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チームワークによって得られる団結力と士気

 以上までに挙げた「リーダーの能力」や「チームの目標」、「メンバーについてお互いを知り合う」、「メンバー個々の役割と責任の割り当て」によってチーム力は向上します。それによって向上したチームワークが、チームに団結力と士気を生みます。

 団結力は、心理学では〝凝集性〟と呼ばれますが、凝集性が高まると個人が自発的に集団に留まろうとする力が働き、まとまりのある集団になります。集団が分裂しそうになっても耐えることができ、集団が共有している規範や考え方への順応も高まるでしょう。そして、チームや個人においても競技パフォーマンスが高まるという研究結果も得られています。いわば、団結力が競技の結果にも影響を及ぼしているのです。

 ただ、ひとつ押さえておきたいのは、凝集性は集団の規模が小さいほど高まることが報告されています。チーム規模が小さい場合は団結力を高めやすいでしょうが、チームによっては100人を超えるような大集団に所属しているケースもあるでしょう。そのような場合はチーム内を数ブロックに分けて小集団を作るなど、まとまりを感じられるようにするといいかもしれません。事実、高校野球の名門校など入部希望者が多いチームは、こうしたブロック制を用いている例があります。

 またチームワークの向上が士気を高めますが、これには主に「チームの目標」の内容が影響されると覚えておきましょう。この士気を〝モラール〟とも呼びますが、モラールが高まることで凝集性も高まり、集団への価値を感じてチームが安定していきます。士気の高まりにおいても選手を動機づけ、競技での個人やチームのパフォーマンスに影響していると言われています。

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