【自動車工学】過給の本質
いまどきターボやスーパーチャージャーによる過給を、空気を押し込むなんて勘違いしている人はいないでしょう。
林義正さんか畑村耕一さんの本に書いてあります。どういうことかというと、過給で密度の高くなった空気を吸うということなのです。密度が高いから、NAと同じ吸気ポート、吸気バルブ、バルブタイミングじゃ窒息するんです。窒息するとポンピングロスが増加し、燃費が悪くなります。
これは低負荷時や高回転時ほど顕著なので、過給率ないしは圧力比を下げるほうが良い領域(回転数と負荷)もあります。そういうのはGT-SUITE等のソフトで計算できます。
インタークーラは必須です。過給で密度と同時に温度も上がっていますから、冷やすことで更に密度が高まります。
密度が上がることで同じ体積効率で、筒内(シリンダ内)に取り入れられる空気質量が増えるので、その分燃料を投入できます。すなわち同一排気量で出力が増えるということです。
その結果、下記理由により燃費がよくなります。
1.出力あたりの摩擦損失(フリクションロス)が減る
2.出力に対しシリンダ表面積が小さいので、冷却損失が減る
これが過給ダウンサイジングと言われるものです。
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