人は声だけで恋に落ちるのか
先月末にDabelという音声配信アプリでのオンライン上のフェスが行われた。
それぞれの参加者が
それぞれ好きなタイミングで番組を立ち上げて、
好きな番組を生で聞いたり、
参加したりしてそれぞれが楽しむ。
綿密な企画がある番組もあれば、
ただお話しするだけの番組もある。
(Dabelは、リスナーが番組オーナーにリクエストする・またはオーナーが招待すると登壇して音声会話ができて、何人もでお話しすることができる)
はたまた、
フェスだけの特別番組を立ち上げる人もいれば、
いツモ通りの時間にいつもの番組を立ち上げる人もいれば
参加者としてだけ参加する人もいる。
という、とっても自由で充実した二日間でした。
その中の企画で、
「人は声だけで恋に落ちるか」をテーマにした企画を作られたチームがいた。
内容としては、
お顔も出さない、
年齢も出さない、
声以外わからない状態にして、
1人の男性が5人の女性とお話しして、
その中から恋に落ちた人に告白するというものだ。
ご縁あって私も女性側の一人として
参加させていただいた。
(私、非常に人見知りで奥手なので、あんまりこういう突発的な恋愛企画向きじゃないのだけれど、ご紹介で推薦いただいたので記念参加しておりました)
残念ながら、わたしの好みの声ではなかったので、
わたし自身は恋には落ちなかったんだけれど(笑)
裏番組でお話ししてたしほりんさんや、
懇親会で皆さんと話していて
いろいろなるほどなーと思ったので、
こうしてノートに残すことにしました。
声だけで恋に落ちる
まずこの大前提を考えてみる。
おかげさまでDabelに大ハマりしているおかげで、ここ数年にないぐらいのいろんな声を男女問わず1週間くらいで聴いているので、たくさん観察してて感じたんだけれど、
声には、
出ていく声と
受け止める声があるなーと思う。
出ていく声っていうのは、
ハリのある声であり、主張する声。
いわゆる引っ張っていくリーダーの声。
受け止める声というのは、
音よりも息の方が少し多い目の、
落ち着いてしっとりした声。
こちらはリーダーで言うならサーバントリーダーの声。
という感じ。
もちろんこれは、バランスの問題なので、一人の中に両方あるし、50:50の時もあれば100:0の時もあるってかんじ。
さらに声の高低差くらいで分類分けしたらマトリックスの構造にできるかも。
ちなみに、わたしの場合、
基本は受け止める声が多いけど、
お客さんと話して熱くなってくると声が張ってくる。
だから、やっぱり100%確定でこの人は
だから、受け止められたいって思ってると受け止める声が好みだし、誰かについて行きたいって思ってる人は、ハリのある声の方が好みじゃないかなと仮説として感じてます。
さらに、声ってやはり
その人の自信や自己不振や、
外に出ていく性格だったり内向的な性格だったり、
いろんなものが情報として滲み出てる。
そしてその滲み出てるその人の性質を許容できるかどうかで、好みの声になりうるかが決まるのではなかろうか。
たとえば自己受容ができていなかろうと、
たとえばオラオラだろうと、
たとえば内向的だろうと、
あるいは3つすべての情報が声として発せられていたとしても、
「そんな人もいいよね!わたしは好き!」って思っていたら、少なくとも好感を抱く。もしくは嫌悪感を抱かないのではないかなと感じた。
(上記三つが悪いというわけではないです。念のため)
あとは、
自分の呼吸のタイミングと
相手の呼吸のタイミング。
間合いって言葉もあるし、
呼吸を合わせるって言葉もあるから
オフラインでもめちゃくちゃ大事なんだけれど、
やっぱりめちゃくちゃ大事だなって思ったのです。
もちろんオンラインの場合は、電波の関係でズレてしまったりすることもあるから、一概に合わないと言うのも難しいんだけれど、
例えば話していて、次の話題をお互い同じタイミングで発言しちゃって「あ、すいません、聞こえませんでした」みたいなことが数度あると、「合わない感」を感じるなーってなる。
話すスピードだっり、
間をどれくらい取るかだったり、
沈黙をどれくらい許せるかだったり、
そういう細かいけど無意識にやってる部分が
この、「合うか合わないか」には効いてくる。
この無言の部分がもともと合う人だったら無条件で好感が持てると思う。
そして、もう一つ。
この「間」のコントロールをして、自分の間合いに引っ張れる人も、モテる人だと思う。
話術が巧みだったりする人や場を掌握する人というのはたぶんこれで、
「ねえ聞いてー!」
って声を上げると、
なあにー?って帰ってくる。
本来自分の間合いじゃなくても、その人のペースに押されてそのペースでお返事する。
これを苦痛じゃないレベルでできる人。
(苦痛を伴うほど強制力が働くと、一時は盲信的に熱狂するけれど、最後は疲れて離れてしまう)
というわけで、
例え声だけの情報だったとしても、こういうたくさんの情報を拾っていて、だからこそ合う人は当然引き合うだろうなーと思います。
まあ、声が超絶好みだったとして、
お顔が超絶好みじゃない場合も往々にしてあるのでその辺がね。
その先につながるかどうかはわかんないですけどね(笑)
昔の声優さんの、アニメのキラキラしいイメージからの現実を突きつけられたとき、わたしは何度か失恋しましたよ(笑)
(今の声優さんはお顔も含めてアイドル的になってきてるし、最初からお顔が出る前提でお仕事されてる方が多いからそこまで違和感感じないことが多い気がしてる)
さらにおもしろい企画にするためには
今日の懇親会で、お話ししてた二村ヒトシさんが、
この番組のときだけ、参加する女性が匿名で、いつものアイコンではないアイコンにすると、おもしろいよね
という旨の発言をされていて、
なるほどなーと思った。
恋に落ちる側の男性
誘惑する側の女性
という設定にした場合、
たとえば誘惑する女性が
「誰かわからない女性である」
という状態にしておくことで、
聞いているリスナーの人も
(あ、この人はもしかして○○さんの声かしら??)と推理して、番組そのものに意欲的に参加することになる。
そうすると、もっとよく声を聴こうと思って女性の声に集中する。
そこで、「あなたの声って結構好みです」なんて言われたらキュンとするに違いない。
匿名にした上で「誘惑する」設定にしてみると、もうちょっと大胆なことも言っちゃうかもしれない。
こんなかんじで、女性の立場(ダベル上でどんな会話をしている人)が分からないようにしておくと、それだけでエンターテイメント性が上がって面白くなるんだなーと、たいへん新鮮にお話を聞いていた。
声で恋をしたい男女なのだから、
「好きなセリフをそっと囁いてみてください」なんていうゲームっぽくしてそれぞれの声を聴き比べたりしてもいいかもしれない。
なんて、
企画を練り込んだら
とてもきゅんきゅんする番組ができるんだろうなーと思ったのでした。
(リスナーとして聞いてた人みんなが、好みだった声の人に声をかけられるようにすると、もしかしたらさらに恋の可能性が増えるかもなーとも思う。でもこの企画はリテラシーがどれくらい高い状態を維持できるかっていうのがとても大事なので、その辺は今はクリアしてる前提での企画です。)