人からすすめられた本をAmazonで即ポチする人たちをたたえる
知識人気取りのわたしとしては、ヘラヘラしながら、「この本いいよ」とかよくいうんですね。
すると、いろんな反応があります。
そのなかで、いちばん心地よく感心させられる(ちょっと恥ずかしさもある)のが、速攻で目の前でAmazonアプリを開いて、
「ひらっさん買いました!」
「ポチ。平田さんがいうくらいならおもしろに違いない!」
「うひょー、ポチったー、週末読むーたのしみー!」
とかのたまう人です。
もう、彼ら彼女らの意志決定スピードは神速で迷いがない。
おい貴殿たちすげーなと。俺、貴殿たち大好き。つきあってほしい。つきあえないけど、というような印象を持ちます。
翻ってわたしは、
そういう行動パターンを目にしていつも凄いなとおもいつつも、あたかもすごいなとおもっていないフリをしている凡人のなかでも幾分こじらせた領域に所属しております。
ちなみにわたしも含めて凡人類の思考回路を説明すると・・・
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わたし:「いやさ、司馬遼太郎の『峠』がいいんだよ。河井継之助がさ熱いんだよ馬路で(幾分涙ぐんで語る)」
↓
凡人:「む、どんな内容だろう」
↓
凡人:「おもしろそう or あ、俺にはあわない(つーか、こいつ涙ぐんでるし、どんだけ感情移入してるんだよこの眼鏡、つーかなんて反応しよう)」
↓
(おもしろそうと思った場合)
凡人:えーっといくらだろう。上中下で2,500円以上するやんけ。高杉晋作だろ。おいこれ、もしかして、ブックオフで100円でうってんじゃねーか?近所の図書館にあるんじゃないか。
↓
凡人「へーいいね。チェックしておくわ」(で、だいたい買わない)
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というような流れになることが多いかなと思います。
ここで感性という点にフォーカスすると、
他人がすすめる本や音楽というのは、人の感性によって賞賛されているので、自分と相性が悪い人のすすめるものは、自分にとってはクソアイテムだったりすることもしばしばだし、自分と相性がいい(コーエー三国志でいえば、劉備と張飛と関羽の裏設定みたいな)場合でも、どんぴしゃりなアイテムは大体ヒット率50%ぐらいな気がします。
なので、わたしも含めて凡人というのは、なかばそういったクソアイテムを無駄ゲットしないで済ませたいという人間として当然な行動をとるのもむりはありません。
が、Amazon即ポチ派に所属している人はだいたい、このクソアイテムを買うこと自体に後悔というのをしないのかもしれません(わたしは凡人なのでわかりません)
恐らく即ポチ派のみなさんからすると、
・目の前の機会を逃さない(たぶん自分は今を逃すと忘れるということを理解している)
・買うことで相手に好意を伝えたい
みたいな観点があるのかもしれません。
これは、株式会社おくりバントの豪快力養成講座とも近しいものがあり、
たとえば、目の前でわたしが、
「いやさ、司馬遼太郎の『峠』がいいんだよ。河井継之助がさ熱いんだよ馬路で(幾分涙ぐんで語る)」
といったときに、
いささかも躊躇せず、上中下を2,500円強で買うだけで、
わたしは、ことあるごとにその人のことを『強者』だといいふらすわけです。
わたしはセメダイン並に粘着力が高いので、目の前で感心したことに関しては、たぶん生きていれば85歳ぐらいになってもいろんな人に言いふらしますし、死ぬ間際の病室で看護師さんに、
「いやね、あのときね、○〇くんが司馬遼太郎の『峠』の上中下をだね、速攻で買ったんだよね。しかも、自分のだけじゃなくて、そんとき彼の会社には社員が20人いたんだけど、20セット買ったんだよね。20×2,500円で、5万だぜ、すごいよな。わしみたいな凡人とは違うんだよな、ああいう手合いは・・・」
とか、いいながら葛根湯を飲んで死んでいくのだと思います。
ここまで読んできたみなさんに何が言いたいか。
もうわかりますよね。
司馬遼太郎の『峠』がオススメですよ。ということです。
ああ、俺、釣りにいきたい。