スーツとセットアップ、ジャケットの違いを徹底解説(前半)
メンズドレスファッションで外せないアイテム『ジャケット』について今回は考察していきます。
疑問に思ったことがある人も多いかもしれませんが、
『スーツの上着をジャケットとして単体で着ることはいいのか?』
『スーツと言ったり、セットアップと言ったりするが何が違うの?』
ということについて考察していきたいと思います。
ジャケットを着るときに、この違いを押さえていることがお洒落の土台になると思います。逆にここがずれてしまうと、いくらいいものを買い揃えてもなんか違うなと思われてしまう危険が高いです。
是非、最後まで御覧ください。
1. スーツの上着をジャケットとして単体で着ていいのか?
こちらの結論としては、使えるスーツもあるが、基本的には使えないと思っておきましょう。
ディティールや素材などの作りの違いによって異なるので絶対に使えないということはないのですが、ほとんどのスーツは使えないものが多いです。
また合わせるパンツによっても使える場合や、ブランドイメージなどから使える場合もあるため、線引きは完全にしっかりあるというものではないです。
違いを見極めるポイントを解説していきます。
2. ジャケットのどこを見ればいいのか?
スーツの起源は、ヨーロッパ貴族のモーニングといった燕尾服をラウンジでリラックスするために短くしたものとなります。
その後、日常の遊びのためにより使いやすくカジュアルに進化していったことでジャケットという上下別で着る文化が生まれてきました。
画像引用:BOTTONE
2-1. ポケットの違い
わかりやすいポイント1つ目は『ポケット』です。
基本的なジャケットは腰回りに左右1つずつ、左胸に1つポケットがついているものが多いと思います。スーツのポケットは画像の右にあたります。
フラップポケットといってポケットの上にフラップと呼ばれるごみ除けの役割をしているふたのようなものがついており、ポケット全体は見えない作りになっています。
少し脱線しますが、フラップはごみ除けなのでお呼ばれした家などに入る際には中に入れて、あなたの家にはゴミがあるとは思ってないですよと、することがマナーだという話もあります。
一方、カジュアル化が進むとどうなるか。画像の左が参考になります。
ポケットはアウトポケット、パッチポケットと言いまして、外に縫い付ける形でつけられます。ドラえもんの四次元ポケットのようなつき方です。ブレザーなどはアウトポケットの上にフラップをつけたりしますが、つまりスーツデザインとカジュアルデザインの間をとっているようなイメージです。
スーツから離れてカジュアル化していくと、胸ポケットもアウトポケットになったり、右胸にもポケットがついたりします。
2-2. 袖口の違い
『袖口』のディティールにも違いが出やすいです。
スーツの袖には、ボタンが基本的には3つから4つついており、本切羽と言われる実際に開けることのできる作り、または、開き見せという実際は開かないようなデザインがあります。
こちらがカジュアルなっていくとボタンの数が減ったり、逆に増えたりします。
例の写真のように、右のナットボタンですとスーツの作りになります。ボタンを左のようにメタルボタンにするだけでカジュアル度は上がります。
画像引用:BigHand
更にカジュアル度が上がると、上記画像のような開き見せの部分が筒と呼ばれる開かないデザインに、ただボタンがついているだけのようなデザインになったりします。
スーツでは筒の袖のデザインになることは、まずありません。筒のデザインのジャケットを打ち出すブランドは例えば、日本の代表できなモードブランドでもある『COMME des GARCONS』などが提案していることが多いです。
2-3. 副資材の使い方
次に重要なポイントは、『副資材』の使い方です。
画像引用:SARTO KLEIS
スーツの作りは、表地と裏地はイメージしやすいかと思いますが、加えて副資材と言われる素材によって作られています。
表地と裏地、副資材をガッツリ使っているとよりスーツとしての作りになり、あまり使わないもの、最近では表地だけで作られるジャケットなどもありアンコンジャケットと呼ばれますが、それらがカジュアル度の高いジャケットと言えます。
いいスーツを見極めるポイントとして副資材の使っている量があげられることは多く、見えない部分にこそこだわりが感じられます。
全て副資材が入っているものをフルキャンバスと呼びますが、副資材が多いほど、形崩れしにくく、立体的でエレガントな雰囲気を出しやすいです。そこがスーツとしてのジャケット感を高めます。
裏地に注目すると、全体に裏地を貼る総裏というものがある肩周りや背中の一部にだけ貼っているものなど、裏地のとり方でも様々あります。ここでは詳しく裏地の貼り方にはとり上げませんが、よりスーツ感を強めたり、エレガントに見せるならば総裏をお勧めします。裏地が入ることで外から見たときも張りが出てきれいに見えるのです。
一方で、日本の気候は湿度も高いので裏地はない方が適しているという意見があることも事実です。
長くなってしまいましたので、続きは後半として記事にしたいと思います。
こちらからどうぞ
スーツとセットアップ、ジャケットの違いを徹底解説(後半)
後半は『素材の違い』や『織り方の違い』についてまとめていきますので、是非ご覧ください!
最後に
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画像引用:Instagram