見出し画像

日向坂の推しを決めなきゃいけない

物々しいタイトルで始まったが、私は推しを決めないといけない。

というのも、私は4月頭に開催される日向坂46のライブに行くからだ。

「4回目のひな誕祭」@横浜スタジアム。

自身が参加する初の野外ライブということで、かなりワクワクしている。


私は日向坂46のファン(通称おひさま)である。

それは上述の通り、ライブに足を運ぶことからも想像できよう。

私と日向坂の出会いは2019年に遡る。

その出会いについて仔細に語っても仕方ないのでここではおくが、私にとってそれまでアイドルは、観察対象でこそあれど興味を向ける対象ではなかった。

それが今や約4年の付き合いなのだから、人生分からないものである。


しかし、上記の経歴すなわち、アイドルに入れ上げてこなかった人生ゆえに、そして私の特質ゆえに、私はいまだにアイドルの推し方がいまいち分からない。

具体的に言うと、個別のメンバーを推すよりも、グループ全体を好む「箱推し」の要素が強すぎるのだ。

これは私が、具体的な個人を指して「あの子可愛いよね」みたいな話題になるとき、てんで話題についていけないこととも関係していそうだが、それはここではひとまずおこう。

私は、メンバーたちがわちゃわちゃしているのが好きだ。

だから、ライブも観るし、冠番組も観る。

しかし、個人との握手会やミート&グリート、メッセージアプリ、個人でのSHOWROOM配信、番組出演などには、ほとんど食指が動かない。強く推しているメンバーの場合でもそうなのだ。


いや、それが悪いことだとは思っていない。

同様に「箱推しです」という人がいたとして、その人に対してなにか文句を言うことはないだろう。

しかし、私自身、これで不都合を感じることもある。

一つは、「誰が推しなんですか?」と訊かれる場面。ツイッターなどを見て、私がおひさまであると知っている人からは、当然この質問が飛んでくることになる。

そしてそれに対し「いや、箱推しなんで……」と答えると、「こいつ、ハスってんのか?」と思われてそうで、私が個人的に引け目を感じる。

そしてもう一つは、上述の通り、ライブでのことだ。

推しメンがいないと、ペンライトをどの色にするかの指針がないのだ。


アイドルの現場においては、メンバーを表すアイコンや色が設定されることが多いと聞く。

そして例に漏れず、日向坂46においても、メンバーごとに「サイリウムカラー」が設定されている。

ファンはペンライトをその色にして振り、アイドルに対して「ここにファンがいるよ」と伝えるのだ。


私が初めて日向坂46のライブに参加したのは昨年の秋、横浜のぴあアリーナMMでのHappy Smile Tour 2022のことである。

(そもそも私が人生で初めてライブというものに行ったのが、高校時代に参加したフェスを除けば去年の2月のことだった)

その際に、多くのファンが、ペンライトを推しメンカラーにして振っているのを目にした。

それを見て思ったのだ。

やはりペンライトは、推しメンカラーにして振った方が楽しい、と。


ここまで書いてきて、前提を覆すようなことを述べてしまうが、私にも日向坂46における「推しメン」がいないわけではない。

1期生の影山優佳と、2期生の松田好花である。

前述のライブでは、彼女らの推しメンカラーにしてペンライトを振った。


しかし私にはまだ、3期生と4期生に、これといった推しがいないのだ。

だから前述のライブでも、3期生のみがパフォーマンスをする際に、ペンライトの色を決めあぐねてしまった。

それに今回、影山優佳は、体調の都合でライブを欠席することが発表された。また彼女は、9枚目シングルの活動をもっての卒業が決まっている。

このため私は、松田好花がパフォーマンスしない楽曲において、どのペンライトカラーにするべきか、今から心を決めておく必要があるのだ。


しかし、推しを決めることはとても難しい。

そもそも「箱推し」という道を選択した時点で、誰かをそこからあえて特別扱いするというのは茨の道なのだ。

それに、ひどい言い方になるが、私は自分がどうして影山優佳や松田好花のことを推しているのか分からないのだ。


それは、けやき坂46時代の「KEYABINGO!4」にて、地球儀を持って「すみません麻布十番ってどこですか?」と言ったモノボケが面白かったからかもしれない。

「欅って書けない」でのカラオケにおける「上げてけっ!」が面白かったからかもしれない。

「日向坂で会いましょう」の「おかえりカゲさん」回で、東村芽依から「私は猫です」と明かされたときの唖然とした顔が可愛かったからかもしれない。

それは、「バレエを踊りながら、やしろ優のやる芦田愛菜のモノマネで、芦田愛菜が言いそうもないことを言う」が面白かったからかもしれない。

髪型をショートにした直後の「ひらがな推し」における「「へのつっぱりはいらんですよ!」キン肉マンを習得しよう!」回にて、大活躍を見せたからかもしれない。

「ラヴィット!」にて、クイズに正解してしまい号泣したのが面白かったからかもしれない。

あるいは両者ともに頭が良く、周囲を活かすことも自分でゴールすることもできる特性を見てのことかもしれない。

しかし、肝心の、根本の理由は分からない。

推しは、バッタリと出会うものだからだ。


私は、迷っている。

日向坂46にかんしては、各期別に1人を努めて推そうと思っているのだが、推しが決まらずに困っている。

「推しメン」と書いたメンバーのいる期ですら、しょっちゅう「いやあ、この子面白いんだよなあ」と心移りしそうになることがしばしばだ。

3期生は、みんな魅力的でどうにも推しメンを決めきれない。

髙橋未来虹は応援したいし、上村ひなのと森本茉莉は面白いし、山口陽世は可愛がりたい。

4期生は、まだ情報が少ないなか、みんな魅力を発露させてくれているので、まだまだ推しメンを決めるのに時間がかかりそうだ。


せめてライブまでには推しメンを、「カソウスキ」でいいから決めたい。

ライブで、ペンライトを迷いなく振りたい。

ライブは、心置きなく楽しめてこそ、なんぼだと思うから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?