友人のためにできること
2019年の1月、私は急性肝炎に罹ってしまい1週間入院生活を送った。その時に私の隣のベッドに入院していたのがイラン人の女性だった。
名前がカタカナだったのと看護師さんとの会話がカタコトだったので、始めはフィリピンか東南アジア系の人かな?と思っていたが、話しかけてみたらイランの人だと言うことがわかった。私よりちょっとお姉さん。
彼女が入院していたのは十二指腸ガンの摘出手術のためだった。数年前から大腸ガンと十二指腸ガンに罹っており、大腸の切除をしたため現在は人工肛門を付けて生活をしている。
彼女とはそれ以来の友人で、LINEで長電話をしたり色々な話をしたり彼女の家に遊びに行って色々な話をしている。時には彼女の相談役になることもある。
彼女は18歳で一人、バグダッドからから日本に来た。若い頃はイランイラク戦争が起こり、目の前でミサイルの爆破で人々が亡くなって行く光景を目の当たりにしたらしい。悲惨だったと聞かされた。
彼女は言う。
イスラム教に戻る気なんて全然ない。
ラマダンも、ヒジャブもやってらんらい。
日本で自由に過ごしていたい。
日本がいいと笑。
彼女には息子が2人いるが、他の家族は亡くなっており、そのため頼る人があまりいなく1人で暮らしている。息子たちは事情があって離れて暮らしているようだ。
さて、彼女は現在十二指腸のステージ3のガンと胃ガンを繰り返しては手術で摘出するという治療を行っているが、何度手術してもどんどんガンが大きくなるという状態で2ヶ月おきに摘出している。
8月にガンの摘出がうまくいったかどうか1人で医師に聞きに行くのが怖いと言うので、私が一緒に立ち会って内容を聞いたりもした。
しかし、今回肺に黒い影が見つかったのでその検査をしている。最悪、肺に転移しているかもしれないとのこと。
私が友人にできることは限られている。
彼女を励ますこと。
彼女を笑わせること。
困った時に助けること。
適当な意見を押し付けないこと。
くだらない話しをすること。
こんなのでいいのかなーと思う時もあるが、彼女は私のくだらない会話で大爆笑してくれるので、できるだけくだらない冗談を言うようにしている。笑ってくれるだけで嬉しかったりする。笑うって免疫力上がるし。大切だなって。
彼女はまた10月に手術を受ける。
その前に会いに行って少し笑わせてこようかと考えている。
彼女が少しでも幸せでいられるなら、いつでも笑わせてあげようかな。
なんてね。
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