幹細胞の卵巣機能改善
月経血幹細胞臨床研究会コラム
幹細胞による卵巣機能改善作用
月経幹細胞は、他の間葉系幹細胞と同様に多能性、高増殖性の特徴を有しています。
この細胞は間葉系幹細胞マーカーを発現し、in vitroで増殖し、培養表面に接着します。
Wangらは、月経血幹細胞の静脈内注射が、細胞増殖を促進することにより、卵巣の損傷を修復し、卵巣機能を改善することを実証しました。
また、月経血幹細胞の移植により、エストロゲン、インヒビンA、インヒビンB、AMHなどのホルモン値や、FSHレセプターなどのホルモン受容体が増加し、卵巣サイズの増大も認められました。
これらの細胞の修復作用は、パラクラインメカニズムと高レベルのFGF2の発現を介するものと考えられています。
月経血幹細胞移植は、卵巣不全治療に効果的で新しい方法を提供する可能性がありますが、様々な幹細胞による卵巣機能改善作用は多くの文献で示されています。
参考までに・・・
出典:Reprod Sci. 2021 ;28(6):1688-1696.