プロダクトの川上から川下まで責任を持つ|メルカリの未来をつくる仕事(PdM編)
「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というミッションを掲げるメルカリグループ。そのミッションの実現には「人」の力が欠かせません。多様な価値や可能性を見出すためには、バックグラウンドも価値観も多様なメンバーの力が必要だと考えているからです。
そうした多様なメンバーたちは、日々何を考え、何を信じて働いているのか──本連載『メルカリの未来をつくる仕事』では、ひとつの職種、そしてひとりのメンバーの仕事観にフォーカスを当てて、これからの”メルカリの未来”をつくる仕事について探っていきます。
今回紹介するのは「PdM(プロダクトマネージャー)」。2019年に新卒入社し、現在PdMとして活躍する鈴木里香に、仕事内容やPdMのやりがい、日々心がけていることなどを聞きました!
学生時代からメルカリヘビーユーザー!OB訪問で「ここに入社したい」と思った
──まずは現在のお仕事や、メルカリに入社したきっかけを教えてください。
メルカリで働き始めたのは、2018年8月の内定者インターンからです。インターンではUXリサーチャーとして半年ほど学び、2019年に新卒入社しました。配属後3ヶ月はCRM領域に携わり、マーケターとしてキャンペーンの企画から運営までのマーケティングを担当し、プロダクトのグロースに従事。その後、現在に至るまで開発PdMとして、プロダクト要件定義、ロードマップの策定、開発進捗管理などを担当しています。マーケターやエンジニアとともに、お客さまによりメルカリを使っていただけるような、システムの基盤構築や、アプリ内の新しい機能作りを行っています。
入社につながるきっかけは、もともと私がフリマアプリ『メルカリ』のファンと言うかヘビーユーザーだったことです。学生時代から出品者側で『メルカリ』を何度も利用していて、これまで1,000件以上の取引実績がありました。
──1,000件はすごいですね…!『メルカリ』が好きだったことが、どのように入社につながったのでしょうか?
不要なモノがお金に変わるという体験をスマホ一つでできることが、学生の私にとって魅力的だったんです。
就職活動でさまざまな会社を見ていたときに、「そういえばメルカリはどこにオフィスがあるのだろう」と調べて、六本木のオフィスにOB訪問をしました。先輩との会話のみならず、熱量高く楽しそうに働いているメンバーの姿を見て、「ここで働きたい!」と思ったんです。メルカリというプロダクトだけでなく、働いている人、会社の雰囲気も魅力的だったことが入社の後押しとなりました。
川上から川下まで責任を持ち、プロダクトの成功のためならできることは何でもする
──PdMはどのような仕事をする職種なのでしょうか。チームのミッションとともに教えてください。
「PdMの仕事って何?」と聞かれる機会も多いのですが、私の中での定義は「PdMとは、ものづくりにおいての川上から川下まで責任を持ち、プロダクトの成功のためならできることは何でもする人」です。
お客さまにより良い体験の提供や、アプリを成長させていくための基盤作りをミッションとし、マーケターやエンジニア、QA(Quality assurance)エンジニアなどさまざまな職種の方と関わりながら、プロダクト設計から開発、QA、リリース、リリース後の対応など責任範囲を決めずに担っています。プロダクトの成功に向けてできることはなんでもするのがPdMの仕事です。
例えば、マーケターから「メルカリのアプリでこのようなキャンペーンがしたい」と提案があった場合、そのキャンペーンを実現するためのシステムを開発します。「すぐにできます」と答えたり「このキャンペーンをするなら〇〇部分の開発が必要です」と伝えたり、コミュニケーションを取りながら、プッシュ通知やアプリ内のバナー、キャンペーンのランディングページ作成、お客さまそれぞれに向けてのパーソナライズの提供、キャンペーン実施に向けて必要な新規開発など、マーケターの思いをお客さまに届けるための仕組みを作っています。
『メルカリ』はパーソナライズにまだまだ課題があり、同時に伸びしろでもあります。お客さまの行動に基づいたプッシュ通知やバナー、商品の提案など、一人ひとりに最適化された情報を提供できるよう、チームメンバーが一丸となってプロダクトをつくっています。大変なことももちろんありますが、入社前に感じた会社の雰囲気はそのままで、充実した毎日を送っていますね。
──PdMとしての仕事のやりがいを教えてください。
お客さまからポジティブな反応があったとき「がんばって良かった!」と思います。
2024年8月29日〜9月17日まで開催した『超メルカリ市』のキャンペーンの際に、『超メルカリくじ』を実施していました。購入や発送をするとくじが回る仕組みなのですが、リリースまでとても大変でした。リリース後に、SNSで「○等が当たった」という喜びの声や、ユーザーインタビューで「楽しかったです」といった声を聞いたとき、疲れが吹き飛びPdMとしてのやりがいを感じました。
お客さまにより良い体験を届けるために——メルカリのPdMに必要なマインドセットとは?
──メルカリのPdMにとって必要なマインドセットはありますか?
3つあります。1つ目は「できることはなんでもやる」です。例えば、軽い分析やデザインでしたら自分で対応しますし、CSから調査依頼があった場合はエンジニアやアナリティクスにすぐ連携しつつ、トラブルの原因や解決策を自分でも調べながらバトンをつなぐようにしています。責任範囲や担当領域を決めないことは、自身の成長にもつながりますし、メルカリグループのValueの1つである「All for One」を体現すると考えます。
2つ目は「汎用性、拡張性、柔軟性があるか(再利用できるかを考える)」です。システムをつくるには、多くのお金と時間、人材を必要とするからこそ、一度きりの活用で終わらせてしまうのはもったいない。もし数ヶ月後、数年後に同じようなキャンペーンをする場合、また一からつくらないといけないということがないように、「次回以降にも活用できる仕組みになっているか?横展開できるものか?」は常に考えていますね。とはいえ、最初からてんこ盛りに完璧なものづくりを目指すわけではなく、顧客(マーケター)が抱える課題を解決できる最低限の状態(MVP=minimum viable product)で提供し、そのあとで肉付けしてより良いものにパワーアップさせていくことも大事にしています。
3つ目は「想定できるあらゆる問題(エッジケース)を予測して、対策を用意しておく」です。例えば「超メルカリくじ」の場合、「くじのアニメーションがネット環境が悪くてN秒表示されなかったらどうするか?」など、ユーザーが滅多に遭遇する可能性のないシナリオを事前に想定をして、対策を考えます。そこで対策としてローディングアイコンを見せるか、エラーダイアログを見せるか?などを考えることで、お客さまの体験を損なわないようにします。対策によってお客さまの体験は、その画面で待つべきなのか、もう一度画面に訪れ直すべきなのか?など、驚くことなく何らかの行動を取ることができます。
このように、さまざまなテストケースを考慮することで、プロダクトの堅牢性と耐障害性を高めることができるだけでなく、お客さま体験も向上します。
たとえお客さまが当初予測しなかった方法で機能を利用したとしても、予期せぬエラーに遭遇する可能性が低くなります。これは1%の確率で発生するとしたら、非常にまれに聞こえるかもしれませんが、メルカリのような多くのお客さまにご利用いただいているアプリにおいては、ユーザビリティに深刻な影響を及ぼす場合があることを考えてみることが大切です。
また、常に丁寧なコミュニケーションも心がけています。マーケターとエンジニアの架け橋だからこそ、チームの雰囲気を高めるためにも積極的に話しかけたり、報連相(ほうれんそう)をこまめに行ったりしていますね。
「欲しい!」を満たしてくれる、毎日当たり前に使うプロダクトを目指して
──最後にこれからチャレンジしたいことを教えてください。
『メルカリ』はすでに成熟していて、多くのお客さまにご利用いただいているアプリですが、それを超えて、お客さま一人ひとりに寄り添った、より刺さるプロダクトにしていきたいです。例えばInstagramやTikTokは、日々自然と開いてしまうアプリです。それは検索しなくても、興味があるものや欲しいものにすぐにアクセスできることが1つの大きな理由だと思っています。
『メルカリ』も同じように、アプリを開いたら自分の欲しいものが自然と提案されているようにできたらと思っています。そのためにもCRMの力でパーソナライズに注力していき、アプリを開くたびに皆さんの興味・関心を満たしていく。たくさんの人が日々当たり前に使っていて、『メルカリ』が日常に溶け込んでいる世界を作れたらうれしいですね。
また、私は本業の他にピラティススタジオを家族と経営していて、休日はインストラクターとしても活動しています。会社も応援してくれていて働きやすさを感じています。仕事もプライベートも、好きなことには全力で取り組んでいきたいです!