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我慢できないADHDは「前頭前野」の発達が遅い?赤ちゃんの脳科学で発見。

ADHDの衝動性は言い換えると「我慢できない」ということだ。(参考:#ADHDあるある:刺激とスリルを求める人生。暴走を止めてください。

小学生の頃、私はクラスの中を走り回っていて、先生から「尻軽」と呼ばれていた。教室の向こう端に座っている子のことが気になったら、気がつくと、もうそこまで行っているのだ。つまりは「我慢ができない」のだ。普通の子なら、気になっても、授業中に歩いてそこまで行かない。ADHDはこらえる力がないのだ。

実は、その原因は、脳の「前頭前野」が働いていないからかもしれない、、ということに気づいた。意外にも赤ちゃん子育てコミックエッセイを読んでいての気づきだった。そもそも、なんで、この類の本を読んでいるのか?ちょっと自分でも不明だけど。面白い本だった。ギャグセンスも内容もgood!

前頭前野が働かないと「我慢できない」

赤ちゃんには「イヤイヤ期」なるものがある。我慢できず、親から何を言われても「イヤイヤ!イヤイヤ!」。子育てママが困り果ててしまう現象だ。実は、これは赤ちゃんの脳の中の前頭前野が未発達だから起こるのだという。このことを実証したひとつの実験がある。

子供の前にクッキーを置いて、どれだけ我慢できるかという実験をしたところ、イヤイヤ期を終えている子供は我慢できるが、イヤイヤ期真っ最中の子どもは我慢できないのだ。子供たちの脳を見てみると、イヤイヤ期を終えてちゃんと我慢できている子は、前頭前野がしっかり働いていることがわかった。当然、イヤイヤ期の子どもは、この部分が働いていない。

前頭前野は「欲求を抑える抑制機能」を担っていると考えられている。

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引用:[コミック&エッセイ]ママは悪くない!子育ては“科学の知恵”でラクになる ふじいまさこ 、 NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?」取材班 (P63)

子どもが大人になるにつれ、つまり、脳(前頭前野)が発達すればするほど、我慢できるようになるのだ。

以前読んだ本にも、ADHDは「障害」ではなく「遅延」だということが書かれていた。時たつうちに、ADHDもゆっくりとだが発達する。(参考:ADHDは子供っぽい大人だから魅力的【書評】脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方 トーマス・アームストロング)。そうだとすると、ADHDは、まだ「未熟な脳」を持つ人たちなのだと考えると合点がいく。(まあ、脳が赤ちゃんというのは悲しい)

ちなみに「人見知り」(目が合うと大泣きする)も前頭前野が発達していないことからくるものだ。HSPや対人恐怖症みたいな症状も、脳の未熟さで説明すると分かりやすいかもしれない。

前頭前野を訓練する

とはいえ、前頭前野を訓練する方法はある。それは、子供に分かりやすいルールを決めて守らせること。なぜ我慢するのか?という理由が分かり、それに基づいて我慢する練習を重ねることで、前頭前野は発達していく。ちょっとでも我慢出来たら、褒めて・励ましていくとよい。

ちなみに、叱られると、恐怖や不安をつかさどる扁桃体が働き、一時的に行動がストップするように思えるが、前頭前野が発達しない限り、自分から行動を抑制することはできないので、何度も繰り返す。ADHDは叱られると委縮しやすい。でも、学ばないのはそのためだろう。だから、ADHDを育てるには、やはり、ほめて育てるしかないのだ。

応用行動分析(ABA)を使うと、ADHDの特性を上手に活用して育てられる。我慢できない、暴走しやすい、と言いつつも、大人のADHDは、それなりに子供よりも、いろいろなことを我慢できる。大人のADHDも少しずつ発達しているのだ。普通の人よりは遅いけれども。

自分の弱いところが分かれば、あとは地道に訓練するだけだ。やがて、ちょっとずつ、自分のコントロールができるようになっていく。そして、セルフコントロール感こそ、ADHDの自尊感情を高めるパワーになるはずだ。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq