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「歩くこと」をテーマにここまで書けるとは・・・〜「ウォークス」歩くことの精神史〜

「歩く」って心地いいよね?

歩く

ここのところ通勤電車の日常が戻ってきました。

戻ってきて感じたのは、通勤電車のストレスは半端じゃなかったということ

正直、通勤するだけで体力の7割くらい持ってかれてます。

東京じゃ、比較的混まない車両ですし、電車の時間も20分もかからないのですが、それでもあれほど嫌な乗り物はありません。

まさに、人の精神を蝕む魔窟といっても過言ではないでしょう・・・

なので、私はほとんど電車を使わずに歩いて職場まで向かうことにしてます。

最初こそ疲労感もありましたが、

・アイデアはよく浮かぶわ
・運動不足は解消するわ
・よく眠れるようになるわ

で慣れると快適なものです。

よく考えたら社会人になってからそこまで歩かなくなったなと。

「歩くこと」、ただ歩くことは何も考えずに進む感覚が得られて何時間も歩くととても良い心地になります。

今回紹介する本は、そんな「歩くこと」に関してあらゆる視点から述べられた本です。

名前は『ウォークス 歩くことの精神史』といいます。

猿人が二足歩行を覚えてから、どれだけ「歩くこと」がヒトの創造性や文化を生んできたかを、科学、哲学、都市論まで縦断してまとめあげた凄い本です。

異才、レベッカソルニット

レベッカ・ソルニット

本書を読むと「歩こう」と思わずにはいられませんでした。

なにせ、「歩くこと」が人間にとってどれだけ影響を与えてきたのかを本書ではとにかく染み込ませてきます。

中でも私が好きなフレーズが

”歩くことはいつだって決然とした勇気の表明であり、不安な心をなぐさめる癒しだった。”

っていうものでして、これほど「歩くこと」の尊大さを表しているものもないよなあと。

こんなフレーズを自分も編み出したい!と思わせるには十分でして、そうなると著者が何者か知りたいところ。

そんな本書『ウォークス 歩くことの精神史』を描いたレベッカ・ソルニットの経歴が異才すぎました!

ソルニットは作家であり、歴史家であり、アクティヴィストでもあります。

また、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加し、様々な知見を得て作家活動を始め、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に20を越す著作を起こしています

「アクティヴィスト(運動家)」、革命家ともいうのでしょうか。

ソルニットは様々な運動活動を経て、フェミニストとして、しかもただ感情的にではなく、あらゆる文献・経験を織り込んだ説得力のある文章を書いてくれます。

このインタビューを観ると、自分とはなんて小さな世界に引きこもっていたのか、と思い知らされます。

本当に言っていることは難しいし、でも惹き込まれるしで、本1冊で3年分は学んだ感覚に陥りました。

それくらい、著書『ウォークス 歩くことの精神史』には内容が詰まっており、1ページの密度が半端じゃなかったです。

歩こう、と同時にもっと学ぼうと思えるような本でした。


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