クラスでヤンチャで有名な〇〇君が甘えたいことを知ってしまったので甘えさせようと思います。 第2話
俺の名前は川原〇〇。
いつも通り、東から照らす太陽そして小鳥の鳴き声…
今日も何気ない1日が始まるはずだった。
〇:はぁ…なんで弁当作ってないんだよ。
これまではお母さんが弁当作っててくれたのにいきなり作ってないって言われました。
〇:仕方ないから購買で買うか。
そう小言を零し、僕はとぼとぼと通学路を歩き出した。
その後は特に何事もなく学校に着き。
そしてとぼとぼと廊下を歩き教室に着く…
「〇〇なんで休んだんだよ。」
と友達の1人が質問してきた。
〇:季節の変わり目なのに半袖で寝ちゃってさ。
そう言うと友達が
「何やってんだよ!」
そう言って肩を軽く叩いてツッコミを入れてきた。
〇:まじでやっちゃったよ。
これまで無欠席で来てたのに。
「あ〜。それは萎えるわ。」
「てか今日〇〇元気なくね?」
〇:分かる?
「めっちゃわかりやすいぞ。」
〇:それがさ〜聞いてくれよ。
僕はこれまではお母さんがお弁当を作っててくれたのに今日は作っててくれなかったことを友達に話した。
「なんだよ。それ。唐突だな。」
〇:だろ?
だから昼休み購買に買いに行かないといけないんだよ。
「それはダルいな。」
〇:まじでダルい。
そんな話をしていると朝の会の時間になり先生が教室に入ってきた。
先:今日は〇〇いるのか。
これまで無欠席で皆勤賞だったのに残念だったな。
悪戯っぽい笑顔を浮かべながら先生はそう言った。
〇:先生やめてくださいよぉ。
本当に落ち込んでるんですから。
すると…
" "あははっ" "
教室にクラスメイトの笑い声が響き渡る。
結構ガチで落ち込んでるんだけどなぁ…。
皆んなはそんな事考えてもないんだろう。
俺はクラス内では陽キャラという部類で認識されている。
授業では先生に絡みに行くし、昼休みは友達と大声で話す。
そういう所から明るい性格と思われがちだが家では家族ともあまり話さない。
だがその事は誰にも話していない。
話した方が楽じゃないかって?
話さないよ。
クラスではすっかり明るい性格で定着しちゃってるし…
皆んな…特に友達に気を使われるのが嫌だから。
せめて友達といる時間は楽しい時間にしたいから
そして朝の会が終わり授業が始まる。
色んな先生から
『今日は〇〇来てるんだな。』
と言われた。
だから僕は
「先生。僕がいなくて寂しかったですか?」
と問いかけた。
先生によって反応は様々で…
『あぁ。寂しかったよ。』
という素直な言葉や
『いや、別にそういう訳ではないんだがな。』
というツンデレみを感じる言葉など様々だった。
その反応を聞くたびに授業が盛り上がった。
そして俺は自分に暗示をかけた。
俺はこうでいいんだって。
誰にも話さなくていいんだって。
楽しい授業の時間はあっという間にすぎ昼休みになった。
普段はリュックから弁当を取り出し、友達が椅子を持ってきて一緒に食べるのだが今日は弁当がない。
面倒臭いなぁ…。
そう思いながら重い腰をあげ、友達に一言告げ教室を出てて購買に行こうとした時。
『〇〇君!待って!!』
後ろから声がした。
振り返ると…
五百城さんがいた。
〇:えっと、五百城さんどうしたの?
五:あっ、あの〇〇君に弁当作って来てて。
一緒に食べない?
彼女は頬を赤らめながらそう言った。
〇:うん。いいよ。
どこで食べよっか?
五:人が少ない所がいいから屋上はどうかな?
〇:大丈夫だよ。
五:じゃあ、屋上行こ。
〇:うん。
俺達は屋上に向かった。
俺達は屋上に向かった。
冷静に対応したが俺は内心ビックリしていた。
クラスで真面目で有名な五百城さんが僕に弁当を作ってきてくれてる事に。
そういえば、俺が学校を休んだ日に資料を持ってきてくれたのが五百城さんだったと母が言っていた。
母が弁当を作ってくれてなかった事と五百城さんが弁当を作ってきてくれた事、これはまぐれではないと思った。
こんな事を考えてる間に屋上に着いた。
五:これ、〇〇君の弁当。
〇:ありがとう。
そう言って彼女が差し出してくれた弁当を受け取る。
パカッと弁当を開けると僕の好物ばかりが入っていた。
さっきの考察が当たった。
〇:えっと、五百城さん。
箸ないかな?食べれないんだけど。
五:それなら大丈夫だよ…//
私があーんしてあげるから…//
彼女は照れくさそうに言った。
そして僕から弁当を取って卵焼きをあーんしてくる。
五:あーん…//
〇:あーん…//
僕も恥ずかしくなってしまう。
五:おいしい?
彼女は上目遣いでそう確認してくる。
〇:美味しいよ…//
上目遣いはずるいって…//
五:そっか…よかった//
その後も五百城さんにあーんで食べさせられ続けた。
五:お弁当どうだった?美味しかったかな?
〇:美味しかったよ。
全部、僕の好物だったしね。
五:そっか…よかった。
もし良かったらさ明日もお弁当作ってきてもいいかな?
〇:え?作ってきて貰っていいの?
五:うん。
〇〇君が美味しそう食べてくれるのが嬉しくて…//
頬を手に当てて微笑む五百城さん。
俺はそれを見て…
可愛い…と思った。
〇:じゃあ、作ってきて貰っていいかな?
五:うん!
この日から俺達は昼休みに屋上でお弁当を食べることが日課になった。
教室では真面目な彼女が僕には頬を赤く染めてくれる。
弁当を全部あーんで食べさせてくれる。
そんな君からの好意に優越感を感じる。
俺もそんな積極的な彼女のことが好きになっていった。
そんな日常を過ごしていたある日。
体育の時間に男女混合でチームを作りサッカーをすることになった。
五百城さんと俺は同じチームになった。
ピー
先生のホイッスルで試合が始まった。
ゆーて、授業だし男女混合でやっているので激しいプレイはない。
そう思っていたのだが…
相手チームの男子はやる気満々らしく女子そっちのけでドリブルをしてシュートを打った。
だがそのボールは一直線に五百城さんのもとへ
彼女は足が竦んでしまったのか避けようとしない。
俺は彼女を守る為全力で走って飛び込んだ。
後頭部に衝撃が走る。
その瞬間に俺は意識が飛んでしまった。
ーーーーーーーーーー
ん…。
太陽が西に消えていく前の赤い光で俺は目を覚ました。
『あっ、〇〇君!』
もう聞き馴染みのある君の声が聞こえる。
「何?"五百城"さん」
五:何って。
体育の授業で倒れて不安だったんだよ!
〇:ごめんね。
あの時は体が勝手に動いてさ。
けど五百城さんが無事だったから良かったよ。
五:謝っても許さない!
私にとっては〇〇君が大切なのに。
〇:じゃあ、どうしたら許してくれるの?
五:私の事、名前で呼んで欲しい…。
それで私の事好きになって、付き合って欲しい…。
〇:良いよ。
五:え?
〇:てかもう好きだった。
五:嘘?
〇:嘘じゃないよ。
毎日、お昼一緒に食べて"茉央"の可愛い所見て好きにならない訳ないじゃん。
茉:えっ?名前呼び。
〇:元々いつから名前呼びにしようかなって思ってたしいいでしょ?
茉:うん。嬉しい…//
〇:じゃあ言うね。
茉央。あの日いきなりお弁当作ってきてるから一緒に食べよって言われた時はビックリしたけど教室で見ていた君とのギャップで君の虜になっていました。付き合ってください。
茉:嬉しいです…よろしくお願いします。
ーーーーーーーーーー
その後、付き合った記念で僕達は一緒に帰ることにした。
〇:いやぁ。
最初、弁当をあーんで食べさせてあげるって言われた時はビックリしたな。
茉:あれは〇〇のお母さんにやるなら全力でアプローチしろって言われたからで…。
あっ…。
〇:え?
そうだったの?
茉:バレたくなかったんに…。
この際やから言うけど〇〇も私に甘えてきたんやからな。
〇:え?
茉:ポカーンとしとるな。
私が資料渡しに行った時に〇〇の部屋に入って・・・
〇:え…//
茉:だから甘えたいんかなって思ってお弁当あーんで食べさせることにしたんよ。
〇:そっか。茉央にはバレてたんだ。
茉:うん。
けど今は感謝しとるであれのお陰で好きってことに気付けたからな。
〇:てか茉央。関西弁喋れるの?
茉:あっ…。
小学生まで関西に住んでたんよな。
口調強く聞こえるから好きじゃないやけど。
〇:そういう所のギャップも好きだよ。
そう言って彼女の方を見ると…
頬に手を当てて満面の笑みを浮かべる君がいた。
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