質問箱への回答⑧『意識レベルとアトラクターフィールドについて』
こんにちは。ここ最近、質問箱へのご質問をたくさんいただいております。今回のご質問も、前回、前々回の内容に引き続いたものとなっていますのでそちらの記事もここにリンクしておきますね。また、ホーキンズ博士の意識のスケールについて関心のある方、または勉強中の方にもおすすめですのでぜひお読みください。
さて今回のご質問はこちらです。
回答はこちらになります。
ご質問ありがとうございます🙂
たしかに前回のご質問への回答では――というより、わたしのこれまでの様々な記事においても――意識レベルについて、単に意識レベル500だとか高い意識レベルあるいは低い意識レベルと言うだけで、その具体的な中身について詳細には述べていませんでしたね。ちょうどよい機会ですので、今回はそれについて説明してみたいと思います。
なお、今回はちょっとした図を用いて話をしたいと思うので、この質問箱ではまずご質問に対する全体的な回答を書かせていただき、さらにこれを転載するnoteの記事においてはその中で重要な概念であるアトラクターフィールドについて、図を用いて具体例を挙げながら考察してみたいと思います。
さてそれではまず、ご質問についてすこしずつ見ていきましょう。
前回のご質問への回答において、意識レベルについてわたしは、意識を太陽の光にたとえ、この光が肉体精神機構(の、とりわけ心)にどれだけ届いているかを示していると説明いたしました。ご質問では、この光のグラデーションつまり濃淡ないしは明暗はアトラクターフィールドのことを言っているのだろうか? ということを聞かれていますね。
光の明暗はあくまで意識レベルの数値を表すものです。明るいほど意識レベルが高いことを意味し、逆もまたしかりです。そして、この明暗の差を生み出しているもの、正確には暗さをもたらしているものがご指摘のアトラクターフィールドになります。
ここでホーキンズ博士が「パワーか、フォースか」の中で言及しているアトラクターフィールドの概念について説明しましょう。これは意識のスケールの概念の根底にある考えなのですが、難解であり、またこの概念についてあまり理解せずとも意識のスケールの概念を活用することは可能でもあるため、ほとんどの人が読み飛ばしているように思われます。しかし、これは非常に重要なだけでなく、アトラクターについての理解があれば人間の活動に関するありとあらゆる事柄を検証することが可能になるのです。
そもそもアトラクターとは博士独自の用語ではなく、非線形力学と呼ばれる学問領域において用いられる一般的な言葉です。詳しくは省きますが、一見するとなんの秩序もないカオスなデータ群を数学的に解析していくと、そこになんらかのパターンが発見されることがあります。このパターンを誘発している(=引きつける=Attract)ものをアトラクターと呼んでいるわけです。
博士は人間の意識(肉体精神機構に宿っている意識)の領域にもこのようなアトラクターが多数存在していると言っているのですが、このアトラクターの性質がそのまま意識のスケールにおける代表的なレベルを表しています(下記参照)。
700- 悟り
600 平和
540 喜び
500 愛
400 理性
350 受容
310 意欲
250 中立
200 勇気
175 プライド
150 怒り
125 欲望
100 恐怖
75 深い悲しみ
50 無感動
30 罪悪感
20 恥
このように、人間の意識領域には「理性」や「勇気」や「欲望」や「罪悪感」といった特質や感情、態度などへと人を引きつけるアトラクターがさまざまに存在しているというわけですね。こうしたアトラクターのうち、低いレベルに存在しているものがいわゆる煩悩を生み出していると考えることができるのですが、高い領域のアトラクターは逆に煩悩から人を脱却させ、意識レベルを高めようとする働きをもっています。
それぞれのアトラクターのもつ性質のことをアトラクターパターンと呼びます。そして、その性質が影響を及ぼす場のことがアトラクターフィールドとなります。個々のアトラクターとそのフィールドは人類の意識において普遍であり固定的ですが、それぞれの肉体精神機構が持っているカルマの中身によって、どのアトラクターフィールドから影響を受けるかに違いがあります。これについてはnoteのほうで詳述します。
ここまでのことを太陽光のたとえに付け加えるなら、光の明暗は意識レベルの数値をあらわし、光のスペクトルはその肉体精神機構に影響を及ぼしているアトラクターフィールドがどのような構成になっているかをあらわしていると言えるでしょうか。
ちなみにご質問にあったエネルギーフィールドについては、文脈にもよりますが肉体精神機構から発せられる意識のエネルギーフィールドのことだと思います。意識レベルは対数でカウントされるので、1ポイント上がると意識のエネルギーは10倍になります。この意識のエネルギーは非常に微細ではありますが、とはいっても意識レベル300台の肉体精神機構と500の肉体精神機構では発しているエネルギーが桁違いという言葉でさえ言い表せないほどかけ離れていることが分かるでしょう。
意識レベル600を超える肉体精神機構はそのエネルギーフィールドによって国家レベルで影響を及ぼすようになります。1000で測定されたイエス・キリストや仏陀のエネルギーフィールドは2000年の時を越えて人類全体に影響を及ぼし続けていますね。
さて、これでご質問に対してはおおむね回答できたかと思います。続きはnoteの方をご覧くださいませ。
さて、アトラクターとそのフィールドについての概略は以上のようになりますが、ここで実際に特定の人物(の肉体精神機構)がどのようにアトラクターフィールドの影響を受けているのかについて、いくつか具体例を見ていきましょう。
まず最初に、意識のスケールに対応している代表的なアトラクターフィールドをこのような図にしてみました。
この図では、すべてのアトラクターが同じ大きさにしてありますが、あとで見ていく個々のケースの図では、この楕円の大きさがその人に対する影響力の強さを表します。縦の位置については左端の意識のスケールに対応していますが、左右の位置については見やすいようにまんべんなく散りばめただけなので特に意味はありません。この図を人間の意識であるとみなすと、そこにはこのような具合にアトラクターが存在しているわけです。意識レベルが高いほどそのパワーは対数的に高まりますから、より上に存在しているアトラクターほど強い力(人の意識レベルを引き上げる力)を持っていますが、個々の肉体精神機構がいずれのアトラクターから影響を受けるかについてはカルマが決定します。
つまり、アトラクターそのもののパワーと、それが個々の肉体精神機構に影響力を及ぼせるかどうかは別問題ということです。そうであるからこそ、肉体精神機構ごとに意識レベルが異なっているわけです。
さて、それでは具体的なケースを見ていきましょう。まずは意識レベルが350で測定される探求者を例にとってみます。
その人の、あるいはその肉体精神機構の意識レベルを決定しているのは、もっとも強く影響しているアトラクターです。これが意識のスケールを理解する上でもっとも重要なポイントといえるかもしれません。このケースでは350に位置している「受容」のアトラクターがもっとも強い影響力をもっているため、この人は意識レベル350で測定されます。
また、この人においては受容に次いで「恐怖」のアトラクターが強く、その次に「愛」が強くなっています。このことから、受容性(といっても受け身ということではなく、現実を正面から受け止め、それに責任を持てるという性質のことです)がこの人のキャラクターをもっとも表していながらも、ひどく臆病で猜疑心の強さが影を落としていることでしょう。一方で、愛の影響力によって愛情深さや優しさも兼ね備えていますが、恐怖に足を引っ張られているため、その愛情や優しさを発揮できる相手は限られているかもしれません。
この人は探求者であり、この人生で最低でも意識レベル500以上、できれば600以上に到達したいと望んでいるとします。その観点でいくと、この人が現状350に留まっているのは恐怖(100)が重りになっていてそれより高く浮上できないのだと考えることができそうです。仮に恐怖のアトラクターの影響が、子供のときに負ったトラウマのせいだとすれば、このトラウマと向き合って克服することができたなら、それだけでこの人の意識レベルは多少なりとも上昇するはずです。しかも、この人は愛(500)の影響力も強く受けていますから、愛の影響力が増して受容の影響力を超え、一気に意識レベル500に到達する可能性は小さくないでしょう。
アトラクターとその影響については、誰しもがこのような感じになっていますから、自分の意識レベルの数値だけを気にしているのでは、実はあまり意味がありません。代表的なアトラクター以外の部分にも目を向けることで、成長のためのヒントが見つかるはずです。
ちなみに、ここでは探求者としましたが、意識レベル350の人物がみな探求者というわけではもちろんありませんし、同じ350でも、「受容」のアトラクターの影響がもっとも強いということ以外、アトラクターの影響力の構成は人によって千差万別です。
さて、次もまた探求者のケースを見てみますが、こんどは意識レベル450の人物となります。
理性(知性)のアトラクターは400で測定されますが、人間の意識のアトラクターはこの図にあるものだけでなく、無数に存在しています。たとえば知性にしても、分析的な知性、博学的な知性、ユーモアに富んだ知性などなど、さまざまに特徴のある知性が存在し、そしてそのような知性が存在するということは、人をそのような知性へと引きつけるアトラクターが意識のフィールドに存在しているということを示しているのです。
ここではその中身については触れませんが、この人の場合は理性といってもやや高い領域に存在しているアトラクターからもっとも強い影響を受けていると考えてください。そのアトラクターが450で測定されるということになるわけです。
この人も探求者なのですが、この人の場合、その際立った知性によって意識レベルは450と、さきほどの350の人よりもすでに100ポイント高いレベルに到達しています。その点でいえば、この人はさきほどの人よりも進んだ探求者であるはずです。350の人にはとても読めない高度な概念の書かれた聖典なども、この人には簡単に読めてしまいます。ただし、書かれていることを実際に経験できる(=知覚できる)かとなると、それは難しいです。なぜなら、それは500以上になってようやく可能になってくるからです。
本人も、自分の理解は頭だけのものであって、そこに知覚が伴っていないことは分かっているでしょう。だからこそ、この人はどうやってでも500以上に意識レベルを上げたいと願っています。しかしながら、この人のアトラクターの影響力の構成をみていくと、理性のアトラクターだけが抜きん出て強い影響力を持っていて、その他となると理性の下に位置している300台のアトラクター(意欲、中立、勇気)が多少影響力を持っているものの、より高い領域のアトラクターからはほとんど影響を受けていないことが分かります。
450という意識レベルは人類全体でみればかなり高いのですが、ここからさらに上昇するとなると、この人の現状の構成ではちょっと見込みが薄いなあと言わざるを得ません。ただ、幸いにもこの人は200以下の低いアトラクターからはほとんど影響を受けていないので、意識レベルの足を引っ張るようなカルマはほとんど残っていないでしょう。そこから、この人は相当安定していて、かつ豊かで余裕のある人生を送れているであろうと推察できます。
ですので、この人にとっては知的な探求にはキリをつけて、愛や喜びのアトラクターフィールドに自らを晒していくことが課題となるでしょう。それにはバクティヨガを学ぶのがよいはずです。具体的には、奇跡講座やわたしが先日紹介した「インパーソナルライフ」などの明け渡しの教えに触れてみることです。生活に余裕があれば、そのような取り組みも無理せず可能であることでしょう。
アトラクターの影響力の構成に無頓着であるとこのような課題は見えてきませんが、自分の性格、性質、態度、行動パターンなどをしっかりと見つめて、それらがどんなアトラクターからの影響によって生じているのかを分析すれば、打開策が必ず見つかるはずです。そのためにも博士の著作を何度も読み込むことが大切です。
最後に、これはオマケですが高知能サイコパスについて見てみます。サイコパス(社会病質者)にもさまざまなタイプがいるようですが、意識レベルの観点でいえるのは、いずれも200以下の低いアトラクターの影響力が非常に強いということです。200以下で測定される人物がすべてサイコパスではもちろんありませんが、サイコパスが200以上で測定されることもありません。
ここでは意識レベル150のサイコパスをモデル化してみました。怒りのアトラクターがもっとも影響力を持っているため、この人物は150で測定されますが、見ての通り、欲望(125)や無感動(50)や恥(20)の影響力も非常に大きいですね。
いっぽうで、200から300台に位置しているアトラクターの影響がほとんどありません。この領域は他者を理解し、共感し、協働するために必要なアトラクターばかりです。全体としては低いアトラクターの影響が非常に強いのですが、そのことよりも、この中間域の弱さがこの人物をサイコパスにしている要因としては実は大きいのです。
サイコパスがみな高知能かというと、全然そんなことはありません。このケースでは中間域を飛び越えて理性のアトラクターが強い影響力を持っているため、いわゆる高知能サイコパスということになります。この人の場合、もしも理性と怒りの影響力の大きさが逆であったなら、めちゃめちゃ怒りっぽいヤバい人ではありますがそのヤバさを理性で抑えることのできる意識レベル400台の人物であったことでしょう。
以上、いくつか例を見てみましたが、いかがでしたでしょうか? 先にも書いたように、人の意識のフィールドには無数のアトラクターが存在していますから、実際にはこんな単純に説明できるわけではありませんが、それでも意識レベルについての理解が深まったのではないでしょうか。そうであれば幸いです。
それでは、最後までお読みいただいて、ありがとうございました😉