スーツとセットアップ、ジャケットの違いを徹底解説(後半)
今回は『スーツとセットアップ、ジャケットの違いを徹底解説』の後半戦として書いていきます。
前半では、ディティールの違いとして解説させていただきました。
後半では『素材の違い』『織り方の違い』についてまとめていきます。まだ前半を読んでない方は是非、以下のリンクから前半もご覧くださいね。
スーツとセットアップ、ジャケットの違いを徹底解説(前半)
1. 素材の違い
画像引用:DIFFERENCE
スーツの素材の基本はウールになります。ウールと聞くと冬のイメージをする方もいらっしゃるかと思いますが、ウールは仕立ての違いによりオールシーズンはまる素材です。特にスーツという衣服ではウールはかなり優等生な素材といえます。
スーツはウールをベースにシルクや化学繊維などを足してくことが多いのですが、スーツとしてウールを使うことのメリットは、復元性の高さです。
ウールは伸ばされたりなど、力が加わった際に元に戻る力が強いために、パンツで膝の跡、膝が抜けるとよく言うのですが、座りジワなど跡がつきにくいという利点があります。シルクやリネンなどデリケートな素材を混ぜることで、ドレッシーな雰囲気が出たり、そのブランドイメージなどから独特の雰囲気を出すことができるのですが、復元力は下がるためスーツのように上下セットにすることに向かなくなっていきます。
スーツを作る際に考える点として、パンツのことも必ず考えて作られているので着目してみるとこれも面白いです。
2. 織り方の違い
次は生地の織り方の違いについて紹介します。
スーツとセットアップの違いとして『平織り』と『綾織り』が特にわかりやすいので紹介します。
画像引用:GINZAグローバルスタイル
生地は基本、経糸(たての糸)と緯糸(よこの糸)によって作られています。
『平織り』は経糸と緯糸が一本一本均等に編まれているもので、経糸と緯糸は均等に表に見えて、隙間が多くできる編み方といえます。
ザラザラした質感になることから、カジュアルなデザインに沿った生地といえます。
それに対して『綾織り』は、経糸2に対して緯糸1の割合で編んでいきますので、経糸が多く表面に現れます。
隙間が少なく密度が濃くなり、つるつるとして光沢の生まれる生地の織り方です。
そのため、スーツに適しており、ドレスな雰囲気を作ることができます。
織り方がどうなっているかを注目してみると、ファッションがもっと楽しくなるかと思います。
3. スーツとセットアップの違い
違いを簡単にまとめると以下のようになります。
単純にセット売りか別売りかでは判断が難しいのも実際ありますが、多くのセレクトショップやスーツを扱うお店では、スーツで着るべきものとしてセット売りしかしないように販売しているブランドも少なくありません。
カジュアルなセットアップは近年ではビジネスシーンでも重宝されますし、カジュアル色の強いジャケットは、デニムなどとの相性はとても良くなります。
スーツのジャケットとカジュアルなパンツを合わせてしまうと、『ドレス』と『カジュアル』という正反対のアイテム同士の組み合わせからバランスが悪くなってしまいます。
デニムやカーゴパンツなどカジュアルの中心的アイテムとジャケットを組み合わせたい場合は、ブレザーなどメタルボタンのアイテムや、異素材のカジュアルに作られたジャケットを組み合わせると、バランスが取れてコーディネートの雰囲気がワンランクアップしますので是非お試しください。
近年では歴史あるドレスブランドからも、セットアップラインを販売するなど、ビジネスシーンの服装も変わってきていることから、ニーズはどんどん上がっています。
Instagramでジャケットやスーツのコーディネートも配信していますので、是非そちらもフォローいただけますと幸いです。
画像引用:Instagram
【最後に】
スーツ、カジュアルジャケット、セットアップの違いをおわかりいただけたでしょうか。
どのアイテムも着方がとても大切で、メンズドレスファッションをする上では欠かせないアイテムだと思います。
第一歩として基本的な概要を解説させていただきました。
別の記事で、更に細かい部分など解説したいと考えていますので、是非ご期待ください。
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