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月経血幹細胞ってがん化する?

月経血幹細胞臨床研究会コラム



月経血幹細胞のがん化についてはどうですか?

 
月経血幹細胞は自己再生組織である子宮内膜に豊富に含まれているため、
採取には物理的な侵襲を伴わずとても優れた細胞源としても知られています。

ただし、癌化つまり腫瘍形成性については気になるかと思います。

今回は、2018年に報告されたYanli Liuらの文献からご紹介させて頂きます。

この報告では、月経血幹細胞の腫瘍形成能を測定するために、
月経血幹細胞投与ヌードマウス群と
PC12細胞投与ヌードマウス群に無作為に分けて、

1x10^6cellずつ腋窩への皮下注射が行われました。

腫瘍形成は、それぞれ1、2、3、12週の時点で記録されました。

結果的には、

月経血幹細胞には腫瘍形成能がほとんどない

ことが判りました。

PC12細胞を投与したヌードマウスは、1週間後に腫瘍が発生し始め、その後、腫瘍は継続的に成長し、最終的に12週目にマウスは死亡しました。

一方、月経血幹細胞を投与されたヌードマウスに異常は見られませんでした。

他にも、腫瘍形成性が見られたという報告はありません。
気になるポイントかと思いますので、ご紹介させて頂きました。

参照:J Cell Mol Med. 2018;22(3):1627-1639