戦略からUXまで考える!デザイナー・UXリサーチャーとして中期経営計画に参加して見えてきたこと
こんにちは、メルカリUXデザインチームのPeachです。
今回は私が中期経営計画に参加して見えてきたことについてお話ししたいと思います。
私はある期間の中期経営計画にUXリサーチャーとして参加し、現在はデザイナーとして施策のデザインを担当しています。背景としては別のチームでUXリサーチを行っていたことから、メンバーにお声がけいただき、UXリサーチャーとして参加することになりました。
中期経営計画とは?
こちらの記事内で指している中期経営計画は、経営陣や経営計画メンバーが、企業のビジョンやミッションを考慮しながら、中長期の目標や戦略を定めるために用いられるものです。
具体的にはCEO、各戦略責任者、BizDev、プランナー、データアナリスト、PM、UXリサーチャー、デザイナーなどが集まり、直近数年以内のメルカリの成長方針の一部を検討し、何を実行に移すかを決める会議を何度も開催します。また、それらを元にグループ役員全体で優先度を決める会議も行われています。
チーム単位では、そのための仮説出し、探索的調査、仮説検証、数字目標と実現可否の検討などを行い、施策の粒度になる前の段階まで進めます。このような流れをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
参加して面白いと感じたポイント
顧客視点を持って戦略的な方針を決めることに参加できる
それぞれの専門家がフラットに話し合い、熱量高く戦略について話し合えること自体が非常に刺激的でした。普段の業務の調査以上に短期間に多くの関係者と密に連携しながら調査を進めていたと思います。
例えば、データアナリストが行なった定量の分析とUXリサーチャーの定性調査を組み合わせ、経営層とBizDevの戦略や目標の仮説の精度をあげることで、様々な視点から計画を改善することができます。
経営計画〜施策完了までの流れが一通り認識できる
デザインをしている時には見えてこなかったことが見えるようになることも面白いポイントです。どんな意思決定が行われて施策になっているかの流れを理解することで、別の施策でも同じように予想することができるようになりました。
「この施策は戦略寄りかな?」「これはお客さまの悩みを解決する施策だな」とイメージすることで、デザイナーとしてどんな部分に力を入れれば良いのかが見えてきます。
実際の調査について良かったこと、大変だったこと
良かったこと
特に良かったことは、チームのほぼ全員で一緒にフィールドワークに行き、どんなニーズがあるのか、メルカリを使わず売り買いをしている方達がどんなことに価値を感じているのかを調査した時です。この調査によって、チームメンバー全員が共通の目線を持つようになりました。その結果、解像度の高い顧客像がチームメンバー全員にインプットされ、計画や施策のディスカッションがスムーズに行えるようになりました。
調査前は「〇〇系な施策で行きましょう!」と提案していたメンバーから、「お客さま的には〇〇があってもなくても良さそうだよね」「逆に××なことに価値を感じてそうだったよね!」「リサーチャーの視点ではどう分析したの?」という会話が自然と生まれる環境になったことも、より本質的な議論につながったと思います。チームで実際に見たお客さま像と、定量・定性の分析結果を組み合わせることの効果を感じました。
UXリサーチャー以外がインタビュアーとしてインタビューに参加したり、会社で出会った顧客像に近いメンバーにお願いしてアドバイザーの集まるチームを結成したりと、士気の高いメンバーに刺激をもらいました。チーム全体に「お客さまのことを知りたい!」意識があったからこそできた調査だったと思います。
大変だったこと
限られた時間の中で、なるべく確度の高い判断材料を用意することは容易ではありませんでした。私個人が参加するプロジェクトでは、いつもより他の部署間との連携が多く、さらに時間も限られていたのでパンクしそうになることもありました。
途中でUXデザインチームに助けを求め、メンバーが調査を手伝ってくれたり、調査結果の分析を一緒にしてくれたことで、結果的に時間の短縮とより多角的な視点の分析ができました。
例えば調査をしたことがない方がデザイナーとして参加した場合でも、仮説と明らかにしたいことをUXリサーチャーに相談しつつ、実際の進め方のレビューをもらったり、分析の際に意見を取り入れることで顧客視点の調査に貢献できると思います。
おわりに
具体的な施策例が出せないのでこの記事を書くか迷ったのですが、経営計画にUXリサーチャー・デザイナーが参加することが非常に有意義だなと感じたので書いてみました。
目標・戦略・予算などを把握した上で、それでも実現可能性のある顧客視点の提案ができるのがデザイナーの強みだと思います。
施策の大枠が決まってから大きく覆すことは容易ではありませんが、上流から入っていると絶対に譲れない顧客体験や、現実的なプロダクトの人員計画、実現可能性について一緒に考えることができます。
人数が増えるとその分決めることが大変にはなりますが、チームの多様性があがることは多様なケースを考慮した顧客体験につながるのではないでしょうか。
私個人の調査内容は再現性があり、どんな職種の方も十分に実行可能なことだと思うので、興味のある方はぜひチャレンジしてみていただきたいなと思います!
顧客視点と戦略との組み合わせやフローに興味がある方、様々な職種の方とコラボレーションして戦略から考えてみたい方には特におすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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