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なぜこの人生なのだろう?
BLOGに書いていますが、15年くらい前の35、6歳ごろのわたしは今振り返ってみてもなかなか壮絶な人生を送っていました。違法薬物(の中でもいちばん悪いやつとされているものも含みます)とギャンブルへの深刻な依存によって自業自得で招いた様々なトラブルによって、本当によく死ななかったなと思えるくらいの苦しみを味わいました。
それからずいぶん経ったいまは平穏でなんのストレスもない生活を送れていますが、第三者視点でみれば、いまのわたしは人生から転落して落ちぶれたおじさんでしかないかもしれません(昔:ベンチャー企業の取締役→現在:Uber eats の配達員)。
よく、こんなことを考えたり、人と話したりしませんか? すなわち「どこかの時点から、もういちど人生をやり直せるとしたら、それはいつ?」とか「あのとき、こうしていればよかった……」といったことです。
わたしも若かった頃、そう、ちょうど上に書いたように苦しんでいた頃にはとくによく考えたものです。いまだから分かるのですが、こういうことを考えるときというのは要するにそのときの現実を真正面から受け入れることができていないんですね。
いまこうなっているのは誰かのせいか、生まれた環境のせいか、あるいは時代のせいか、それともちょっとしたタイミングが悪かったせい、というように自分以外のなにかに原因もしくは責任があるのであって自分はけっして間違っていたり悪かったりはしないと思っているのかもしれません。
もしくは逆に、自分の具体的な言動を大失敗だったと悔やんで悔やんで自分自身を激しく責めているのかもしれません。
しかし、いずれにしても、過去に戻ってもう一度やり直すことなんてできっこないということは誰でも分かっているわけです。分かっているのに、過去に囚われて、過去を書き換えられたらどんなにかよいだろうと考えてしまうのは、いったいなぜなのでしょうか?
ここで、デーヴィッド・アイクの本から一節を引用します。デーヴィッド・アイクはドのつく陰謀論者として、おなじ陰謀論界隈でさえ異端視されている作家です。レプティリアンという概念を世界中に広く知らしめたのは彼であると言ってよいでしょう(彼が最初に言い出したというわけではありませんが)。
そんな彼ですが、わたしは高く評価しています。それは、彼の書く話が膨大で広範な資料やインタビューといったエビデンスをもとにした客観的なものであるからですが、それとは別に、彼の基本的な考えがわたしがかつては知識として知っていて、いまではそれを生きているところの「非二元」や「悟り」の文脈における「真実」に根ざしているからです。
デーヴィッド・アイクの著書には単なるオカルト本を超えたところにある、人類への深いメッセージがたくさん含まれています。わたしがこの note の記事で彼を引用し紹介しているのは、一人でも多くの人がこのメッセージを受け取るべきだと考えているからです。
では、さきほどの話題について、まずはこちらを読んでみてください。
もし自分の人生や幼少期が気に入らないなら、落ち着いて自問してほしい。なぜそれが必要だったのか? どうして他の人ではなく、自分の身に起きたのか? どうして他の人生ではなく、その人生を送っているのか? この問いの答えを見つければ、人生が変わるはずだ。そうすることで、学び終え(心プログラムが削除され)、次に進めるからである。必要性があって経験しているわけだから、必要性がなくなれば、もはや経験することはなくなる。もし同じような経験を繰り返しているとしたら、そうした経験が伝えようとしているメッセージを、あなたがまだ消化できていないという意味になる。学び終えるまで繰り返されるだろう。
(デーヴィッド・アイク 著)より
「起こることは起こります」という表現をわたしはときどき使います。これは、実際に起きたできごとはすべて起こるべくして起こったのだ、という意味ではありません。これだと、どんな出来事にもそれが起きるだけの条件や原因や理由があるという話になってしまいます。
「起こることは起こる」という場合、それは「起こることになっていることは、かならず起こる」ということを言っています。すなわち、起きたことは起きることが決まっていた、ということです。そして、「起こらないことは起こることになっていない」となります。
このことが真実かどうかは、頭で考えてもけっして分からないでしょう。しかし、あなた自身の人生を丁寧に調べてみれば、起こることは起こってきたことが分かるはずです。そして、起こらなかったことが、起きることになっていなかったのだということも、あなたが現実を受け入れる勇気をお持ちなら、理解されることでしょう。
あなたがあなたとして生まれてきて、あなたという人生を生きているその体験をほかの誰かがとって代わることはできませんし、ほかの誰かの人生をあなたが代わりに生きることもまた、できません。これが意味しているのは、あなたという人生はあなただけに起こったことであり、それがあなただけにそのようにして起こってきたということは、その起こってきたことすべてが起こることとして起きてきたということです。
つまり、あなたの人生のすべては起こる必要、必然があったということです。また、あなたの人生に起こらなかったこと、そしてこれからも起こらないであろうことは、そもそも起こることにはなっていないのです。
引用したアイクの文章の後半ではカルマとの対峙と解釈できることが書かれていますが、それも起こることとして起きます。あなたがカルマを克服することになっているのであれば克服するということが起こるでしょうし、克服できないことになっているのなら、克服することは起こらないでしょう。
最初に触れたように、わたしの人生では深刻な薬物依存とギャンブル依存ということが起こりました。仮に、もしもわたしがもっと若いどこかの時点から人生をやり直したとしても、わたしはそのやり直したルートの人生でまた薬物やギャンブルとであい、それに依存することになるだろうと思います。あるいはそれらを回避できたとしても、それと同等の、おそらく類似した性格のなにかによって非常に苦しむ別の人生を歩むことになるでしょう。
そして、その後どうにかこうにかして、いまのこのルートの現在のわたしと同じようなわたしになっているはずです。
ですから、現在のわたしは過去に戻ってやり直したいなどとは 1mm も思いませんし、もう二度とあんなに苦しい思いはしたくありません。それに、そのような壮絶な人生を経ていまのわたしが「いまあるようにある」ということも起こることとして起こったのだということが、わたしには分かっています。
このような理解が起これば、未来になにが待ち受けているかについても、まったくなんの心配もなくなります。なぜなら、起こることは起こるし、起こらないことは起こらないのですから、人生がいかように展開してくとしても、それを面白がって生きていくだけだからです。
すべては必然です。これは、この世界のすべてが本に書かれたとおりに起こるというようなことではありません。でも、あなたの人生という本の著者はまちがいなくあなた自身です。
おまけに、今回引用したのと同じ本の中からデーヴィッド・アイクの言っていることをもうすこし紹介しておきます。これらを読んで気になった方はぜひ本を手にとって読んでみてください。
人類は、心身を「私」と自己認識するように、さまざまなレベル、さまざまな方法で、騙されてきた。この間違った自己認識が、我々の注意を心身に釘付けにし、本当の「私」(根源意識)から我々を切り離している。この致命的な観点のズレは、我々の「体験」にとっても、我々が集合的に創造している世界にとっても、非常に重大な意味を持つ。根源意識は、全ては一つだと知っている。だが、心は、何もかも分離して別々と考える。心が根源意識に奉仕し、根源意識の「体験」を補助している限りは問題ない。それが心の本来の役目だ。だが、我々が、心身を自分だと考えるようになると問題が発生する。我々の思考内容が真実だという錯覚に囚われてしまうのである。
(デーヴィッド・アイク 著)より
これなどは非二元そのものですね。
人生の目的は、知識を増やすことよりも、減らすことにある。洗脳解除とも言う。すでに根源意識は最高の状態にあり、「全知」だからだ。「意識」的になるために何ら奮闘努力する必要はない。本来の自然な状態に過ぎないからだ。人々は時間を浪費して探し回るが、立ち止まることで新たな発見をしようとはしない。だが、我々が根源意識だ。探す必要はない。必要なのは、我々が本来の自己と接続することを阻止し我々を心に閉じ込める、余計な錯覚の障壁を除去することであり、寄り道をしないことだ。
(デーヴィッド・アイク 著)より
これもそうですが、根源意識を右脳がつながる高次の意識とみなし、心を左脳の思考とみなせますね。デーヴィッド・アイクの話の核心は人々の心がいかに操作され、制限され、抑圧され、洗脳されているかということ、そして、それを行っているのは何者なのか? というものです。こういうしっかりとした論旨があるところがただのオカルト作家とは一線を画するところですね。
それでは読んでくださってありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。
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