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おしゃべり婆が好き
スターバックスというコーヒー屋によくいく。
そこで、ニコニコちゃんで仕事をしていると、隣りの婆さん2名が知人の男性の嫁がノイローゼになった点について鋭意分析していた。
きょうは、『悠久の風』でいこう。
ということで、FF3悠久の風がエンドレスに流れているイヤホンごしに、彼女たちのにぎやかな会話が入ってくる。
曰く。
知り合いの旦那さんに個人看護婦がつき、その人が家政婦として家のことをすべてやってしまったのでやることがなくなった奥さんがノイローゼになってしまった。可哀想。でも、その家政婦がいなくなった途端、奥さんは旦那さんに世話を焼くことができて、すっかりその女性は元気になったんだからね。あれよね、人間というのは、脳をつかったり誰かのために働かないと生きていけないものなのよね。それにしても、こないだあったときはまさか自殺一歩手前までいった人とは思えなかったの。カミムラさんの件、他人の失敗を笑うのって良くないよね。あ、そういえばハワイのコンドミニアムの件はどうなったの?
脈絡がない。婆たちは、話すために話している。話すことが目的である。
そして、彼女たちは裕福である。いいじゃないか。
あ、そうそう、わたしは上機嫌でいることに自信があって知らない土地でも、海外でも道をよく聞かれる。
善人として見られているのであろうか。この盆暗、御しやすしとみられているのだろうか。よくわからない。
よくわからないが、婆さんの1名が去り際に、イヤホンの『悠久の風』越しにこう語りかけてきた。気分は大草原のフィールドを冒険しているわたし。
「どーも五月蠅くてごめんなさいね。おほほ」
ははは。わたしは、イヤホンの左耳を外して、
「はははは。お元気そうでなによりです!」
そういった。
婆さん2名が、こちらに微笑む。
わたしは、彼女たちの全資産を数億円前後と計算して、どうで資産分与されそうもないその使い道を妄想した。
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