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古文書解読コンテストの話

10/5に第一回:古文書解読コンテストがスタートした。
去年から企画を作り始めていたので、ようやくスタートできたという感じなのだが、デジタルアーカイブの準備と、Webサイトの制作と、プレスリリースと、イベントの準備と、とかやっていると、直前の1、2ヶ月はなかなか慌ただしかった。
ITの業界にいた頃はコンスタントにリリースを行っていたので、なんか久しぶりに当時の感覚が蘇ってきてエモい気分になった。リリースの時にカウントダウンをしてウェーイとみんなで盛り上がる感じっていうのは、他の業界ではあまりないことなのかもしれない。
今回はフリーランスとして初めてのサイズの大きなリリースなので、色々と新鮮だった。一人で全体を見ながら手も動かしてとやっていると、細々とした雑務で時間が溶けていく。これは映画を作る感じと似ている。時間をかけて細部のクオリティを丁寧に積めていく。ちょっとした一言の違いで、クオリティは容易に乱高下するから気が抜けない。プレスリリースはマスコミに対するエンタメだし、イベントは軽い演劇みたいな感じだ。ただ、そこまでのクオリティや芸術性を積める必要はないので、割とサクサクとこなしていける。終わりがきちんと見えるのがいい。
いい仕事ができると魂が安らぐ。ウェーイと一緒に盛り上がれる同僚はいないが、一人きりになった部屋で飲むビールがやけにうまい。それでいい。いい大人は発散せずに咀嚼するのだ。この咀嚼音は唄になり、踊りになる。僕はトンと足を着き、次にクルリと回る。カンッと足を蹴って、寝っ転がっているザンギリ頭の精霊を蹴っ飛ばすとキャンと言って。そしてまたクルリと回って、シャッとカーテンを開けて、月を指さす。月は何も言わない。ただ明るくて照らすだけ。そうだ、それでいい。この踊りを照らすだけでいい。

今回の事業で特別なのが産官学連携の存在だ。みんなで翻刻さんと、合同会社AMANEさん、長野県伊那市さんで、古文書解読コンテストのために連携協定の調印をしていただいた。
僕にとっては相談相手ができたのが大きくて、この連携協定にはとても助けられている。そもそもフリーランスになってから誰かに相談するということ自体がこれまでなかったことだ。10年以上フリーランスをやっているが、ネット検索とか書籍なんかを駆使して、依頼を受けた後で高速で勉強して一人でなんとかやってきた。なので、相談できるありがたさをとても感じている。確信をもって正解に近づいていける。決断しなきゃいけないことが無数にあるとき、それは本当に助かる。
みんなで翻刻さんも、合同会社AMANEさんも、これからの日本の未来を支えていく、すごく質の高いプラットフォーム&企業だと思うので、もっと注目され賞賛されるべきだし、古文書解読コンテストを通した活動でそれにひと役買うことができれば嬉しい。

コンテストがスタートしてからまだ2週間くらいしか経っていないが、たくさんの方々に翻刻をしてもらっていて、ありがたい限りである。驚くべきペースで翻刻完了の資料が増えていき、公開してから3日で182点のうちの123点が翻刻完了となった。
今、予定を少し早めて次の資料を準備していて、間もなく投入の予定だ。
次回は内藤家400点の大量投入となるので期待していて欲しい。
伊那市の資料には、大名家の古文書など、これまでみんなで翻刻さんにあまりなかったタイプの資料がたくさん含まれているという話なので、興味深く見てもらえると思っている。


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