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地球そのものがテラリウム?

先日のウイングメーカーシリーズを紹介した記事で、似たようなことが書かれているものとして『エイリアン・インタビュー』を挙げましたが、せっかくなのでこちらの方も記事として取りあげたいと思います。

この本もウイングメーカーと同じく、いちおうはフィクションであると断ってありますので、あまり詳しく書くとネタバレとなってしまいます。したがって、概略をお伝えするとともに、ほんの一部だけ引用して、どんなことが語られているのかを知っていただけたらと思います。

先ほども書いたとおり、エイリアン・インタビューはフィクションとして読んでもらいたいと著者があえて書いているのですが、その内容は実際に起きたロズウェル事件に基づいています。1947年7月にアメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェルにて、墜落したUFOの機体が回収されたと言われています。この本によれば、その際に一名の搭乗員が生きたまま確保され、軍の施設で保護されていたそうです。

この本の本編は、保護されたエイリアンとテレパシーで意思疎通することができた唯一の地球人であったマチルダ・オードネル・マックエルロイという女性の衛生兵が、エアルという名前であるらしいこのエイリアンとの邂逅と、エアルとの間で交わされた対話とその成りゆきについて書き残した文書類によって構成されています。著者のスペンサーはこの文書をマチルダ本人から譲り受けて公開することを託されたと述べていますが、そのことも含めてフィクションとして受け取って欲しいと言っています。ここはどのようにもとれるのですが、事実であるならば間違いなく国家機密の暴露に相当するためスペンサー自身も危険に晒される可能性が高いので、フィクションという体裁で公開したのだ、ということであるとわたしは理解しました。

エアルとマチルダが対話を重ねていく過程そのものも大変面白いのですが、なんといってもエアルが語る地球と地球人についての真実があまりにも衝撃的です。これについてはウイングメーカーの記事でも触れましたが、最近わたしは、地球上で人間が輪廻転生を繰り返しているのは実は不自然なこと(自然ではない=人為的なこと)なのではないかと考えているのですが、具体的にそれはどういうことなのかを説明する一例がこのエイリアン・インタビューの中で語られています。

その詳細は実際に本を読んでいただくとして、わたしがそのように考えている根拠というか理由のひとつに、地球の生態系と生物の形態には進化論を踏まえても理解不能なものが多々ある、ということがあります。例えばウミウシの形態があまりにも多様すぎることは、適者生存という進化論のメカニズムとはなんの関係もなさそうです。そして、その多様さに驚き、またその美しさや奇抜さを愛でて楽しむことができるのは、おそらく地球上で人類だけではないかと思えるのです。

そう考えてみると、ウミウシだけではなく、美しい花々や鳥たちも、彼らのその美しさを発見して感動できるのは人間だけかもしれません。オカメインコのほっぺたが丸く赤い理由は、人間からみて可愛いから以外にわたしには思いつけません。驚くほど忠実に葉っぱや花に擬態するある種のカマキリなども、たしかに生存戦略としてそのように擬態できることは有利ではあるでしょうが、こうした形態を、偶然に起こる突然変異の結果として獲得できるなんていうことが、果たしてほんとうにあるのでしょうか?

さらに言えば、地球上の景観のすべてや、あるいは夜空を見上げた星空の美しさも、これらは本当に自然の姿なのでしょうか? もしかしたら、わたしたち地球人よりも遥かに高度に進化・発展した文明をもつ存在たちが地球とその環境をデザインし、その中にユーモアとしてウミウシのような種を散りばめておいて、地球人であるわたしたちがそれを見て、美しさに感動したり、その不思議さに驚き戸惑ったりするのを観察して楽しんでいるのではないでしょうか?

もちろん、地球と地球人に関して不自然と考える理由は他にもあるのですが、それはまた別の機会に書きたいと思います。さて、前置きが長くなりましたが、ここでエイリアン・インタビューの一節を読んでいただきましょう。

これらの生物のプロトタイプが生産され、人工的に作られた環境の中でテストされた。欠点が洗い出され、改良され、最終的に新しい生命体は、最終的なテストのために実際の惑星の環境に持ち込まれる前に生命力、またはスピリチュアルなエネルギーを「授けられた」、または「吹き込まれた」のだ。

(中略)

真実はこの惑星とこの宇宙の中の他のあらゆる惑星上の生命体は我々のような会社によって創造されたというものだ。
他にどうやってこの惑星の陸地と海にいる何百万という完全に分岐し、関係のない種族の生命を説明するのか? あなたは他にどうやって、あらゆる生命体を特徴づけるスピリチュアルな生気の源を説明するのか? それが「神」のもたらしたものである、と言うことはあまりにもおおまかである。

ローレンス・スペンサー「エイリアン・インタビュー」

これは、エアルがマチルダに生物学のレッスンを授けている場面の中の一節です。詳しいことは省きますが、エアルによれば約7000万年前に太陽系を含む近隣宇宙の領域で起こった宇宙戦争によって地球の生物環境はいったんほぼ壊滅したそうです。その後、エアルが昔いたバイオテクノロジーの会社の元同僚であった(エアルは何兆年も生きているそうです)別のエイリアンたちのチームが地球にふたたび生物を補充するプロジェクトに関わった、とエアルは言っています。

この引用文が、あくまでフィクションとはいえ、さきほどわたしが書いていた疑問に対する答えにそのままなっています。みなさんは、どう思われるでしょうか?

また、興味深いのは、バイオテクノロジー的に生物を設計して創造するのですが、肝心の「生命力」すなわち「命」そのものは、これを読む限り、その創造の過程とはべつに「吹き込まれる」ようであることです。ではその生命力、命とはなんなのか? というところが気になりますが、それは全編を読み通すことで明らかになるでしょう。

いかがでしたでしょうか? この記事で気になったという方はぜひ『エイリアン・インタビュー』をお読みください。Kindle版のリーダーズ・エディションというもので大丈夫です。Kindle Unlimitedなら無料で読めますよ。

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