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命は絶たずに

小中学生の時、月イチでやっていた地域のワークショップみたいな場所で、友達が出来た。
その子は小学校が違かった。自分の幼なじみと同じ学校に通っている友達だったので、幼なじみの紹介で出会った。
初めて会ったのに、気の合う感じがして、一緒にいて無駄に緊張することもなかった。すぐに仲良くなった。
その後も、ワークショップでその子と毎回会って遊んでいた。

中学は一緒になった。同じ美術部に入って、自分の描く絵を好きと言ってくれた。半ば強引だったかも分からないけれど、描いた絵を何枚かプレゼントしたこともあった。大切に持っていてくれた。お互い時々闇堕ちすると、赤いペンを使ってスケッチブックにたくさんの呪い字を描いたりもした。初恋の人を明かしても馬鹿にせず、認めてくれた。一緒に塾にも通って、行き帰りの道で学校生活のこと、家でのこと、色々話した。いい感じにふざけ合って笑いあってた。ずっと友達でいれるような気がしていた。

高校生になっても、メールで連絡を取り合っていた。すぐに返事を返しあうより、マイペースに返しあっていた。一緒に遊びに行くこともあった。

高校入学から少し経って、急に連絡が途絶えた。自分が送った内容に一切反応が無くなった。

何日待っても、何ヶ月待っても、何も来なかった。

毎年送っていた年賀状も、その前の年で途絶えた。

連絡が取れないまま、自分は高校を卒業し、社会人になった。その間も連絡は無かった。
周辺の友達に聞いても、連絡が同じように取れていないと言っていた。

連絡が途絶えてから2年経った時、もう一度、連絡をしてみるか?と思った。
なにか送ったら、返ってくるかもしれない。
しかし文字は打てなかった。

自分が負担をかけてしまったのかもしれない。
自分は大切な友達だと思っていたけれど、
本当は、相手にとっては、苦しかったのかもしれない。

そう考えたら、もう関わらない方が相手は楽なのかもしれないと思った。

もう会えないかもしれない。
会いたくても、あの子は会いたくないかもしれない。
小中学生の思い出を少ないながら深く共有していた。
だから会えないのが寂しい。

でも、生きていてくれたらそれでいい。
あの子がいま生きてるかどうかすらも分からない。
きっと生きているはず。でも、環境的に生きづらさを感じながらお互い生きてきたので、自分に何度も傷をつけてきながら、どうにか生きていた。今だって自分はそうだけれど、
もし何かの間違いで死んでしまっていたらどうしよう。そんなことを考えてしまう。
もし死んでしまったらもう絶対に会えない。
あの子が好きだと言ってくれた絵も、言葉も、あの子に二度と届かなくなる。
そんなのが事実だったらと思うと、胸が押しつぶされそうになる。

だから生きていてほしい。
届いて欲しい。

友達でいてくれてありがとう。
苦しませてしまってたらごめんなさい。
もし会いたくないと思っていたら会わなくても大丈夫だから、
ただ、本当に、生きていてほしい。
少しでも幸せを感じながら生きていてほしいよ。

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