそれぞれ手荷物検査と金属探知ゾーンが設けられていた。 pic.twitter.com/ciMm2bf4F5
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 3, 2021
喜朗がやっちゃってドタバタした2月から吹き続けた向かい風の時はメンタル削られましたね… 嬉々としてメディアがボラ◯◯人辞退とかいう話題出したり。辞める勇気も力がいることだと思うけど、「変わらずやりまぁす!」って表立って言いづらい雰囲気だったし。
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) September 5, 2021
大きな目標が終わって、地元のスポーツボランティア(CVS)に戻りましょうと思っても感染状況から門戸を開いておらず、帰るべき場所がなく燻り続けたのは事実です。
あと、感染状況から出来なかったのがField Castのユニフォームで集合写真を撮ること。
他の都市や会場の情報を聞くところによるとその後も交流を持っているところはあるみたいですが、札幌で活動したField Castでそういった動きを作ろうと思っても出来ていないのが持続性という意味でも苦慮している部分ではあります。
権利を得た pic.twitter.com/q8MZKPTptn
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 24, 2021
裾からオリックス要素がはみ出してるけど一緒に撮れた pic.twitter.com/HrZCgZWwSr
— ス ズ キ さ ん 🥀 (@mercyS580217) November 24, 2021
11月24日、日本シリーズ観戦のため東京に行ったタイミングで催し物があったので、ミライトワとソメイティと一緒に写真を撮ることが出来ました。
年表
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おわりに
コンサドーレがこの街に出来て四半世紀、通年でスポーツボランティアに関われる機会が道内スポーツチーム含めて一気に増えました。仲間を増やすことがどこも課題ではありますが。
仕事や学業と家庭、友達付き合いの他に新たなコミュニティが出来るのが私にとってハマった点でした。特にスポーツボランティアは年齢や性別、職業や国籍が異なる人が集まって一つの目標に進むことが多いので。
あとアドリブ力と度胸が自然と鍛えられるので日常生活に活かせること。
合法的に好きなチームやスタジアム、イベントの裏側に潜入できること。
いきなり国際大会に参加するのもいいと思いますが、テスト感覚で地元のプロスポーツチームのボランティアに参加しても個人的に大歓迎です。私がそんな感じで経験を積んでいき国際大会に繋がったので。
感染症が落ち着いたら一歩踏み出して参加してくれると嬉しいです。
TOKYO 2020大会では当初8万人がField Castとして参加予定でしたが、大会の延期や感染症との兼ね合いで最終的に7万人にはなりました。多様性と調和や様々な配慮が必要な人との接し方など研修で学び、それぞれの地域やコミュニティに還元されることを考えるとすごいなと思います。
この研修資料は読みやすかったので、可能であれば公開してほしいです。
Field Cast、City Castは無観客で開催されたTOKYO 2020を後世に伝えられる存在でもあると思うので、例えば私は「ドーム内の様子はこうだったよ」など現地で可能な範囲で伝えていきたいと思ってます。ここでは出せない写真と共に。
色々あったTOKYO 2020大会でしたが、今回は私の経験ベースで綴らせてもらいました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
おまけの写真コーナー
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札幌を駆け抜けた大迫傑選手のウェア