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クリスマスイブに歌川国芳を観てカレーを食べて帰ってきたおじさんの話
前口上のようなもの
先週の水曜日に母が病院から帰ってきました。リハビリとして、それからは毎日どこかへ一緒に散歩に出かけるようにしているんですが、今日は中之島美術館ではじまったばかりの歌川国芳展を観に行ってきました。会場までの移動もそこそこの距離を歩きますが、美術展って2時間ほどはゆっくりとはいえ歩き詰めなので結構疲れるものです。それで本当はわたし一人で行こうかと思ってもいたのですが、誘ってみたら行きたいと言ったので連れ立って行ってきました。
浮世絵版画をまとまったボリュームで観るのはこれが二度目で、一度目は大阪市立美術館でやっていた葛飾北斎展でした。北斎は長生きだったこともあって作品の数が膨大で、展示されていたものを観て回るだけでも4時間ほど掛かったのですが、にも関わらずどの作品も超絶的な技巧とセンスで描かれていて質と量のいずれにも圧倒されてしまいました。鑑賞後は数日ほどは心に衝撃のようなものが残っていたことを記憶しています。そのような体験はあとにも先にもこのとき限りですが、20年前に東京都現代美術館で観た「Yes オノ・ヨーコ展」も強く印象には残っています。インスタレーションというものを初めて観たのがそのときだったのですが、その表現手法もさることながら、オノ・ヨーコが発しているメッセージが当時まだ30歳すぎだったわたしにはとても刺激的で、いろいろと影響を受けたと思います。
この本は自分でも何度も読み、それから何人かにプレゼントもしたことがありますが、とっても素敵なのでここでもおすすめしておきます。
歌川国芳展
歌川国芳のことは正直いってわたしはさほど詳しくは知らなかったのですが、時代的には江戸の末期のころに活躍した浮世絵師で、葛飾北斎よりも約40年ほど後に生まれてきた人です。
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今回の展示の看板作品ともなっているのがこの骸骨の絵です。歌川国芳の作品には様々な歴史物語の一幕を描いたものが多く、この作品もそうです。今回は撮影可能な作品が限られていたので紹介できませんが、国芳の作品の題材(この作品では巨大骸骨)や構図、それから色使いをずっと観ていると、現代の漫画家のなかでもとくに画力が優れていると評価されている作家の作品における見ごたえのある見開きページなどに、その影響が受け継がれているような気がしました。まあこれは北斎を観たときにも感じましたし、なんなら北斎は漫画の原型ともいえるようなポンチ絵も数多く描いていました。いずれにしても漫画の中には北斎や国芳と並べて比較しうる作品が存在していることは事実でしょう。北斎や国芳ら昔の日本の絵師たちがもし油絵を描いていたなら、漫画というものは生まれていなかったかもしれません。
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坂田怪童丸とありますが、これは金太郎さんこと坂田金時のことですね。金太郎もすごいですが巨鯉もすごいです。
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これは忠臣蔵の一幕を描いた作品ですが、なんとなく雰囲気がほかの国芳の作品とは違っているように思えました。個人的にはルネ・マグリットの絵のようなシュールさを感じます。
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これは人の身体が集まって一人の人物の首絵になっているもので、なんかこういう感じの遊びがある作品も多く展示されていました。写真は撮れなかったんですが、「ぼんぼん」と題された金魚の絵がかわいくて一番気に入りました。
歌川国芳展、なかなか見応えがあります。国芳の絵というのはもちろんですが、版画ですので元の絵を版本に彫った彫師やそれに色刷りした刷り師たちの作品であるとも言えるわけで、作品ごとのタッチや色味の違いなどを見比べるのも一興です。また、絵のなかには文章が書いてあるものも多いのですが、この時代の文章はいまのわたしたちにもなんとか読めますね。単に絵を観るというより、200年ほど前の日本人がどのような服装でどのような言葉を話し、どのような生活をし、どのような芸術を楽しんでいたのかまで知ることができる貴重な機会だと思います。ぜひ行ってみてください。
旧ヤム邸 中之島洋館にてカレーを食す
歌川国芳を観たあとは、中之島美術館からは地上に出ずにそのまま歩いて行かれる旧ヤム邸 中之島洋館でカレーを食べました。
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豚キーマとチキンカレーを選びましたが、どちらもなまら旨かったです。特に豚キーマが濃厚で美味しかった!また行く!
お店の内装や調度は明治・大正時代の洋館を模してあり、それだけでも来る価値があるかもしれませんね。梅田にも旧ヤム鐵道という名前ですが同じお店がありますよ。
おまけ(イヤホンの話)
Maestraudio (マエストローディオ) という会社が出している MAPro1000 というイヤホンはめっちゃくちゃいい音を出します。もちろんわたしも愛用しているのですが、このイヤホンは1万円台前半のお値段と、まあ興味のない人からしたらお高いかもしれませんが、この価格帯は本格的なオーディオ製品としてのイヤホンではエントリークラスになります。
ですから、性能といってしまえば他のもっと高価なイヤホンには当たり前にこのMAPro1000 よりも優れた製品がたくさんあります。でも、イヤホンのよさって単純な性能だけでは決まらないんですよね。もちろん音の解像感だとか定位感、音場の広さなどはよいに越したことはありませんが、結局のところそのイヤホンで音楽を聴いたときに「いい音やわあ」と感じられるかどうかが大事なわけです。
この MAPro1000 のよさはそこで、とにかく音がいいです。エモいです。もっといいイヤホンも持っていますが、それらのほとんどはいずれ飽きて手放すと思っています。でもこの MAPro1000 は多分ずっと持っているでしょう。なんならスペアとしてあと2本くらい買っておきたいくらいです。まあ、これは好みもあるんでしょうけど、エントリークラスだけに万人受けするような味付けでもあるので、きっとどなたにもおすすめできるはずです。
今回リンクを貼ったのは、そんな MAPro1000 のニューカラーとして登場した Bluish Snow です。光の当たり具合によってすこし青みがかって見えるなかなかいい色ですね。わたしが持っているのは ガーラルブルーという色で、これも深みのある素敵なカラーです。そもそもわたしはこのガーラルブルーに魅せられて評判なども気にせず買ったクチですが、買ってよかったです。2本目に買うなら Bluish Snow かなあ。
ちなみにですが、最近のスマホにはイヤホン端子がついていませんね。USB-C や i-phone の Lightning をイヤホンの3.5mm端子に変換するケーブルもありますが、せっかくなのでそうしたものを使うより、USB DAC というものをおすすめします。たとえばこれ。
変換ケーブルとの違いは、一言でいうと音質が段違いというものです。また、この Macaron もそうですが、端子が一般的な3.5mmだけでなく、4.4mmのものもついています。これはバランス接続というもので、それ用の4.4mmのジャックがついたケーブルが必要になるのですが、それを使うと3.5mmのアンバランス接続よりも音の分離感が増し、空間が広がって、よりよく音楽を楽しめます。MAPro1000 にも専用の 4.4mmバランスケーブルが別売りで用意されていますよ。
12月26日追記
うっかり書き忘れてしまったんですが、Macaron には USB-C に対応したケーブルしか付属していません。これは Macaron に限った話ではなく、ほとんどのポータブルDAC がそうなんですが、Lightning 端子のついた i-phone でこうしたDACを使用するためには、USB to Lightning というタイプのOTGケーブルというものを別で用意する必要があります。OTGと書いてあるものなら基本的にどれでも大丈夫ですが、ケーブルによって音質も違うのでそこが気になる方はすこし高いですが SHANLING や iBasso といったオーディオメーカーのものなら間違いないです。まあ最初は安いものでもいいと思いますけどね。
つまり、Macaron と MAPro1000 を買っておけば、将来的に4.4mmへとアップグレードすることが可能ということです。合計で 2万円ちょっとの出費となりますが、いままでちゃんとしたオーディオ機器で音楽を聴いてこなかった人にとっては新時代の幕開けとなることでしょう。わたしはいまではほとんどどんな快楽にも渇望はありませんが、音楽をいい音で楽しむことだけはこれからもずっと続けたいと思っています。音楽はいいですよね。
今回はここまでです。読んでくださってありがとうございました。ではまた次の記事でお会いしましょう😉✨️✨️
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