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ロマンス詐欺にあわないための心構えと対策

近年、ロマンス詐欺が増加しています 特に狙われているのは、ネットを通じて新しい出会いを求めるアラフィフ世代の女性たちです
「私が騙されるなんて、信じられない」 そんな声が、被害者たちから続々と聞かれます
例えば、52歳の主婦、A子さんのケースです A子さんは長年の結婚生活が落ち着き、子どもたちも自立したため、自分の時間を持てるようになりました ある日、SNSの友達申請で、海外在住のビジネスマンを名乗る男性、ジェームス(仮名)と知り合いました
ジェームスはとても魅力的でした プロフィール写真はスーツ姿でビシッと決め、社交的なコメントで、誰から見ても成功した人物に見えました 彼は初めのうちは軽い挨拶程度のメッセージを送ってきましたが、やり取りが続くうちに彼は優しく、時にはジョークを交えながら、A子さんの生活や気持ちを深く理解してくれる存在へと変わっていきました
「毎日話すことで心が満たされていくのを感じた」 A子さんはその当時を振り返ります
彼は仕事で忙しく、また海外に住んでいるためすぐに会うことは難しいと言いながらも、「いつか会いたい」という未来の約束をし続けました そんなある日、ジェームスから緊急のメッセージが届きます
「会社の取引が急にストップしてしまい、巨額の資金が必要になった」 ジェームスは困り果てた声で、「これが解決できればすぐに日本に行く。二人で一緒に暮らしたい」と言ってきました A子さんは彼のために力になりたい一心で、数百万円をなんとか工面して送りました
しかし、そこから連絡が途絶えてしまいました 何度メッセージを送っても、彼からの返信は一切なく、SNSのアカウントも削除されていたのです
「まさか自分が…じていた相手に裏切られるなんて思ってもみなかった」 A子さんはそのショックで心身共に疲れ果て、長い間その事実を受け入れられなかったと言います
このように、ロマンス詐欺は感情的なつながりを利用してお金を騙し取る犯罪です
特に、アラフィフ世代の女性は、長年の結婚生活を終えたり、子どもが独立して時間や気持ちに余裕ができたタイミングで詐欺師に狙われやすいのです
では、どうして騙されてしまうのか?
それは、詐欺師たちが女性の「孤独感」や「誰かとつながりたい」という心理を巧みに利用するからです

ロマンス詐欺の手口と見極め方

詐欺師たちは最初から大金を要求することはしません
まずは心の距離を縮め、相手に信頼感を抱かせます
例えば、相手が以下のような行動をとったら要注意です

  • ネット上での出会いにもかかわらず、短期間で強い愛情を示してくる

  • 「今は会えない」と言い続け、理由をつけて対面を避ける

  • 急にお金が必要な状況を作り出し、「貸してほしい」と頼んでくる

  • プロフィール写真が異様に完璧で、実際には存在しないかもしれない

こういった兆候を見逃さないようにしましょう
詐欺師はターゲットの信用を得るため、細心の注意を払って言葉を選びます
だからこそ、少しでも疑問を感じたら、自分ひとりで抱え込まず、信頼できる友人や家族に相談することが大切です

詐欺師の特徴的な行動パターン

詐欺師たちは巧妙にターゲットに近づき、少しずつ信頼を築き上げます
特に、ロマンス詐欺師は被害者に心理的なつながりを感じさせ、次第に心を開かせていくプロセスを熟知しています
ここでは、詐欺師がよく使う典型的な行動パターンを具体的に見ていきましょう

急速な親密化

詐欺師は、ターゲットに出会って間もないうちから急速に親密になろうとします
最初の数回のメッセージや通話で、やたらと「あなたのことが運命的に感じる」「こんなに話が合う人は初めてだ」と言ったり、「あなたに出会えて本当に幸せ」といった感情的な言葉を使ってきます
例えば、知り合って1週間で「愛している」と言い出したり、写真や詩、ラブソングのリンクを頻繁に送ってくるなど、普通の恋愛のペースではありえないスピードで関係を深めていくのが特徴です
この急速な親密化には、相手がまだ冷静な判断ができない状態で信頼を得てしまおうとする狙いがあります

「会いたい」と言いながら実際には会わない

詐欺師は、被害者に「いつか会おう」と約束をします
しかし、その約束は永遠に守られません
最初は「仕事が忙しい」「家族の事情で」といった理由で会うタイミングを延期するのですが、後になって「出張先でトラブルが起きた」「パスポートが盗まれた」など、非常にドラマチックな理由を持ち出してくることが多いです
例えば、「会いに行くつもりだったけど、急に家族が倒れてしまった」とか、「仕事で海外に飛ばされて、しばらくは動けない」といった状況を作り、ターゲットが疑わないように時間稼ぎをします
彼らは絶対に実際に会うことはなく、会う約束を餌にして信頼を得つつ、金銭的な要求に持ち込むのが常套手段です

小さなテストとしての「小額のお願い」

詐欺師は最初から大きな金額を要求することはありません
むしろ、初めは「ちょっとした手助け」を装って小額を要求します
例えば、「出張中でクレジットカードが使えないから、少しだけ送金してもらえないか?」と頼んでくることがあります
この「小額のお願い」を通じて、ターゲットが実際に送金するかどうかをテストしているのです
最初の送金が成功すると、詐欺師は被害者が自分を信じていると確信し、次にもっと大きな要求をしてくるようになります
「少し送ってくれたらすぐ返すよ」と言いつつ、返金は一切行われません
それどころか、返金をするために更にお金が必要だと言い出すなど、要求はどんどんエスカレートしていきます

感情を揺さぶる緊急事態の演出

詐欺師は、ターゲットの感情を揺さぶり、焦らせることで理性的な判断を鈍らせようとします
例えば、「今すぐにでもお金が必要だ」「もしこの問題が解決できなければ、大変なことになる」といった緊急事態を演出し、ターゲットを心理的に追い込んでくるのです
例えば、「仕事上のトラブルで急に大きな資金が必要になった」「パスポートや財布を盗まれてしまって帰国できない」と言いながら、被害者に助けを求めます
ターゲットは彼を助けたい一心で、お金を振り込むことになりますが、もちろん詐欺師はそのお金を返す気など最初からありません
詐欺師はこうした緊急事態を何度も持ち出し、どんどん被害者を依存させていきます
その間、彼らはターゲットに対して愛情表現や未来の約束をし続け、疑念を持たせないようにします

将来の約束で未来を描かせる

詐欺師は「いつか一緒に暮らそう」「日本に行ったら二人で旅行しよう」など、被害者に将来のビジョンを描かせることで、ターゲットが彼に対して期待感を持つように仕向けます
これにより、被害者は「お金を送ってしまったけれど、彼とは将来幸せになれる」と考え、詐欺に気づくことが遅れるのです
特にアラフィフ世代の女性にとって、未来への期待や新しい人生のスタートは大きな魅力となり、それが詐欺師にとっては巧妙な罠として利用されます
彼らは甘い言葉や将来の夢を語り、被害者を自分に夢中にさせた後で、金銭的要求を続けていきます

実際に被害に気付いた時にするべきこと

ロマンス詐欺の被害に気づいた場合、すぐに以下の具体的な対策を取ることが重要です:
連絡を断つ まず、詐欺師との連絡を即座に絶ちましょう。メッセージや電話を無視し、ブロックしてしまうことが大切です。詐欺師は感情に訴えかけてさらに金銭を要求してくる可能性があるので、情に流されないようにすることが最優先です。
警察に通報する 被害に気づいた時点で、速やかに警察に相談しましょう。地方の警察署に出向くか、インターネット関連の詐欺に対応する専門窓口に通報します。詐欺に関する証拠(メッセージ、送金記録など)をできるだけ多く保存しておきましょう。
消費生活センターに相談 消費生活センターは、詐欺や金銭トラブルの相談窓口です。被害の詳細を伝えることで、法的な助言や今後の対応策を教えてもらえます。また、他の被害者の事例や、対策情報も得ることができます。
銀行・金融機関に連絡 詐欺師にお金を送ってしまった場合は、送金先の金融機関に直ちに連絡し、可能であれば送金を停止したり、振り込みを取り消す手続きを取ります。また、口座の取引履歴や送金証明を保存しておきましょう。
心理的サポートを求める 詐欺に遭うと、大きな精神的な打撃を受けます。 信頼を裏切られ、心に傷を負っている状態です。 カウンセリングや信頼できる人に相談し、感情面のサポートを受けることも非常に大切ですが、家族や友人には話しにくいことだと思います。
詐欺に気づいたときは、冷静に行動し、法的な対応をすぐに始めることが肝心です。

解決方法と予防策

ロマンス詐欺に遭わないためには、まずネットでのやり取りに過度に依存しないことが重要です
誰かと知り合っても、慎重にコミュニケーションを取ることが大切です

オンラインで知り合った相手には個人情報を明かさない

住所や銀行口座の情報はもちろん、家族の状況や仕事の詳細も慎重に扱うべきです

不自然な言動には警戒する

「愛している」「会いたいけれど今は無理」などのセリフが早すぎる場合、警戒心を持ちましょう

お金の話が出たらすぐに連絡を絶つ

詐欺師たちは必ずと言っていいほど、どこかの段階でお金の話を持ち出してきます
その瞬間が、詐欺の兆候です

定期的にネット上で調べる

相手の名前やプロフィール写真を逆画像検索することで、詐欺師であることが判明する場合があります。

第三者に相談する

詐欺かもしれないと感じたら、すぐに警察や消費者センターに相談しましょう
早めの対処が被害を最小限に抑えることにつながります

心もお金も守るために

ネットでの出会いは楽しいかもしれませんが、常にリスクが伴います
特にロマンス詐欺のような犯罪に巻き込まれないためにも、感情的にならず、冷静な判断が大切です
大切な心と財産を守るために、このような詐欺の手口を知り、警戒心を持つことが必要です
「自分は大丈夫」と思っていても、誰もがターゲットになり得ます

今回は被害が大きく場合によっては取り返しのつかない損害につながる「ロマンス詐欺」についての注意喚起でした!

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