ベストセラーライターが語る、「取材者」とはなんぞや?〜取材・執筆・推敲②〜
文章を面白くするための「読み方」に迫る
”取材者は、1冊の本を読むように、「人」を読み、そのことばを読まなければならない。
取材者は、1冊の本を読むように、「コト」を読み、その奥底まで読まなければならない。
取材者は、1冊の本を読むように、「世のなか」を読み、その流れを読まなければならない。
(中略)あくまでも取材者個人の主観で世界を「読む」。ひたすら読む。”
ー『取材・執筆・推敲』本文から抜粋
著書『取材・執筆・推敲』2回目となりましたので、今日から2回に分けて「取材パート」を書いていきたいと思います。
前回はガイダンスとして、
ライターとして面白いコンテンツをつくるには、「取材」が欠かせないんだぞ!
ということを語りました。
そんな「取材」なのですが、取材とは読むことです。
すなわち、ライターは取材者である限り、書いていない時間の全てを「取材=読むこと」に費やさねばならない
とおっしゃりました。
鍛えるべきは「書く力」ではなく、まずは「読む力」を鍛えてこそ、優れたライターたりえるということです。
なぜ、「読む力」を鍛える必要があるのかというと、
「画家の目」を手に入れる必要があるから
つまり、冒頭で抜粋したことばのように、1冊の本(物語)を読むように
ことばの奥底まで深く読む必要があるし
ことばの流れをつづる必要がある
ということ。
それができるからこそ一つのモチーフ(題材)について長い時間かけて書くことができるし、それが深く面白い文章になるのだと言います。
だからこそ、こんな訓練をお勧めしていました
例えば、「蕎麦屋」に入るとして
注文を待っている間、「蕎麦屋」ならではの取材をする
そこで目についたのが「七味唐辛子」だとする。
七味唐辛子の「七味」ってなんだろう?と考える
検索したら、「赤唐辛子、黒ごま、ちんぴ、山椒、麻の実、けしの実、青のり」と出てきた。そこから「ちんぴ」ってなんだろう?と考える
「ちんぴ(=陳皮)」とは、ミカンの皮を乾燥させたものと知り、「そばに合う七味にはミカンの皮が入ってるんだ!」と感動する
そこからまだ来ない場合は「そばに七味を加える文化はいつからなんだろう?」と歴史を追う・・・・
という風にどんどん深掘りして取材していくと必ず興味深い内容に飛びつきます。
それに、自分ならではの興味だからこそ、深掘りしていけば面白い視点で語ることができるはず。
逆をいえば浅知恵を教えるならネットで簡潔できるし、だいたい知ってると思いますので、それは「つまらない」につながる危険な行為ということです。
読み応えのある文章を書くためには、
自分自身が深掘りする「目」を手に入れ、読み応えをつくる「読み方」をまず学ぶべし
ということで、ガンガン能動的に
散歩している時も「なんでこの看板が目につくんだろう?」と思ったり
仕事をしている時も「会社がよくなるためには?」と大局を観たり
本を読むときも「自分が気になった点、そしてそれはなぜか?」を振り返ったり
して、「読み方」を鍛えていきましょう!という感じで「取材」の前半パートは終わりたいと思います。
次回は、具体的に「取材の3ステップ」を語っていきます。
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