
#ADHDあるある:パワハラ・セクハラにあいやすい。いじられキャラも切ない。
ADHDはとにかく自信がない。日常生活はできないことだらけだから。なんとか、みんなの中で、やっていこうとすると、必要以上に自分を貶めてしまい、ヘラヘラしたり、ふざけたり、いじられキャラを演じてしまうことがある。これは、私の長年の悩みでもあった。
学校でも、職場でも道化役になってしまうことが多かった。ある時、友人から真顔で「笑わせると、笑われるは違うと思う」と言われた言葉は、ナイフのように刺さった。そんなことは言われなくても分かっているのだ。
低い自尊心が原因
ADHDが、必要以上にヘラヘラしたり、いじられキャラを演じたりするのは、低い自尊心が原因だ。ADHDは特にパワハラやセクハラの被害にあいやすいだろう。その手の人は、自尊心の弱い人を見分けるセンサーを持っているのだ。
司馬氏の「ADHDガール」は、まさにここに踏み込んでいて、さすがだと思った。
「自分自身でも「ミスが多いな」と自覚している場合、あえていじられキャラを演じて、大目にみてもらおうとすることもあります。道化役、いじられ役を演じることがADHDガールにとっては、一種の防御術なのかもしれません。」(P125)
私はADHDガールではないけれど、何度も、何度も、このパターンにはまってしまった経験がある。学年が変わるたびに、職場を変わるたびに、新たな人間関係に変わるたびに、仕切り直しで、バリっとした自分を演出しようと頑張ったけど、すぐに、ヘラヘラキャラに戻ってしまうのだ。
そして、必ず嫌がらせや高圧的な態度で接してくる人に絡まれてしまう。よりいっそうヘラヘラが加速してしまう。悲しいじゃないか。何とかしようと思うけれども、一度築いた関係を仕切りなおすのは難しい。
できないことだらけで、突っ込まれるとすぐに、ミスが露呈する。ダメな人間だと悟られてしまう。そんな恐怖心から、気づくとヘラヘラしていた。そして、そういう弱い部分を見せると、徹底的に攻撃してくる人もいるのだ。「ふざけてんじゃねえよ、真面目にやれよ」と恫喝されることもあった。
私は、ふざけたくて、ふざけているわけではないので、そういう言葉を聞くのは悲しかったね。ただ、これは自分の立ち振る舞いが招いていることなのだ。ある時から、少しずつだけれど、必要以上に媚びへつらうのをやめるようになった。最低限の自尊心が育ち始めてきたのかもしれない。
そんな経験から、ヘラヘラしないコツをお話ししよう。
対処法:逃げない人になる
結局のところは、これしかない。「ADHDガール」からも引用してみよう。
「ヘラヘラしてごまかしていても、自分の成長にはつながりません。」(P126)
「小さなミスの穴埋めはいじられ役になることではなく、小さなファインプレーで取り返していきましょう」(P127)
学生時代はともかく、仕事場では、大事なのは仕事ができることだ。仕事のミスを、ヘラヘラしてごまかそうとしている人に腹立ちを感じるのはよく分かることだ。だから、仕事に逃げずに取り組むしかないのだ。もちろん、ADHD特有の傾向で「できないこと」は多い。
しかし「できること」も多いのだ。私が経験を通して悟ったのは、ほとんどの仕事は準備が8割だということだ。その場でキッタハッタで、仕事を片付けていくような、キレのある動きはADHDには不可能だ。しかし、事前に準備しておくことはできる。
その場で、キレのある動きで仕事をしている人を見て、うらやましいな(あんな風にはできない)と思っていたけれど、しっかり準備を整えていくと気づいたことがある。
準備すると、その場では、あんまり動かなくてよいということ。準備しないで、その場、その場でバタバタと対応する人のほうが多くて、そういう人は目立つけど、準備しておくと、そもそもその場では対応が必要ないのだ。
これはすごい気づきになった。
そこから、ともかく、なんでも徹底的に、人の何倍も準備するようになった。いまだに、その場での判断やキレのある動きは難しいけれど、事前の先読み力で、発生する問題をあらかた解決する(発生しないようにする)ことができることが分かった。そして、そういう地道な仕事力は、やがて確実に認められるようになっていく。
自分は変えられる
何度も自分を変えようと思ってきたけど、変わらなかった。周囲の人間関係も。でも、変える必要があるのは意識ではなく、行動だった。ただ、表面上を変えるのではなく、本当に、自分自身を変えようと行動し始めた時、周りも変化していった。
仕事ができる人になればヘラヘラする必要はない。ある仕事はできなくても、ちゃんとやっていることがあると分かれば、人はバカにしなくなる。結局、自分自身で自分をちゃんと認めているかどうかっていうことなのだ。
自信をつけるのはシンプルなことだった。
そんなことも考えながら書いた本だ。
#ADHDあるある #パワハラ #セクハラ #ヘラヘラしてしまう #ADHDガール #ADHD #大人のADHD #自信をつける
いいなと思ったら応援しよう!
