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サステイナブルな経済モデルの本を見つけたし国連でも採用されてるしな話〜ドーナツ経済学が世界を救う〜
高度経済成長の悪を分かりやすく図式化してますね
著書『ドーナツ経済学が世界を救う』を読みました。
著者は「環境変動」と「持続可能性」を研究テーマにしている経済学者ケイト・ラワース氏。TED講演でこれからの経済のあり方について一石を投じたエライ方です。
本書の主張は
経済的問題(貧困など)は経済成長では解決しない(というかむしろひどくなる)。だから「繁栄」にパラダイムシフトを起こそう!
ということ。
その際に使っている経済モデルが冒頭の画像である「ドーナツ型」です。
上の画像は英語なので、日本語版を下に載せておきます。
ドーナツが小さくなると、社会的な土台に穴が空き
ドーナツが大きくなると、環境のキャパシティが破裂する
という図を見事に示しておりますね。
ほどよいドーナツを目指して、教育やエネルギーなどのインフラをバランスよく整えるために
・環境再生的:クリーンエネルギーや持続可能性を意識する
・分配的:貧富の差はもちろん、教育格差も減らしていく
な経済をこれからは目指すべきだと主張しております。
確かに、世界のGDP(国内総生産)は1950年代に比べると10倍規模に膨れ上がり、何十億人もの繁栄をもらたしてきましたが
その収益のほとんどが世界人口の1%も満たない人に集中している
というアンバランスぶりです。
そして、経済的な成功を収める要因は「高度な教育が受けられる」ことと、「生まれた環境」が圧倒的。つまり教育格差です。
だからといって、努力してもムダとは言いません(特に日本はほとんど教育受けられるし)が理不尽であることは事実だったりします。。
繁栄とは「人間らしさ」のインフラ整備
しかし社会インフラが整いつつあるこれからは、全員が豊かに「繁栄」していく方法をとれるのだといいます。
「繁栄」とは人間の生活そのものが豊かになることです。
・誰もが自分の「尊厳」を保つことができ、
・やりたいこと、なりたいものを選べる「機会」が与えられ、
・信頼できる人々の「コミュニティ」をつくっていくこと
で幸福に暮らすことができる社会を「繁栄している」と言うそう。
この「尊厳」「機会」「コミュニティ」の3つが繁栄のキーワードです。
すでに人間の幸福度は収入を得ることよりも
・自分の力が貢献につながったり
・誰かに感謝したりされたり
・社会的に認められたり
・自分の興味あることを学び続ける
ことの方がはるかに高いのだということが分かっているためさもありなんと感じます。
そもそも、ずっと成長することはありえない話。これからは循環を意識した経済が主流になっていくんだろうなぁと思っていたのでめちゃくちゃ楽しく読めました。