素晴らしいドラマ100点!「透明なゆりかご」(主演:清原果耶)
1年ちょっと前の作品だけど、様々な賞を受賞しているだけあって、素晴らしいドラマだった。私は個人的には医療物はあまり好きではない。以前、医療系のお仕事をしていたこともあり、そのころの激務を思い出したりして、わりとブルーな気分になるので。しかし、このドラマは奥さんが見たいと言い出して、しょうがなくお付き合いで見だしたが、毎回、毎回、目を離せない展開で心に何かが必ず残る。
舞台は小さな産婦人科医院、主人公は看護師見習いのアオイ(清原果耶)だ。基本的には、毎回一つのテーマ(中絶・学生の妊娠・虐待・妊婦の不安・・等)をもとに、アオイの目線で「命とは何か」を問う。私は、ドラマはシリアスなものは好きではない。ドキドキするから。だから、これって苦手なタイプだわと思っていたものの、(2話:母性って何?)では、もう身動きできないくらいの感動に包まれた。これは、DVD-BOX を持っていても惜しくない。
出演 清原果耶 、瀬戸康史 、水川あさみ 、原田美枝子
原作 沖田×華 脚本 安達奈緒子
想像力を働かせること
個人的には、このドラマ、中学校・高校で性教育の一環として見せたらよいのではないかと思った。セックスには必ず結果が伴う。若いころは、そのことが分からないから、自分を大切にできなかったり、他人を傷つけたりしがち。特に男子の性情報は、あまりにもポルノに偏っているから、何のためにセックスがあるのかさえ見失っているだろう。
このドラマを見たら、おいそれとセックスできなくなるだろう。いい意味で(セックスは命を生み出す営みだから)。
主人公のアオイ(清原果耶)は、劇中でADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されている。アオイは、なかなか、人の気持ちが分からないという悩みを持っているんだけど、一回ごとに、妊婦さんの気持ちに寄り添いつつ、想像力を豊かに働かせることを学ぶ。中絶も出産も、ただ善・悪では論じ切れないくらい、当事者の中には深い思いがある。想像すればするほど、セックスは重い(いい意味でもね)ってことが分かる。
ドラマとしての作りが素晴らしい
ドラマの回を重ねるごとに「命の重さ」に圧倒されそうになる。ちなみに、最終話でうちの奥さんは号泣していた。(生まれて7日間で死んじゃう赤ちゃんだからなぁ、それは泣くよなぁ)これほどまでに、妊娠や出産、そして命について考えることは多くはない。そもそもの原作が素晴らしいってのもある。原作は、沖田×華 さんで、実体験から書かれたコミックだ。
よく、この世界観をドラマに再現したと思うんだけど、選び抜かれた10回分のストーリーが心を動かすものだった。挿入される音楽も良い。劇中音楽への、並々ならぬこだわりが感じられる。(参考:「透明なゆりかご」舞台ウラより #12 )
さらに、エキストラとして、たくさんの「赤ちゃん」がいる。まさに、生まれたて!という赤ちゃんをよく出演してもらえたな~と思っていたんだけど、なんと総勢30人以上の赤ちゃんの出演だったそうな(参考:「透明なゆりかご」舞台ウラより #13)
そして、俳優陣がお見事な演技だ。院長の由比(瀬戸康史)のクールながら、熱い男の姿に惚れてしまいそうになる。助演女優としては、先輩看護師の紗也子(水川あさみ)が際立っている。毎回、ゲストに迎える大物俳優の演技力もすごい。それにしても、主演の清原果耶の演技力に目を奪われる。コミカルなシーンも、シリアスなシーンも、見事にこなす女優だ。この時点で、まだ16~17歳だったんじゃないかな。これは末恐ろしいぞ!
清原果耶は、今、大注目の若手女優だろう。透明なゆりかごの演技が、あまりに素晴らしかったので、普段は時代劇を見ない奥さんも、清原果耶目当てでこのドラマを見たくらいだ。(参考:やっぱ最後に愛は勝つ!「螢草 菜々の剣」(主演:清原果耶))
ご存じ、来年の上半期朝ドラ「おかえりモネ」の主役でもある。しかも、おかえりモネは、透明なゆりかごと同じ安達奈緒子さんの作品。今から期待が高まるね。(参考:《2021年度前期》連続テレビ小説 制作決定! ヒロイン・清原果耶 / 作・安達奈緒子)
感想まとめ
あまりにも、色々感じすぎて「すごい」しか言えなくなっている感じだ(笑)ドラマに限らずだけれど、作り手の魂が伝わってくるような作品には、心が共鳴する。なかなか、こういう佳作には出会わないけれど、出会えてよかったドラマだった。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)