甘やかされて育った人の社会的要因と不登校
はじめに
「甘やかす」という行為は、決して親だけが行っているわけではありません
世の中にたくさんある行為です
大人と子どもの関係だけではなく、大人同士でもあります
会社でも社員を甘やかすなどということもあるでしょう
甘やかすことは、本当にいけないことなのでしょうか?
甘やかすことで、甘やかされた人は仕事のできない人になってしまうのでしょうか?
ただ、甘やかすという行為は、普通、上からの一方通行であり双方向での行為ではありません
年齢の差だけではなく、立場の差も同様です
子育ての場面では、甘やかす行為は親から子への行為です
甘やかす行為が子育ての場面で、常態化することが問題なのです
現代社会では、甘やかされて育った子どもが増えていることが指摘されています
親の子育ての仕方が、甘やかせて育てる育て方になっているのです
親の過保護や甘やかしは子供の成長に深刻な影響を及ぼし、
その結果として不登校などの問題が生じることがあります
甘やかされて育つ背景には、様々な社会的要因が関与しています
本記事では、甘やかされて育った人の社会的要因、不登校との関連性、
そしてその対策について探っていきます
甘やかされて育つ社会的要因
親が甘やかして子どもを育てる要因が、個々の親の属性ではなく、
社会の仕組みや構造に関係していると考えられます
親や家庭が置かれた環境が問題になります
甘やかして子どもを育てることは親だけの責任とも言えません
社会情勢が大きな要因となっています
少子化: 日本では少子化が進行しており、一人っ子や少ない兄弟姉妹の家庭が増えています
親は限られた子どもに過度な愛情や期待をかける傾向が強くなり、その結果、甘やかすことが多くなります
子どもが一人である場合、親はその子どもにすべての注意を向け、過保護になる傾向があります
核家族化: 核家族化が進み、親と子どもだけの家庭が増えています
祖父母や親戚との交流が少なくなり、親が一手に育児を担うことが多くなります
このため、親は子どもに対する責任感や愛情が過剰になり、結果的に甘やかすことが多くなります
競争社会: 現代社会は競争が激しく、親は子どもに対して高い期待をかけることが多いです
親は子供を失敗させたくないという思いから、困難を避けさせたり、すべての問題を解決したりする傾向があります。これにより、子供は自己解決能力を育む機会を失います。
情報社会: インターネットやメディアを通じて、育児に関する膨大な情報が入手可能になっています
親はこれらの情報に影響され、過度に子どもを保護し、リスクを避けるよう努めます
この結果、子どもは自分で困難に立ち向かう経験をすることが少なくなります。
「少子化の影響で、子どもが少ないことから、1人の子どもに愛情を注ぎすぎることで
甘やかせて育てたり過保護に育てたりする傾向がある」
「核家族化が進み、親と子だけの家庭が多く、子育てが親のみにかかってしまう」
「現在社会の競争に負けないように育てたいことから、子どもに高い期待をかけすぎる」
「様々なメデイアからの情報に混乱を招いている」
親も現在社会に生き、影響を受けています
親の責任ではないところにも子育てが影響していると言えるでしょう
甘やかされて育った人の特徴
甘やかされて育った子どもは、どんな特徴を見せるのか知っておくことが大切です
必ずしもそうなるとは限りませんが、子育ての結果一定の特徴が見られます
甘やかされて育った子どもには、以下のような特徴が見られます
自立心の欠如: 親がすべての問題を解決してしまうため、子どもは自立心を育む機会を失います
自分で問題を解決する経験が少ないため、自立する力が不足しています
自己管理能力の低下: 自分でスケジュールを管理したり、
計画を立てたりする能力が育ちにくくなります
親がすべてを管理してしまうため、子どもは自己管理の方法を学ぶ機会が少なくなります
自己肯定感の低下: 親が過剰に手を貸し、子どもの成功体験を奪うことで、子どもは自分自身を肯定する力を失います
自分で何かを達成する経験が少ないため、自己肯定感が低く、自信を持てなくなります
対人関係の問題: 甘やかされて育った子どもは、他人の意見や感情を尊重することが難しく、友人関係や教師との関係において問題が生じやすいです
親がすべての対人関係の問題を解決してしまうため、子どもは対人スキルを十分に発達させることができません
「親がすべてやってしまうので、自立できない」
「親がすべてやってしまうので、自分で生活を管理できない」
「親がすべてやってしまうので、物事へのチャレンジした経験がない」
「親がすべてやってしまうので、人の関わる必要がない」
これらが問題となってしまうのです
これでは社会と関わっていくことが難しくなってしまいます
甘やかされて育った人と不登校の関連
甘やかされて育てられることが不登校の要因になると考えられるのは、
子どもの特性にあります
学校や集団生活に臨んでいけるかどうかです
では、どのような性質が問題となるでしょう
甘やかされて育った子どもは、学校生活において以下のような問題に直面することが多いです
学校生活への適応困難: 自立心や自己管理能力が育っていないため、学校生活の中で直面するさまざまな困難に対処することができず、不登校に陥る可能性が高まります
親がすべての問題を解決してしまうため、子どもは自分で解決する力を身につける機会を失います
ストレス耐性の低下: 困難や失敗を経験することなく育ったため、ストレス耐性が低く、学校でのストレスやプレッシャーに耐えられなくなります
学校でのいじめや学業のプレッシャーに対処できず、不登校になることがあります
対人関係の問題: 対人関係において問題が生じやすく、友人とのトラブルや教師との関係がうまくいかず、不登校になることがあります
親がすべての対人関係の問題を解決してしまうため、子どもは対人スキルを十分に発達させることができません
「日頃の生活では、親がすべて解決してしまうので自分で課題に向き合う必要がないため、
自ら学校生活での課題を解決する力がない」
「何かに取り組むと、必ずプレッシャーやストレスを感じる
親が甘やかせてしまうと、必要な経験ができない
そのことによって学校でのプレッシャーやストレスに弱い子になってしまう」
「人と関わる経験が希薄なため学校や学級の友だちと関係がうまく持てない
子どもは友だちとうまくいかない関係では集団生活が困難になっていく」
学校生活に及ぼす影響が非常に大きいと言えるでしょう
解決策と対策
上記のような課題がはっきり認識できれば、対応していくことも可能です
不登校を防ぐためには、甘やかされて育ったことを見直し、子どもが自立心を持って成長できる環境を整えることが重要です
以下に具体的な対策を示します。
自立心の育成: 子どもが自己解決能力を養うための機会を提供し、小さな成功体験を積ませることが重要です
親は子どもの努力や成果を認め、適切なフィードバックを行うことで、子どもの自尊心を育てることができます
挑戦の機会を与える: 子どもが新しいことに挑戦する機会を提供し、失敗を恐れずに挑戦する姿勢を育むことが大切です
親は失敗を恐れず、挑戦することの価値を教えることが求められます
コミュニケーション能力の向上: 家族内でのコミュニケーションを重視し、子どもが意見を述べたり、問題を解決したりする機会を増やすことで、コミュニケーション能力を向上させることができます
適度な責任感を持たせる: 子どもに家庭内での役割や責任を持たせることで、自己管理能力や責任感を育てることができます
親は子どもの要求をすべて受け入れるのではなく、適度に制限を設け、ルールを守ることの重要性を教えることが重要です
また、学校と家庭が協力して子供の状況を把握し、適切なサポートを行うことが重要です
専門家の助言を受けることも一つの手段です
心理カウンセリングや学習支援プログラムを活用し、子供が再び学校生活に戻るための環境整備を行うことが求められます
「親が先回りしないで、子どもには自己解決をさせる」
「何でもやってみることを推奨する」
「子どもと話をし、意見を言わせる」
「家庭内で何かひとつでも役割を持たせる」
この4つの約束を親が守ることで、必ず子どもの性格は変わっていきます
甘やかせることのマイナスを理解したら対策を取ることは難しい事ではありません
後は粘り強くあなたが子育ての中で生かすことです
まとめ
子どもは親にとって宝物です
何よりも大切なのが子どもです
親の気持ちと子育てを両立することは大変難しい事です
子どもによっても違ってきます
その証拠に、同じ家庭に育っても姉弟によって違うことは、
誰もが経験していることです
少なくともどちらかに偏った子育ては、問題ではないかと考えます
愛情が深いために子どものためと思って厳しすぎるしつけをしてしまう
反対に、甘やかせすぎてしまう
ときには甘やかすことも必要です
難しいですがバランスの良い子育てを心がけていかなければなりません
今回の「甘やかされて育った人」の特徴のようにバランスを欠いているなら
修正した子育てに努力するようにしてほしいです
甘やかされて育った子供の問題は、親や教育者にとって重要な課題です
自立心や自己管理能力を育むための適切な環境を心がけること、バランスの取れた育て方を心がけることです。子どもが社会に適応し、健全な成長を遂げるためのサポートを行いたいですね
学校や専門家と連携し、子どもが再び学校生活を楽しむことができるよう、全力で支援することが大切です