好きな人は既婚者です①-1〜彼との出会い〜
世間一般からみたら、彼は醜く、最低な人間なのだろうか。そんなどうしようもない彼を好きな私は歪んでいるのだろうか。
私の好きな人は既婚者だ。
婚活・恋活パーティーに来た彼に私は一目惚れをした。
貴方をすぐに好きになった。
3回目にあったとき、バツイチで7歳の子供がいる、別居していると教えてくれた。
それでも、私は好きだった。
だが、土日会えないことや、仕事が終わっている時間帯に電話をしても出ないこと、一緒に写真を撮ってくれないことに不信感をいだいた。
決定的だったのは、私が「付き合って」と言ったときに喜んだ顔よりも困った顔をした。すぐに「いいよ」って言ってくれなかった。
彼は離婚していなかった。「愛人でもいいよ」といったら「ごめんね、離婚していないんだ。」と言った。
直ぐには受け入れられなかった。またかと思った。私はこうやって既婚者を好きになるのが2回目だ。なぜ、いつもそうなのか。
彼を責めたくはなかった。彼は彼の理由があって、今の彼がある。私の知らない苦しみを抱えて生きている。だから、私は好きだから、彼を受け入れるしかないんだとおもった。あの日、「この世界を愛する」と誓ったから。どんな困難も苦しみも、辛さも、負の感情全てを愛し、許し、受け入れると。
数分経ったとき、自分に対して誓ったことが思い出されて私は彼を愛したい。愛そう。と思った。
それから程なくして、生後3ヶ月の赤ちゃんがいる(彼の引き出しの中をこっそりとあけてしまい、)ことが後からわかった。
夜の8時に仕事が終わっても22時頃電話に出ないのは、家に帰って家族と会っているからだ。それでも、夜ご飯を一緒に食べてお泊まりできる日があるのは、もう夫婦関係が終わっているからだろう。
子育てはどうしているのだろうか。
42歳の彼は今後どう生きていきたいのだろうか。
冷え切った夫婦関係を子供の前だけ誤魔化して、仮面夫婦を演じる家庭を彼は維持したいのだろうか。
それで幸せなのだろうか。
5年後、10年後、彼はどう生きるのだろうか。
彼は何を望んでいるのだろうか。何が欲しいのだろうか。
私は世界で一番彼を愛している。