常に最悪を考えたり、ドリームキラーを受け入れるのはかなり大事かもしれないと気づけた本を見つけました〜解毒剤〜
ポジティブシンキングが苦手な人へ
”好んで引用する自己啓発業界の大物について伺うと、アンソニー・ロビンズはブライアン・トレーシーに尋ねてくれと答え、ブライアン・トレーシーはジグ・ジグラーに質問すればいいと応じ、ジグ・ジグラーはアンソニー・ロビンズにお聞きなさいと言った。”ー「解毒剤」本書から抜粋
「解毒剤(The Antidote)」を読み終わりました。自分のネガティブな気質にすごく合っていてこれまたオススメ!
と、いきなりオススメと言われても何が?ってなると思いますので、特にどう言った方にオススメかと言いいますと。
・無理やりポジティブになることになんか抵抗感を感じる人
・一時的になんだか凄いことができそうな気分にさせるだけのセミナーに嫌悪感を覚えてしまう人
・ネガティブに対して肯定的な心情を持っている人
といった、「ポジティブシンキングが胡散臭いと思っている人」です。
著者であるオリバー・バークマンは研究者ではなく、
「世界で最も影響力のある新聞」とも表される英国ガーディアン紙の専属記者
として有名な方です。ギリシャ哲学から大統領のセミナーまで幅広く学びだし、
アドレナリン産業(一部自己啓発セミナー)から放たれるポジティブシンキングを「解毒」するための方法
をわかりやすく解説しておりました。
本書を読むと、世にはびこるポジティブがどれだけ現実離れしていて、それに対してネガティブであることが地に足をついていることを教えてくれます。
ネガティブ思考をベースにしてる自分にとっては、「自分がおかしいわけじゃないんだ・・・」とホッとする一冊でございます笑。
ポジティブであれ!の何が悪いの?
「どんなときでもポジティブに!」という考えはネガティブを押さえつけることに繋がります。
そうなると、俗に言う「シロクマのリバウンド効果」が発動してしまうんですね。
ネガティブな思考や感情を無理やりポジティブに変えるのは逆効果。ネガティブから目をそらそうとすればするほど、否定的な感情に頭が支配されることが立証されております。
まぁ私の場合ネガティブな気分の時、ポジティブになろうとしても
「あれ?ポジティブってどんな感情だっけ・・・?」
みたいにそもそもポジティブになれないくらいのネガティブ思考ですが笑。
とはいえネガティブを圧迫して、ポジティブになろうとしてもネガティブが溢れてくることが証明されたので別の対処法が必要です。
そこでバークマン氏が提示したアイデアが「仏教の考え方」です。
ネガティブな感情がこみ上げてきても、その感情をそのまま認めて波が去るのを待つという2,500年前にお釈迦さまが開発したメソッドです。
マインドフルネスに通じるテクニックですね。。ぽっと出のひたすらポジティブシンキングより、歴史から消えず、今でも重要であると説いたメソッドの方が効くだろうというイメージ。
また、「常にポジティブであれ!」の派生で
情熱を持って仕事を楽しもう!
という考えがありますが、これもまた危険な思考法のひとつ。楽しくもないのに無理やり楽しんだってこれまた「シロクマのリバウンド効果」が働くので悲しいことにムダなんですよね。
この対処法は「仕事に情熱のない自分」を細かく観察して「仕事は仕事。生活のための仕事でしかない。」という風に割り切ることです。これもお釈迦さまのテクニックの応用です。
感情は常に揺れ動きますし、価値観も常にアップデートされますから、それを無理やりコントロールしたって逆効果でしかないってことっすね。今の自分の状態を受け入れることが重要です。
常に最悪を考えること!は未来に対する最適な処方箋
では逆にネガティブに考えることは良いことなのでしょうか?
確かに、常にネガティブで考えるとただただ卑屈になるだけですけど、
自分にとって失敗を想定して、それを避けるためにどうすれば良いか?
自分はどれだけの失敗に耐えられるか?
自分にとって最悪の状態とは何か?
という風にネガティブから始めて想定することは建設的な考えだと説きます。
自分にとって最悪の状態を想定することは、未来に対する不安が減るため悪いことではないらしい。
「防衛的ペシミズム」というセネカやエピクテトスのようなストア哲学者が使っていたテクニックです。
ネガティブ思考は「報酬」よりも「回避」にモチベーションがわくことが多いことが立証されてますからこれまた納得。
常に最悪の状態を考えるのはノイローゼになりそうですけども、ビジネスにおいても
自分の事業は成功するか?
ではなく
どれだけ失敗に耐えられるか?
で考えた方が成功が長続きしやすいものです。私も常にセーフティーネットを張りつつ、安全圏の中で行動しないと不安に押し潰されそうですからこれまた納得。
そう言った意味で
・ネガティブな人からは距離を取れ!
・ドリームキラーを近づけるな!
・自分の周りには応援してくれる人しかおかないように!
なんてこともよく言われますけど、これはかなりの間違いであることが本書では書かれていました。
ネガティブな人やドリームキラーな人は、もちろん意味不明な供述する人もいますけど(「自由には責任がともなう」みたいな中身のない否定)、
現実を直視するために、ネガティブな人が相当助かることも多くあります。
この先の生活はどうするの?どう暮らすの?
全く成功するイメージができない。このままじゃ無理だよ。
てかそれ仕事しながらできないの?
・・・などなど、しっかり話を聞いてくれた上で否定してくれることは、実際その通りになる、最悪になることもあるということに気付かせてくれます。
前までは、私もドリームキラーは避けた方がいいよな〜とか思ってたんですけど、この話を読んで相当参考になる可能性があるなと考えを改めました。
このように、世にはびこるポジティブシンキングを「解毒」するためのポイントが分かりやすくまとまってました。
念のため言っておくと、ポジティブシンキングを100%否定しているわけではなく、あくまで一時的にテンション上げるような自己啓発をぶった斬ってる本ですので。