#ADHDあるある:運転が苦手・事故の多さが尋常ではない。
ADHDは空間把握能力が低い。地図を見るのもかなり苦手な人が多いようだ。運転が下手な人が多いのも、そのせいだろう。私は、「男なんだから、運転がうまくないといけない」みたいな常識?に縛られるのをやめてから、ずいぶん楽になったが、もう、最初から運転は苦手だった。
ADHDの本を読むにつれて、同じような経験をしている人が多いことに驚かされる。自分の特性が分かっていれば、それほど落ち込まずに済んだのかもしれない。
自動車学校が鬼門
教習所の教官は、むちゃくちゃ怖いおじさんで、同時にいくつものことができない私を怒鳴りつけるのだった。当時はマニュアル車だったし、アクセルとクラッチと、ハンドブレーキと、ミラーと、、同時にすべてをこなすのは困難すぎる。ADHDにとっては、車の運転というマルチタスクは完全に無理ポであった。
しかも、教官が怒鳴るもんだから、もう助手席の方角は確認すらできなかった。左は確認したことにしていた。だから、危ない運転になり、急にブレーキ踏まれたりして、とにかく怒鳴られるのだった。おじさん、怒鳴るからんだよ、その原因は。今だったら冷静にお互いの目的について話し合えるのだが、まだ学生上がりである。
そんなこんなで、学校は毎日憂鬱で、なおかつ実技試験は三度も落ちたのだった。あまりにもパニックになり、歩行者をひきかけたり、信号を無視してしまったり、停車させる際に縁石にぶつかったりした。これは、運転免許自体とれないかもしれないと絶望的な気持ちになったことを覚えている。
その後も、運転コンプレックスは続き、できるだけ右折を避けたり、縦列駐車を避けたり、狭い道には入らないなど、できる工夫を頑張ってきた。もはや、運転嫌いはバレているので、他に運転してくれる人がいるなら、いくらでもゆずる。男らしいとか、そんなことは関係ないのだ。危ないんだから。
ADHDは運転ができない
自らもADHDの精神科医の星野氏も、自動車学校では、あまりにも危険な運転すぎて「絶対に事故を起こすので運転しない」という条件で免許を発行してもらったと書いている。もはや意味不明である(笑)
ADHDが事故を起こすのは「不注意」「衝動性」「睡眠障害」の特性ゆえだと言われているようだが、アメリカでは、すでに免許発行時にADHDの検査があり、必要なら薬物治療が行われるのだという。命にかかわるから、それ、大事だと思う。
特に10代後半から20代前半の男性は大きな交通事故を起こしやすいという。そういえば、ADHDを持つケント君も、バイクで4度も事故にあい、バイクをあきらめたという話が出てきていた。普通の人も事故にあうのだけれど、ADHDの事故率の高さは異常である。
私の知り合いの主婦(おそらくADHD)も、何度も車を廃車にする事故にあっている。お祓いするより、明らかに発達障害の診断を受けるほうが先だ。
ADHDを救う「恐怖」の力
私はグレーゾーン・軽度ということもあるのかもしれないけれど、実は20年無事故。ゴールドである。
それは運転が苦手であるという自覚、ちょっと間違うと死ぬかもという恐怖のほうが大きかったからだ。自動車学校で高速道路実習をした時には、全身が汗だくになった、ハンドル操作一回で、ここにいる全員が死ぬのだという自覚が芽生えたのだ。そして、それはその通りだ。
ADHDだけれども、超がつく怖がり(HSP)だというのは私にとってはありがたい特性だった。抑えきれないような好奇心や衝動性を感じることもあるのだけれど、それよりも、恐怖のほうが大きい。今でも、不安神経症っぽいのは残念なのだけれども、この特性がADHDの衝動性を相殺しているのだ。
まあ、その分、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなギャップを感じていて生きにくいんだけど。命拾いはしている。
恐怖も、ありがたい感情なんだよね。