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感動と後悔のバンコク三大寺院訪問

バンコク三大寺院は1日で順番に巡れる位置にある。けれどもワット・アルンはライトアップを見たいし、ワット・ポーとワット・プラケオは比較的人が少ないと言われている午前中に訪れたいと思っていたので、移動時間と行動ルートを考えると非効率だが2日に分けて巡った。


ワット・アルンへは夕暮れ時がベストタイミング

実は三大寺院よりもバンコクで訪れたかったのは「キーブックス」という日本書籍を多く取り扱っている古本屋さん。その店で読みたい本を吟味していたら時間を忘れて長居しすぎた。ライトアップを見に行く予定のワット・アルンへは、購入した本たちをホテルに一度戻って置いてから行きたかったけれど、18時には閉まるような情報をみたので、諦めて重たい荷物を抱えながらMRTで向かう。ワット・アルンの最寄り駅に着いたのは17時を過ぎていたと思う。駅からの道のりは人が少なくて、もはや間に合わなかったのかと心配になった。

ワット・アルン周辺にはタイ衣装のレンタルショップが建ち並んでいる。150THBぐらいで衣装を貸出しているようで、ワット・アルン内は、美しいタイ衣装を身に纏って写真を撮る観光客で溢れていた。この金額なら時間に余裕があれば体験してみる価値が大いにあったと思うけれども、駆け込み入場に近かったので今回は断念した。

入場料は2024年10月時点で200THBだった。

ワット・アルンは遠くからみても美しいが、近くからはその細やかな造りに目を見張る。色鮮やかな陶器が花模様にはめ込まれており、そのデザインは仏教寺院の見た目を表現するのに適切な言葉ではない気がするが、洋風っぽくてお洒落だった。


お洒落なデザイン


日が暮れていくと仏塔がライトに照らされる。空の青色が少しずつ濃く暗くなっていくにつれ、先ほどとはまた違った美しさを醸し出す。金色に光る仏塔は豪華な雰囲気を有し、この時間帯にここを訪れてよかったと思わせてくれる。

ワット・ポー行きの船に乗って川の向こう岸へ移動。この船からや、下船後に川辺から見る景色こそ、今回の旅で見ておきたかったワット・アルンの姿そのものだった。

早朝のワット・ポーは観光客が少なめで良き

朝9時頃に訪れたら、まだ観光客は少なめだった。朝8時頃にMRTの最寄り駅に降り立った際に、ワット・ポーに入れるのは10時からだとトゥクトゥクか何かの客引きのおじさんに言われたけれど、ガセネタだったようだ。8時からでも入れそうだと確認して、近くのカフェで朝食を食べてから訪れた。

ここもワット・アルンに負けず劣らず仏塔の装飾が美しい。そしてメインの金色の涅槃仏。この涅槃仏とその足裏に描かれている絵というのか図というのかは、言わずもがな素晴らしいのだが、この部屋の壁一面にも何かストーリーを表すような絵が描かれているのも興味深かった。各国の観光地を訪れるたびに、こうしたものが何を意味するのかを知っていれば、より面白かっただろうと後悔するのだが、今回もまた勉強不足で来てしまった。

ワット・ポーの入場料は300THB。チケットはカウンターで係員からも買えるけれども、その隣にある自動券売機でも購入できた。

リサーチ不足を後悔したワット・プラケオ

ワット・ポーを訪れた後に歩いてワット・プラケオに移動した。遠回りの道だったのか、ワット・プラケオの入口に着くまでに15分ぐらいは歩いた気がする。入口がどの辺にあるのか分からずに、ここの広大な塀の周りをぐるりとした感じ。

ここは観光客に大人気で、入口前はかなり混雑していた。人波に飲み込まれるように中に入った。

インターネットで得た情報によると、ここの入場料は500THBだったのだが、どこにチケット売り場があったのかが分からなかった。つまり無銭で観光してしまった。

ここで見たかったのは、ミニチュア版アンコール・ワットとエメラルド像。アンコールワットの模型は本物そっくりに細やかに造られており、半年前にシェムリアップでアンコール・ワットを訪れたときの感動を思い起こさせた。

エメラルド像があると思われる方に向かっていると、こちらにも何やらストーリー性のある絵が描かれた回廊があった。どんな話なのかは知識不足だが、絵を見てストーリーを想像していると、この元ネタをちゃんと知ってみたくなった。

さて、エメラルド像を拝みに行こうと所定の場所で靴を脱いで仏塔に向かっていると係員に止められた。パンツスタイルの服を着た女性は立ち入り禁止で、スカートを着用とのこと。これは完全にリサーチ不足。私よりこの場所に関心薄だった連れの友達は特に意図せずこの日ワンピースを着ていたので、彼女が一人先へ進むのを見送り、放心状態で近場に座って待つはめに。

私と同様に係員に服装が認められず制止される女性たちを眺めて過ごす。何しろ2,3人の係員が2ヵ所で見張っているので突破することはほぼ不可能。注意されたその場で、これ見よがしに大きな布を鞄から取り出し、腰に巻いて入っていく人を見て、羽織っているパーカーを腰に巻いたらどうかとも考えたけれど、神聖な場に相応しくないし、さすがにみっともない。友達に服を一時的に交換してもらうことも考えたけれど、お互い暑さにやられて汗だくで、貸すのも着るのも気が引けるので泣く泣く諦めた。

最終日早朝にワット・パークナムへ

ホーチミン市に帰るフライトはお昼頃にしていたため、空港に到着すべき時間から逆算すると最終日に観光できる時間は限られていた。フライトを予約し終えてから、夕方頃発のにしておけばよかったと後悔した。

滞在時間を最大限有効に使うべく、朝7時頃にホテルを出て、MRTに乗ってワット・パークナムに向かう。最寄り駅からの道のりは住居が立ち並ぶような小道で、早朝だからか、電車で行く人が少ないからなのか、同じようにそこに向かって歩いている人が全然いなくて、これまた不安になってくる。

観光目的で来ているのはほとんど日本人だった。美しい天井画とエメラルド色の仏塔をしばらくの間うっとりと眺めながら、エメラルド像以外見たかったものを見れて悪くない旅だったと振り返る。


早朝は人が少ないので写真を撮るには適している

旅の振り返り

今回は、バンコク三大寺院をマストで訪れたかったので、MRTブルーラインの駅近ホテルに宿泊した。日本だと電車の駅を拠点に歩くなんて当たり前だったのに、ベトナム生活が長いと直ぐに配車アプリで車を呼ぼうという怠惰な考えに飛びついてしまう。けれども渋滞リスクと交通費を天秤にかけて、10分前後の徒歩移動に躊躇しつつも、今回はほぼ電車を使って行動した。

旅のリサーチって難しい。インターネットやソーシャルメディア、Googleマップなどから、旅先のリアルタイムな情報が簡単に得られるようになり、かつてのようにパッケージツアーを利用して旅行する機会が少なくなった。すべて自らスケジュールを組んで行動するとなると、行き当たりばったりで窮地に陥るのも不安だし、見どころを逃すのももったいないなどと思ってしまい、有名な観光地とそこまでの交通手段、レストランやお土産なんかをリサーチしまくるのだが、調べれば調べるほど、他人の経験をなぞるだけになる気がしてきて、何しにその地に行きたいのかが分からなくなる。

行く前に最低限調べることは、現地のマナーだったり、その地の歴史とか背景なのかもしれないと考える。ネット上の口コミを集めて作ったTo Doリストをこなすより、たまたま足を踏み入れた場所が素敵だったり、たまたま食べたものが美味しかったりするほうが楽しいに違いない。

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