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【恐怖のいけにえ】この時代だからこそ制作できた傑作ホラー

・ホラーマニアックスシリーズ第13期で『恐怖のいけにえ』を鑑賞。もう滅茶苦茶に素晴らしい傑作ホラーでしたので、ついつい軽い感想だけでも書きたくなってしまった。

・全体的な雰囲気はこの時代に大量生産されたホラー映画そのものなのですが、今の時代じゃ絶対に公開出来ない設定が最高に最怖である。知的障害を恐怖の物種として描くなど現代ではご法度にも程があるが、これを一切の手を抜かずホラー映画として昇華してしまうのは正に時代の妙であろう。そしてシドニー・ラシックとスティーヴン・ファーストの名演がこの作品の魅力を押し上げたのは言うまでもない。

・監督であるピーターフォレグ=ダニースタイマンは作品数の少ない監督の様だが非常に巧みな演出者である。(同監督の新・13日の金曜日はそこまで印象に残っていないのだが…) 

・スクリーンの中でしっかりと今後の展開につながる伏線を幾重にも散りばめる丁寧さは見事だ。地下の存在を仄めかす床の扉、鶏屠殺と殺人を比喩したシーンでの斧、さり気なく部屋の壁に掛けられていたライフル、主人公ジェニファーの彼氏トニーの古傷、諸々の設定を無駄にする事なく映画の中で活かして一連の流れに含ませているのだから作品としてのストレス感は非常に少ない。終盤まではショッキングなシーンも控えめであり、焦らされる部分も多々あるのだがそれを吹き飛ばす程の異常なインパクトを最後に鑑賞出来たので文句のつけようも無い。

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