メルカリの動画が出来るまで。企画から納品までの流れはこう!
こんにちは!
メルカリクリエイティブチーム、ハイパービデオグラファーのちゃんくまです。
「インハウスビデオグラファー」という、日本ではまだまだ珍しい仕事をしています。小難しい言葉を使ってみたのですが、具体的には”社内で動画を作っている人”というような感じです。
いまだに知り合いに「メルカリで動画を作っているんだ」と話すと
「え!?メルカリのどこに動画が使われているの・・?」と聞かれます。
アプリ内に仕込む動画は多くなく、YouTubeチャンネル・サイネージ・LPなど、アプリ外の様々なタッチポイントで使っている動画を作っています。
例えばこんな動画
そこで今回は、意外と世の中で語られていない”社内で動画がどのように企画され、撮影・編集・確認の手順を踏んで公開にいたるのか”を解説していきたいと思います。
目次
それはSlackで突然に
確認は恋愛と一緒
納品後はすぐに乾杯
それはSlackで突然に
メルカリのSlackにはグループ横断のリクエストチャンネルというものがあり、
誰でもクリエイティブチームに依頼することができます。
リクエストする際、Googleスライドで制作したフォーマットに沿って依頼してもらいます。その中には、
内容(どういった内容で誰向けか)
納品日
アニメーション(有り/無し)
撮影(有り/無し)
字幕(有り/無し)
ナレーション(有り/無し)
放映場所
参考資料(あればリンクを)
といった、基本情報を記載してもらいます。
そこから過去事例や他社事例などのサンプルを見ながらすり合わせて制作に入っていきます。
一概に動画といっても実写動画やアニメーション動画など様々な種類があり、僕達だけで制作できる規模でない・リソース的に全然無理なものも多くあります。その際はパートナー企業にディレクションして依頼する方法もあります。
特に制作で時間がかかる・リソースが大きいアニメーションや撮影については、かなり序盤の段階で確認をします。
「そもそもフルアニメーションは必要かな?」
「このシーンが無いと繋がらないから、このインタビューは撮影したほうが良いかも?」
「つか待って、そもそもそれ写真で良くないか!!?」
そういったことを話します。
主に依頼者はプロジェクトオーナーやイベントオーナーの人たちなので
「私達のイベントをしっかり撮っておきたいんや!」という気持ちに溢れているのですが、意外と”どこで使われるのか・誰が見るのか”という点を突き詰めると答えはシンプルになりがちです。
確認は恋愛と一緒
企画の話が終わり、大枠決まってきたところで字コンテ・画コンテ・動画コンテなど
仮に動画になったらどうなるかというものを送り確認していきます。
このときに僕が勝手に思っているのは恋愛
動画制作は1人で作るアーティスティックなものではなく視聴者・お客さまが居てこそのものなので、
「きっとここは分かりづらいかも知れない」
「先にこの説明をしたほうが話に集中できる」と、歩み寄ることが大切です。
これってまるで恋愛みたいですよね。
「好きな人のために予約しておいたお店に招待する」
「きっとこの段差でつまづいてしまうからひと声かけてあげる」
こんなことを自然とやってますよね?ほら、恋愛と一緒でしょ?
なお僕の場合は動画コンテを作ってしまいます
意外と依頼者は尺感がわからなかったりするので、動画で見せたら
「あ、意外と1分って長いんだね!」とわかってくれたりするからです。
動画は身近な人で撮影し、自分でナレーションを入れます
この動画のときは、自分の親と僕自身が出演して動画コンテを作りました。
コンテでの流れ確認が終わったら、撮影・編集をしていきます。
基本的には依頼者に2度確認してもらいます。
①撮影素材を繋げたもので流れを確認
②エフェクトやテロップなどを入れた状態での確認。
Slackで確認してもらうときも、確認ポイントを記載しておくと丁寧ですね!
また、メルカリは多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっているため、メルカリで作る動画では基本的に日英両方の字幕を入れる事が多いのが特徴です。
社内にGOT(Global Operation Team)という、翻訳や通訳、ネイティブチェックを担ってくれるチームがあり、そこに翻訳依頼をします。翻訳作業の時間もコミコミで納品日に間に合わせます。
納品後はすぐに乾杯
無事に納品が終わり公開が終わったあと、必ずやるのは乾杯です。
この動画ができてよかった、という祝杯をチームでやるのはとても大切です!!酒ッ!!!
・・というのも一つなのですが、メルカリのクリエイティブチームならではのことで言えば
“納品後にポータルサイトに掲載する”ということをしています。
ポータルサイトというのは、メルカリ社員のみが見ることができる”いままでの制作事例等が載ったサイト”です。ロゴの使用規則・ブランドガイドライン、社員がスライド等に自由に使えるイラストなどクリエイティブチームで作ってきたものがまとまっているサイトになります。
このブログでも取り上げているのでぜひ御覧ください!
チームの制作実績を見える化。社内向けWebサイト「クリエイティブポータル」をつくった話
このサイトを充実させればさせるほど、最初に依頼する際の参考になりますし、この素材使えば撮影しなくてもいいか!という業務の効率化にも繋がります。
こういったサイトは更新し続けることが命なので、忘れずに更新します。
納品後、担当者と振り返りもしていきます(お酒を飲みながら)
振り返ったものは次回の動画制作時に活かせるので大切な知見です(酔って忘れることもある)
このように細かくコミュニケーションを取ってものづくりをすることは、ノウハウが貯まりより良いクリエイティブを作れるインハウスクリエイターの良いところだと思います(これは本当にそう)
以上がメルカリでの動画制作の流れになります。
動画制作といえど幅が広いので一概にいえないことばかりですが、何か参考になればと思います。もし記事を見ていてこんなことがわからなかったなーというものがあればお気軽にTwitterでDMをください◎
https://twitter.com/chan_kuma_90
それではまた!よい恋愛を!!