【インプット日誌】「反省させると犯罪者になります」を始め岡本茂樹氏の3冊を読了。
岡本氏の三部作を読み終えた。タイトルと評判は聞いていて、いつか読みたいと思っていたが、ブックオフに「反省させると犯罪者になります」が売っていたので購入。すぐに読み通した。その後、第二作、三作(遺稿)をマケプレで購入、どれも一気読みだった。
少年院や、刑務所で反省文を書かせる教育がいかに、根本的な更生を促せていないかを教えている。人は失敗をしたときに、自然に反省の弁が出てくることはない。まずは、誰かを責めたくなるものだ。そういう時に叱られたり、刑が軽くなるからと、無理やり反省させられると、その抑圧された感情は積もり積もっていつか爆発する。
現在の刑務所での更生させるための、取り組み(ロールレタリング:被害者に向けての反省の手紙を書かせる心理療法)の限界を説く。その代わりに、本音で受刑者に話させること。反省させずに、なぜ非行に走ったのか、その根本原因に向き合わせる(内省)ことで、受刑者は自ら反省するようになっていく。心理学の本としても名著の域に達していると思う。
これが、二作目。美達大和という無期懲役の囚人(しかし、作家)の「反省」が本物かどうかをひたすら論じていく。現在の刑務所の仕組みが、人と人とのつながりを作ることができないものであること、真の信頼関係を得られるような場所ではないことを見抜いているのは慧眼だ。結局、彼らが出所後に再犯するのは、人とのつながりを作る方法を知らず、誰にも本音を言えず、行き詰ってしまうからだという。
*追記 この後、美達大和の本を読んでみた。得るものは少なくなかった。(参考:【インプット日誌】死刑絶対肯定論、室伏式 世界最高の疲労回復他)
それにしても、出所後に再犯する人が多いことは気にかかることだ。しかも、刑務所に戻りたくて人を殺したり、事件を起こす人さえいる。刑務所が更生施設ではなく、完全にドロップアウトさせてしまう場所になっているように感じた。(著者の意見を読んで感じた感想だ)
これが、三作目。実はこの本は、著者が亡くなった後の遺稿を出版社が修正して仕上げたものだ。酒井法子さんの「反省」を論じながら、いい子を演じている子供たちの闇に迫っていく。問題行動はチャンスだ。その子供の本音が表れるチャンスなのだ。そこで親や教師たち、大人たちがどうかかわっていくかで、子供は更生するか、非行に走っていくかが決まるという。
少年院に関する論考は非常に深いものだった。少年院では私語厳禁で、指導者たちは子供たちを力で抑えつけようとするという。本当に心を開いて、本音を語れないと、人は内面が病んでいくのだということを知ることができた。
岡本氏は、子供たちの問題は100%家庭にあると言い切る。なぜなら、100%問題のない家庭などないからだ。極端という意見もあるけれど、この論点は、見逃せないものだと感じた。ちょうど交流分析の本などを読んでいたが、シンクロするものがあり興味深く感じた。
この三冊は、さらっと読むだけではもったいない「血肉読み」してみたいと思っている。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)