ゴミの分別に迷った話

食品レジの近くには、お客様がゴミを捨てれるように40ℓ程度入るゴミ箱を2個ほど設置してある。
昔は同じ物を5〜6個設置していたのだが、トイレの汚物入れと勘違いされているお客様がいたらしく、従業員の目が届かない位置にあるゴミ箱に使用済みのオムツやウ○コの付いたズボン、使用済みナプキンなどが捨てられていたため、そのようなお客様に正しい捨て場所をご案内できるよう従業員の目が届く位置に移動させ数も減らした。
そのおかげかトイレの汚物入れと勘違いしているお客様は居なくなったようで今では通常のゴミ箱としての役割を果たしている。
そんな平和な環境になった今でもゴミ回収をしてると思い出す出来事がある。

お客様は、分別をして捨てるということはしないので私たち従業員がゴミ回収時に「燃える」「燃えない」「埋め立て」などに分別をしていく。
その日もいつもの様に分別をしていると、一枚のDVDディスクが出てきた。
(裏面しか見えてなかったので見つけた当時は鳥除けディスクかと思った)
こんな物をわざわざ店に捨てるなよ…と思いながら手に取り何気なく表を見るとそこには霰もない女性の姿が写っていた。
紛うことなき18禁DVDだ。
初めて見るアダルトDVDに驚き、ここまでどうやって持ってきたのだろう?わざわざお店に捨てにきたのはなぜ?ゴミ箱へ捨てる瞬間どんな気持ちだったのだろう?などなど…様々な疑問が浮かび上がったが、元の持ち主の心情を考えても解りはしないので、とりあえずコレの分別は何が正しいのかを考えることにした。
ある意味で燃えそうな物だが、きちんと地元自治体が出している分別方法に合わせなければ怒られてしまう。
内容を見ていないし、勝手に燃えるなど決めつけるわけにはいかない。元の持ち主は、燃え上がる事ができなかったために捨てたのかもしれない。ならば、やはり燃えないゴミなのだろうか?
そう冷静に考えながら、先輩に尋ねた。

「コレって燃えないゴミですか?」

先輩は答えた

「いや、燃えるゴミだよ」

そうか…。燃えるゴミなのか...。
私はそっとDVDの表面が見えない様に燃えるゴミへと入れた。

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