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サーフボードの取扱説明書

①サーフボードデザインの目的

サーフボードデザインの目的は、波に合わせる事にある。

波に合わせる為に重要な二つの要素

・波に乗り遅れない事
・波より速く行かない事

波に合わせる為に必要な事

ターンをして、パワーゾーンを繋ぐ。

波に合わせる為に求められる性能

サーフボードに求められるのは、ターン性能


②アウトラインカーブ

アウトラインカーブは、サーフボードの外周のカーブの事。

アウトラインカーブで変わる主な要素

ターンのし易さ
水はボードのレールカーブに沿って流れる。
水がボードの最も広い部分を通過するとボードが回転する。

デザイン例

アウトラインが直線的
→ドライブはし易いが、ターンはし難い。
アウトラインが丸い
→ドライブはし難いが、ターンはし易い。
※レールが入った状態で、どれくらいの回転半径があるのかを理解する必要がある。水に対してボードのレールを立て、押してみる。

③ロッカー

ロッカーとは、ノーズからテールまでの反りの事。
ロッカーがあればあるほど曲がりやすいが、フラットの状態だと抵抗が大きくなる。

車で例えてみる

トラックとスポーツカー
ロッカーが大きいと、パドル時はトラック(抵抗が大きい)で、ライディング時はスポーツカー(抵抗が小さい)となる。
ロッカーは、邪魔にもなるけど武器にもなると覚えておく。

デザイン例

ロッカーが大きい
→スピードが遅い(横へは遅い、ターンの上下は速い)が、掘れた所に近づける。
ロッカーが小さい
→スピードは速いが、ひっくり返りやすい(水の抵抗を受けやすいから)
テールロッカーが大きい
→機動力は上がるが、スピードが遅くなる。
テールロッカーが小さい
→機動力は下がるが、スピードが速くなる。

④レール

レールが入ると加速する場所をレールと呼ぶ。
ノーズ側はエントリー、テール側はエッジと呼ぶ。

レールを理解する為に重要な二つの要素

「形状」と「厚み」
「形状」
→ボキシー、ハイレール、ミッドレール、ローレール
水に沈めた時のボールの大きさで考えると分かりやすい。
レール形状
丸いもの=回転しやすく水を吸いつける性質がある。
傾けたままホールドできるので、ターンがし易い。
四角いもの=転がりづらく、水を離す性質がある。
フラットになりやすいので、リリースしやすい。
丸いレール
スピードとルース感。滑らかで反応が良い。
四角いレール
水に入り込みづらい。傾けが困難。横へのスピードは出やすい。
レールの厚み
薄いレールは沈みやすく、厚いレールは浮きやすい。

⑤ボリュームとフォームの配分

理想のフォーム配分

ターンでレールを入れやすく、トップでリリースしやすいもの。
扱いやすいボードが理想。

パフォーマンス性の高いボード

バランスが良く、重心が明確なもの。
ただ、繊細で扱いが難しい。自分のレベルが上がれば上がるほど、波に合わせやすくなるのも事実。

ボリュームによる違い

ローボリュームだと敏感で、ハイボリュームだと鈍感になる。

⑥フィン

フィンの目的は、ボードを持ち上げ、水を効率的に流す事。
サーフボードにおいて最も抵抗の大きいパーツである。

フィンの性能を決める三つの要素

フォイル(厚さ)
カント(開き具合)
レイク(傾斜)

フォイル

水滴の形をイメージしている。
フォイルが厚いと持ち上げる力は増すが、スピードが落ちる。
フォイルが薄いと持ち上げる力は減るが、スピードが上がる。

カント

カントが大きい(外側に広がっている)とターンが敏感になり、カントが小さい(内側に狭まっている)とスピードが速くなる。

レイク

レイクが大きい(傾斜が大きい)とスピードが速くなり安定するが、ターンはしにくい。
レイクが小さい(傾斜が小さい)と不安定だがターンはし易い。

自分のレベルに合ったフィンを選ぶ

フィンが大きければ大きいほどドライブするが、トップターンでリリースし難くなる。
波が小さい時
推進力が欲しいし、加えてスピードが出にくいから、大きいフィンが良い。
波が大きい時
波が大きくなればなるほど、小さいフィンが良い。波が大きいと、波に力があってスピードが出るのでレールが入りやすく、安定する。なので、なるべく抵抗を減らしたいから、小さいフィンが良い。

⑦テール形状

テール形状は、直進性やターン性能に影響する。

テールのアウトライン

アウトラインが大きいものはターン性能が高く、アウトラインが直線的なものは直進性が高い。

テール面積

テールの表面積が大きいと直進性が良く、安定性が上がる。
幅が狭いと、パワフルな波でのコントロールが良くなる。

デザイン例

スカッシュ、スクエア、スワロー、ダイアモンド、バットウィング、ラウンド、フィッシュ、ラウンドピン、ピン

ボトム形状

ボード下の水流
傾けやすさに影響する。

デザイン例

フラット
小さく厚めの波向け
スピードが上がるとターンし難い
コンケーブ
ボードに沿って水が流れる
素早くレールが反応するようになる
チャンネル
効率よく水が流れる
推進力が上がる
Vee
エッジにボードを傾けやすくなる
例えば、下が三角形のものを机に置くと考えてみる。

QA

・車に例えると、ショートボードは乗用車でミッドレングスはマイクロバス
・靴を変えても足は速くならないように、サーフボードを変えてもサーフィンは上手くならない。
・ストックボードはシェイパーの基準が並んでいると考えて良い。
・前の手はハンドルで、後ろの手はアクセル。
・より波に乗りやすくするために、ボードには様々なモデルがある。路地でフェラーリは運転しにくいよね。
・スカッシュには潰したという意味があり、スカッシュテールはアウトラインを幅広く持ってきて、最後に落としている。スクエアテールはナチュラルカーブを最後に落としている。