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チームの制作実績を見える化。社内向けWebサイト「クリエイティブポータル」をつくった話

こんにちは。クリエイティブチームです。

メルカリのクリエイティブチームは、これまでにチームで手がけてきた制作物をまとめたWebサイト「クリエイティブポータル」を2022年3月末に社内公開しました。

左はホーム画面、右は下層ページの例

今回はこのポータルサイトの制作に至った背景や制作の裏側をお話したいと思います。

メルカリのクリエイティブチームとは

現在クリエイティブチームにはグラフィックデザイナー、ビデオグラファー、Webディレクターが在籍しており、『メルカリ』のあらゆるタッチポイントに関するデザイン・制作・運用を担当しています。

関わる領域は見た目のデザインだけではなく、体験設計、コミュニケーション、ブランディングアセット、店舗や什器デザインなど、オンライン・オフライン問いません。

例えば、チラシやバナーなどの広告グラフィック、広告動画、プレスリリースやSNS発信用のグラフィック、社内e-learningや採用向けの動画、ロゴ、スライド資料、ノベルティー、メルカリステーションに設置してある什器やリーフレット、コンビニでも販売中の梱包用資材などがあります。ここで少しご紹介します。

メルカリアプリの「ピックアップ」で定期的に更新されている特集のキービジュアル
メルカンプレスリリースメルカリびよりなどのOGP画像
コンビニで買えるメルカリの梱包用資材
趣味をはじめる際に必要なアイテム情報などを紹介している「はじメル趣味」。コンテンツ企画やリーフレット、専用ラックの制作ディレクションを担当しています。リーフレットはメルカリステーションで無料配布中
外部に公開するスライド資料のデザイン

クリエイティブポータルをつくった背景

上でご紹介した例はほんの一部。クリエイティブチームが制作に関わっているものはオンラインからオフラインまで多岐にわたります。一方で、各アセット(※)は担当者のPCローカル環境や個人フォルダにあり、決まった場所にまとまっていませんでした。「あの施策で使われていたイラストを使いたいのですが…」といったお問い合わせがあると担当者探しからはじまる…。探す時間が取られ効率が悪いのが課題でした。

(※)アセット……画像やアニメーション、動画などの制作に必要な各種素材データのこと

よくあるお問い合わせはこんな感じ

こういった理由から、チームで手がけてきた制作物を整理して集約し、各アセットを社員が見れて活用してもらえる場となるポータルサイトを作ろうということになりました。

さらにはそのサイトを通じて、クリエイティブチームができることを社内に知ってもらいたいという狙いもあります。

まず決めたこと

いわば「チーム資産の棚卸しプロジェクト」な訳ですが、やりたいと思っていてもこれまでなかなかできなかったことでした。そこで今回チームみんなで着手するにあたり以下の方針を決めました。

● 期限
まずは公開期限。プロジェクトが発足したのは2月上旬頃、3月末までに社内公開しOpendoor(カジュアルな社内勉強会)まで開催することになりました。意外と時間がない、でもやるしかない。とにかくサイトを公開、その後運用しながら改善していこうというスタンスです。

● 公開範囲
採用やブランディングを目的に制作作品をポートフォリオサイトにして社外公開するケースもありますが、今回はクリエイティブチームのアセット整理が大前提。さらにクリエイティブチームができることをまずは社内に知ってもらうという点でも、ポータルサイト自体は社内限定公開と決めました。

● 公開場所
メルカリではグループウエアとしてGoogle Workspaceを使用しているため、クリエイティブチームのアセット格納先はGoogleドライブに決定。さらに社内限定公開であることから、Googleサイトを使って自分たちで構築することにしました。Googleサービスとの親和性がよく、複数人で共同編集できる点は非常に助かりました。

やったこと

メンバー全員、もちろん他のタスクを抱えながらのプロジェクトです。役割分担をし、次のような流れで進行していきました。

(1)アセットを分類する
クリエイティブチームが持つアセットは以下の7カテゴリに分けることにしました。

  • グラフィック……グラフィック制作事例やオンライン・オフラインあらゆる場所で使えるイラスト素材

  • 写真……公式グッズ写真や出品シーン写真など、クリエイティブチームで撮影した写真

  • 動画……メルカリの使い方動画やWeb広告動画、アニメーション、社内むけ研修動画など

  • 資材・ノベルティ……キャンペーンやイベントで制作したノベルティ類

  • 印刷物・立体物……チラシやPOP、ポスターなどの印刷物、什器のデザインデータ

  • ロゴ……グループ会社ロゴやサービスロゴ

  • その他……スライド作成時に使える画像集やバーチャル背景など

(2)サイト構成を決める
ワイヤーフレームを作成し、サイトの大まかな構成イメージをメンバーですり合わせます。Googleサイトはテンプレートをベースとしたサイト制作となるため、ある程度制限は出てきます。Googleサイトの仕様を確認しながら、どのように見せていくかを決めていきました。

Googleサイトには各施策の顔となる画像を載せ、より詳しい情報や素材データを見たい場合はGoogleドライブに飛べるように設計しました。

(3)アセット格納先のフォルダ構成と命名ルールを決める
後にスムーズに作業を進めるためにも意外と大事なのが命名ルール。Googleドライブのフォルダ名は、プロジェクトの時期もわかるよう年月も入れるようにルールを決めました。

例)YY_MM_メルカリポスト販促物

(4)各自でアセットをGoogleドライブに格納し、サイトとドライブを紐付け
ここまできたらあとはひたすら作業です。命名ルールに沿ってGoogleドライブにフォルダを作成してアセットを格納し、サイトと紐づけていきます。

Googleサイトにダウンロードボタンをおき、クリックするとGoogleドライブへ

(5)全体を整えて最終チェック
サイトの使い方ページを用意したり、全体のテキスト調整が済んだらいざ公開!

出てきた問題

各自作業を進めていくとやはりいくつかの課題が出てきます。週1の定例会議やSlackで随時コミュニケーションをとりながら解決していきました。例えば以下のようなもの。

フリー素材とそうでない素材の扱い方は?
出品シーン写真やメルカリ公式グッズの写真など、用途に合わせて自由に使ってよい写真もあれば、モデルさんを使用している写真は使用範囲や期間が限られる場合があり、無断使用は絶対にNGです。サイト内にその旨を明記することに加え、利用申請フォームも設置することになりました。

ガイドラインどうする?
デザインアセットを社内公開し、ある程度自由に使うことを許容するためには、最低限守ってもらいたいルールや方針を明示する必要があります。今回のプロジェクトを機に、過去に策定されたガイドライン類の内容を見直すことになりました。

制作パートナーに渡すときは?
CMや広告制作など、制作パートナーの企業様にアセットを配布したいケースも出てきます。その場合はクリエイティブチームへの事前連絡を必須とし、用途や目的、配布先企業を把握するようにしています。

公開してみて

一番は自分たちの効率化に繋がりました。他チームからお問い合わせがあった際、まずはポータル内を探してみるという動きが生まれつつあります。他部署の方から「チームが持ってるアセットがまとまってるのとってもいいね」という嬉しい声もいただいています。

メルカリのAI社員HISASHIに「クリエイティブポータル」と呼びかけるとURLを教えてくれます。便利!

余談ですが、ひそかなこだわりはクリエイティブポータルのファビコン。完成間近に「ファビコン欲しい…」とぼそっとつぶやいたらグラフィックデザイナーさんがつくってくれました。かわいくて社内からの評判も上々です。

おわりに

クリエイティブポータルのWebサイトは公開してからがスタート。せっかくサイトを作成しても更新されないのは避けたいものです。クリエイティブチームではQごとに各人のアウトプットを振り返る時間を設けているため、そのタイミングで担当者がアセットのGoogleドライブ格納とポータルサイトの更新をしてもらう運用でまわしています。

ポータルサイトを公開してかれこれ4ヶ月ほど経過し、アセットの分類カテゴリやサイトのUIなど見直したい点も徐々に出てきました。このサイトがクリエイティブ制作のハブとなるよう、引き続き改善を重ねていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆・図版作成:yan
写真:ota-mi