【自動車工学】熱効率とか燃費とか
ニコラウス・オットー(1832~1891)が、1877年に4サイクルエンジンを発明したので、4サイクルのことをオットーサイクルと呼びます。ただしフランスでは、フランス人ボー・ド・ロシャがオットーよりも先に発明したので、ボー・ド・ロシャサイクルと言います。
ガソリンエンジン(4サイクルも2サイクルも)の熱効率はオットーサイクルの理論熱効率で定性的検討をします。
理論熱効率ηth、圧縮比ε、比熱比κとすると、理論熱効率ηthは下式のように簡単なものになります。簡単なので、これぐらいは覚えておきましょう。
この式から圧縮比が高いほど、熱効率が良い、燃費が良いということが分かるのです。
実際の熱効率(正味熱効率)ηは
η=ηth×比熱比減少分×時間損失×冷却損失×排気吹出し損失×ポンプ損失
比熱比減少分;燃焼に伴い比熱比κが小さくなるため熱効率が下がる
時間損失;燃焼速度が有限なため熱効率が下がる
冷却損失;シリンダやシリンダヘッドから熱が逃げるため熱効率が下がる
排気吹出し損失;排気弁は下死点前に開くため熱効率が下がる
ポンプ損失;吸気弁、排気弁を通過する際の抵抗のため熱効率が下がる
教科書的にはディーゼルエンジンは、サバテサイクルの式を使えとなっていますが、上記のように各損失を考慮すると、オットーサイクルで検討しても問題はありません。
参考文献
村中重夫『新訂 自動車用ガソリンエンジン』
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