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夏の花が好きなひとは、夏に死ぬっていうけれども、本当かしら。

きらきらした木漏れ日や季節の花、青くひろい空に興味を持つようになったのは写真を撮るようになってからだ。

写真を撮ることで小さなことにも気づいて夢中になれる。いつからか自分が生きている証として写真を撮るようになった。

カメラが私の生きがいだ。



今日は新しい散歩道を見つけた。

台風が来る前で天気が少し荒れていたけれど、ここに着いた途端雨がやんだ。何か縁があるのか、そんな気がした。

ここの公園は時期によって色んなフルーツ狩りができるらしい。夏の終わりに行ったので葡萄や柿がまだ眠っている状態だった。

眠っているぶどうたち


少し奥に進むとピンクで鮮やかな色の百日紅の花が咲いていた。

私の心に花を咲かせるとしたら百日紅のような鮮やかな色がいい。

地味な私を鮮やかなピンク色で隠してほしい。そう思った。

「夏の花が好きなひとは、夏に死ぬっていうけれども、本当かしら。」

太宰治の好きな言葉だ。

「夏の花が好き」とかそういうのは、
私にはわからない。

だけどどうせ死ぬのならば
満開の桜の木の下で死ぬとかよりも
私は百日紅のような鮮やかな花に囲まれて死にたい。

百日紅、紫陽花、向日葵、ネムの木。
夏は鮮やかで派手な花が多い。

私は夏に生まれたから。結局。
夏が好きで、夏の花が好きなんだと思う。

「夏の花が好きなひとは、夏に死ぬっていうけれども、本当かしら。」

私に問いかける。

私はきっと夏に死ぬんだと思う。

百日紅の花



眠っている果物が目を覚まして葉が黄色くオレンジに染まった頃また散歩しようと思う。次は恋人と2人で季節を感じながら散歩したい。

生きるために写真を撮り続けて来年の夏まで生きてみよう。

この目で21回目の夏をみてみたい。

こころに花を咲かすなら夏の花にしよう。

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