家を建てる②
台風が過ぎ、辺りを見回すと被害がとても大きかった。
職場の周りも約2日停電し、近所の住人たちは関電を捕まえようと躍起になっていた。
というのも、混乱していたようでとにかく電話が繋がらない。車で巡回に来ている職員も必死に逃げ回って話を聞こうともしない。
まぁ、話を聞いても聞いても状況は変わらないので仕方がなかったのだとは思うが…
我が家の周りも、壁に瓦が刺さっていたり、ガレージのシャッターが全部剥がれてしまっていたり…屋根にブルーシートがかけられる家が増えていった。
そういう我が家も御多分にもれず屋根の上にシートがかけられた。
我が家のシートはブルーではなくちょっとピンクがかった透明なシートだったなぁ。
…とそれから約一年近くそのまま放置されることになった。
他にも被害を受けている家が多く、工事が立て込んでおり、我が家は後回しとなった。
その間にも保険の査定をしてもらったりしたのだが、声を大にして言おう!
JAはダメだっ!
毎月毎月ナン万も払ってきたというのに、「経年劣化」で片付けようとしたので、ひと悶着。
まず、我が家の立地もあったようだが、担当がきちんと決まっていなかった。
新社屋を建てるにあたり、JAも統合したようで、我が家はなんと各支店の境にあったようで、決まっていなかったと。
いやいやおかしいやろ(笑)
査定当日、思いっきり遅刻してきての第一声がこれだった。
で、査定が始まり、でた結果が「経年劣化」
をいをい…経年劣化で終わらせるなら、家を建ててるその時から劣化は始まる。
生まれたら劣化も始まっていくのだ。
それだったら、保険の意味がない。
もちろん古い家だった。保険で新築にしようなんて思っていない。
でも、さすがにこの金額はないだろう!と言うと、
「本部から再度査定に来ます」
と言って、帰っていった。
後日、
山登りでもいくのですか?
といういでたちのおじさんを連れて営業がやってきた。きちんと見て回ってくれて、
「あー。かなりの強風に煽られて屋根全体が持ち上がったんですねぇ。瓦だけ飛んだんじゃないですよ。これ。もちろん経年劣化もありますけど、それを差し引いてもこれはひどいなぁ」
と言われた。
そう言われると、経年劣化と言われても腹も立たない。
保険金額は納得のできるものではなかったが、周りのJAをかけている人たちに聞けば我が家はかなり出た方のようだった。
さぁ、この資金でしっかり補修してもらおう!
兄貴!早く大工さんをよこしておくれっ!(つづく)