【中国コスメ】個人輸入代行で起業しようと思ったけど薬機法違反しそうで辞めたよの話。
中国コスメは個人輸入派のmeowです。
結論から言うと、国内法人が運営する個人輸入代行のwebサイトは薬機法に違反していると判断される可能性があります。起業する時は弁護士さんに相談を。
あと断っておくと、中国コスメを買う人が初期に目をつけるであろう「ブリリアントプラス」さん。こちらは輸入代行ではなく国内在庫を販売している会社さんなので、1000%おすすめの購入元です。
なお、以降に記載していることはすべて東京都福祉保健局の薬務課に問い合わせして確認した結果です。(2020/6/24)
なにかあれば薬務課まで。
3,000文字くらい書いちゃったので、のんびり読んでもらえると嬉しいです。
起業しようと思った話
去年から中国コスメがじわじわ来ているのが気になっていました。もともと中国輸入→国内での転売をやっていたのでそのノリで「いけるやん!?」と思い起業を思い立つ。
あと既存の輸入代行業者の値段が高すぎてびっくりしたので、中国国内流通価格にもう少し寄せて身近にしたかった。
起業したい人が、まず行うべきことは「適法性の確認」です。自分がやろうとしているビジネスが法律上問題ないのかを確認するため、まずはネットで調べることにしました。
すると、日本での化粧品販売等については「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」通称「薬機法」で様々な決め事があると知りました。
日本未承認の化粧品を輸入・販売することは禁止されています
なんと!!
海外から化粧品を輸入して転売するのはめちゃくちゃハードルが高いことがわかりました。
化粧品は肌につけるものなので、健康被害があるといけない!ということから、日本国内で販売されている化粧品は成分検査・成分表記をする必要があります(一部、成分表記が不要な場合もあります)。
日本がOKした処方のコスメしか、日本では売っちゃいけないよ!ということです。
「個人使用目的」での国内持ち込みはOK
日本処方のコスメしか売っちゃいけないのはわかったけど、海外で買った化粧品を使うのは大丈夫?
これはOKです。
自分で使う場合は「個人使用目的での輸入」として、日本に持ち込んで使うことが認められています。
でも、中国語もわからないし、中国コスメを買うハードル高杉!!むり!!そこで登場するのが「個人輸入代行」です。
あなたが見ているショッピングサイトも実は「個人輸入代行」
みなさんがECサイトだと思って使っている中国コスメ通販っぽいサイト、そのほとんどが「輸入代行業者」です。
サイトの注意書きに「24個以内まで」「16,666円を超えたら課税」とか書いてあるのを見たことがありませんか?そうしたサイトは全て「輸入代行」となります。あなたの代わりに海外からコスメを輸入してくれる業者です。
輸入代行業者を通して個人輸入を行うことは、薬機法上何の問題もありません。
では何が問題かというと、その「輸入代行業者の通販サイト」です。
日本未承認の医薬品・医療機器等を広告し、輸入を募ることは禁止されています
「輸入代行業務」は、薬事法に基づく許可等が必要な業務には当たりません。しかし、日本で未承認の医薬品・医療機器等の広告を行うことは、薬事法で禁止されています。(薬事法第68 条)
「このサプリ、日本じゃまだOKされてないけど輸入代行するよ」というサイトを見て、「じゃあ買ってみよう!」という人が増えれば業者は儲かりますが、健康被害が広まるリスクは増えます。
そして、薬機法をはじめとする「広告」には、インターネット上に公開されているwebサイトやSNSも含まれます。
第2(対象となる広告)
この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・
ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象とする
つまり、医薬品・医療機器等についてwebサイトを立ち上げ特定の商品を輸入代行できますよ〜とお知らせするのは薬機法違反。
中国コスメの輸入代行をやろうとしていたmeow、ここでちょっと不安になる。
「医薬品・医療機器等」の「等」って何だ?
第4 無承認医薬品の広告
輸入代行業者によるインターネット等を利用した無承認医薬品の広告については、安易な個人輸入を助長する行為によって健康被害のおそれが危惧されるとともに、薬事法上違法な行為である
厚生労働省から出ている、個人輸入代行に関する指導・取り締まりに関するお知らせです。
「無承認医薬品」と書いてあります。
じゃあコスメは対象外じゃん!ヤッピ〜〜!!!!!!
と思いましたが、念のため東京都福祉保健局の薬務課に問い合わせてみることにしました。
薬務課「NG」
結論から言うとダメでした。
ショッピングサイト形式で個人輸入代行を募ることについて、薬務課は「薬機法違反に該当する」と回答しました。
「医薬品」と記載があっても、基本的には化粧品も該当すると解釈して欲しいとのこと。
日本化粧品工業連合会が出している「化粧品等の適正広告ガイドライン」上も下記のように定義しています。
引用した法令等の条文中での「医薬品等」は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品のことである。
このガイドラインに沿って広告が規制されることを考えると、「医薬品」という記載について記載がある場合でも、化粧品も含まれると解釈するのはあまり不自然なものではなさそう。
都の回答もブレているため「非常にグレー」な状態
なんと、以前、別の方が東京都に確認した際は「OK」との回答でした。
つまり、行政側の回答は「人によって解釈が異なる」という非常にグレーな状態であり、個人輸入代行業者がショッピングサイト形式でwebサイトを運営していることがいつ違反と捉えられるかわかりません。
参考:条文と罰則
広告関連でやらかすと2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金取られるらしいです。無理!!!!!!
第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(中略)
五 第六十八条の規定に違反した者
なお海外法人は問題なし
ちなみにこの薬機法、日本の法律なので海外法人には適応されません。
日本の法律が適用できないけど日本でやったら違法なのはエロサイトなども同じようで、このへんは問題視されていますね。
つまり、個人輸入代行やりたければ海外法人立てろってことですね。う〜んグレー!日本在住の日本人が化粧品の輸入代行を営むことは難しいと思った方が良さそうです。
まとめ
ということで色々調べた結果、輸入代行業者としての起業は非常に危ないこと、またこれらの業者は非常にグレーなところを突いてきていることがわかったので、コスメは輸入代行業者を通さず個人輸入を続けることにします。