みなさんどうやって新規事業のアイデアを検証していますか?

まずは、新規事業の失敗要因を見ていきたいと思います。

主な失敗要因

いきなりですが、下図1. は、スタートアップの失敗要因Top10です。

最大の4割弱を占めるのが「誰も欲しがっていないプロダクト・サービスを作ってしまう」こと。
「そんなの当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、私の経験上、スタートアップに限らず、大企業であってもここが曖昧になっている状況はそれなりに発生しているのが実態かと思っています。

他にも、チームや組織をどのように作るか、営業・マーケティングをどのように設計し実行していくか、など重要な点はたくさんあります。
しかし、解決したい課題を抱えている顧客がいて、その顧客がお金を払ってくれるプロダクト・サービスである事が全ての起点になるのは間違いありません。

図1. Startupの失敗要因 TOP10
(https://100firsthits.com/)

ただでさえ新規事業は、限られたリソースで進めていくので、プロダクト開発で長く時間をかけ、大きな投資をした後に、誰のニーズもなかった。。。というのは避けたいです。
顧客の課題は、新規事業検討の起点となります。これがブレると、後続の検討も全て変わる。
ですので、そもそも追うべきでないアイデアは、新規事業検討の早い段階で判断したいところです。

仮説検証で重視されている項目

では、初期的に仮説として持ったアイデアの検証を、どのように進めていくべきでしょうか?
皆さんがどのようにしているのか、が気になったので、新規事業を担当されている方にアンケートを実施してみました。

下図2. で示しているのは、検証を行う上で、最も重視している内容です。

図2. 新規事業のアイデア検証を行ううえで、最も重視している内容
(メルセネール調べ:売上規模100億円以上の企業、新規事業担当者 200名へのアンケート)

「①インターネットや各種レポート」「②社内外の有識者」がそれぞれ約3割と、多いのが印象的です。

①「インターネットや各種レポート」については、ヒントになる情報も多くありますが、顧客が欲しいモノに迫れるかというと、マクロ的な視点に偏るため、足りないと思います。
また、新規事業として、そもそも新しい事や将来のことを考えていくので、新たに情報を探索し・自ら作っていくものである、という考え方がよいと思います。

②「社内外の有識者」については、社内・外の有識者の知識を借りることは重要です。が、彼らは知りたい業界や技術のエキスパートですが、顧客ではない、ということを認識しておく必要があります。

私の実体験

ご参考まで、私の経験した事例をご紹介します。
あるコンサルティングプロジェクトの中で、新規事業のコンセプトをクライアントの役員層に提案した際のことです。提案した内容は既存の業界に対し私の実体験てユーザーが感じているペイン・不便なことを解決するようなサービス案でした。しかし、「業界の常識から行くと絶対に受け入れられない。」と、役員層の業界での長いご経験からの判断でボツになってしまいました。しかし、数年後、同様のコンセプトの他社サービスが世に出て、広まっていきました。。。
(これまでの)業界に詳しい事で、自分は顧客のことを良く知っており、(将来に対しても)正しい判断が出来ると思い、バイアスのかかった見方になってしまうことを実体験した出来事でした。

ネット調査・レポートや有識者に当たれば十分か?

「①インターネットや各種レポート」「②社内外の有識者」ともにいえるのが、これらの活動によって顧客が具体的に見えてくるか?という事ですね。

どちらかというと、マクロ的な視点で、業界のトレンドや課題、業界構造など、全体像が見えるようになるために使うのが適切だと私は考えています。
レポートや有識者のコメントだけですべて理解できたと認識してしまうと、図1. で示した、誰も欲しがっていないプロダクト/サービスを作ることになってしまいます。
一方で、ある程度の業界理解が無いと、そもそも顧客の課題の仮説を立てることも難しいので、どちらかだけ、ではなく、両方全体像も把握しつつ、顧客の声を聞くことを重視するべきだと思います。

顧客の声を聞くには、インタビューが主な手法になります。

次は、インタビュー含め、検証について皆さんがどのような点が難しいと感じているか、書いていこうと思います。




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