
否定
今日は否定する単語、そしてnichtの位置について勉強しましょう。
否定する単語
まずは、否定する単語についてざっとまとめてみたいと思います。
是非右側を手で隠しながら、元にある単語と反対の意味の単語を考えてみてください。
etwas ↔︎ nichts
jemand/alle ↔︎ niemand
irgendwo/überall ↔︎ nirgendwo/nirgends
schon/bereits ↔︎ noch nicht
schon (ein) mal ↔︎ noch nie
immer ↔︎ nie/niemals
(immer) noch ↔︎ nicht mehr/nie mehr
単語に否定表現を加えて、否定語を作る
では次に、単語に否定の意味を表す文字を足して、否定する単語にしていきましょう。大きく分けると4つに分類されます。
①des-/dis-/miss-
これらは名詞、形容詞、動詞を付きます。
das Desinteresse, disqualifiziert, missverstehen
②un-/in-/il-/ir-/a-/non-
これらは名詞、形容詞に付きます。
das Unverständnis, die Intoleranz, illegal, irreal, atypisch, der Nonsens
③-los/-frei/-leer
これらは形容詞の最後に付きます。
arbeitslos, alkoholfrei, inhaltsleer
④Nicht-
これは名詞の始めに付きます。
Nichtschwimmer
nichtの位置
ここまでは、これまでドイツ語を話す上で使っていた否定の単語や表現を、改めて整理し直してきました。最後は、更に高い頻度で使ってきたであろう、nichtの位置を改めて確認して、今日の勉強は終わりです!
nichtでその文全体を否定したい場合は、5つのチェックリストを使ってnichtの位置を決定しましょう。①の単語が文章中になければ、②、それもなれば③というように順番にチェックしていけば、正しい場所にnichtを置くことが出来ると思います。
① lokal (場所)を表す単語の前
War sie in China? - Nein, sie war nicht dort.
dort(=China)という場所を表す単語の前に来ていますね。
②前置詞、また動詞とコンビになっている前置詞の前
Sie diskutiert nicht mit mir.
mitという前置詞の前に置かれています。
動詞とコンビになっている前置詞(Präpositionalergänzungen)というのは、前回も出て来た、verlieben in, denken an, warten aufなどです。
③形容詞、 Modal(wie)を表す単語の前
Sie findet Missverständnisse nicht angenehm.
angenehmという心地よいという意味の形容詞の前に置かれていますね。
前回の記事でも出て来たModalというのは、少し難しいかもしれませんがので例を挙げると、
Ich glaube, den Film sehe ich mir nicht noch einmal an.
このnoch einmalというのがもう一度というModalに当たる単語なので、その前にnichtを置きます。
④2番目の文の枠の前
これだけ聞くと少し分かりにくいですが、例を挙げると分詞、不定詞、分離動詞といった、文の最後に置かれる単語の事です。
Ich habe das nicht verstanden.
この文章は現在完了形になっていて、verstandenが過去分詞ですよね。なので、nichtはその前に置かれます。
⑤文の最後
来ました、ラスト!前述の4つの単語がなかった場合はシンプルに文章の最後に置きましょう!
Ich verstehe das nicht.
これでnichtの位置は完璧です!
最後に補足。上の5つのチェックリストは文全体を否定したい場合でしたね。そうではなく、文の一部を否定したい場合は、否定したい単語のすぐ前に置きます。
Ich komme nicht heute mit, sondern morgen.
私は今日ではなく明日来ます。
来ることは事実だけれど、今日ではなく明日。heuteの部分のみを否定していますね。
Nicht ich komme heute mit, sondern meine Mutter.
今日来るのは私ではなく、私の母です。
今日来るのは事実だけれど、来るのは私ではなく私の母。つまりichの部分を否定しています。
終わりに
さて、これで否定の表現はばっちりですね。簡単なことでもなんとなく分かっているのではなく、明確に整理して頭に入っていると、それが自信に繋がりますよね。
登っている山の高さに愕然とする日もありますが、それでも昨日より今日、今日より明日と一歩一歩歩みを進めましょう。そうしたら、気付いた時には麓が見えなくなって、新たな景色が見えると信じて…!
今日は最後に簡単そうで簡単ではない問題を出して、終わりにしようと思います。
Leuteというのは人々という意味の複数形扱いをされる名詞ですが、ではLeuteの反対の単語は何でしょう?つまり、人という意味の単数扱いをされる名詞ですね。
答えは次回の記事で!
*記事の中で使用した例文は全て、Ernst Klett Sprachen GmbH, Stuttgartの "Aspekte neu Mittelstufe Deutsch" より引用しています。