【おすすめ海外ドラマ】すべての‘‘夢追い人’’に贈る『ケイティ・キーン』あらすじ/見どころ/キャスト
アメコミ原作ドラマと聞いて思い浮かべる作品は何だろうか?マーベル・コミックス作品だろうか?はたまたDCコミックス作品だろうか?
映画、海外ドラマとここ最近は、アメリカン・コミックスを原作とする作品が増えた。画面狭しと大迫力のアクションを繰り広げるスーパーヒーローたちの姿に胸躍らせているファンも多いことだろう。
しかしながら、アメコミ原作だからと言って、何もアクションやスーパーヒーローものばかりというわけではない。中には、特別な力も卓越した運動能力も兼ね備えていない普通の人々が主人公の作品も存在するのだ。そんな作品を多く世に送り出しているのが、アーチー・コミックだ。
実は、日本でも高い人気を獲得している青春ミステリー『リバーデイル』やファンタジー・ドラマ『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』と言った作品も、アーチー・コミックが原作である。そして、このTVドラマ界における「アーチー・コミック・ユニバース」には、ニューヨークでファッションデザイナーとしての成功を夢見る女性を主人公にした『ケイティ・キーン』という作品もある。
アーチー・コミックとは?
アーチー・コミックは、いわゆるアメリカの漫画出版社である。
1941年にデビューを飾った架空のティーンエイジャー、アーチー・アンドリュースを主軸に展開される「Archie」シリーズが現在まで続く長寿シリーズとして認知されている。現在のところ、日本での知名度はそこまで高いわけではないが、『魔女サブリナ』などの代表作は知っている人も多いかもしれない。
そんなアーチー・コミックがさらなる飛躍を遂げるきっかけとなったのが、2016年より米The CWで放送が始まった『リバーデイル』だ。
小さな町リバーデイルで暮らす主人公の高校生アーチーと仲間たちの日常を描きながら、リバーデイルに潜む健全な外見とは裏腹の闇にまみれた秘密を浮き彫りにしていく青春ミステリーである。
同作が大ヒットを記録したことから、世界観を共有する「アーチー・コミック・ユニバース」が形成され、2018年にはNetflixオリジナル作品として『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』が配信開始。こちらも全4シーズンが製作された。
そして『リバーデイル』、『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』に続く「アーチー・コミック・ユニバース」第3弾として製作されたのが、『ケイティ・キーン』である。
『ケイティ・キーン』とは?
『ケイティ・キーン』は、前述の『リバーデイル』のスピンオフ作品である。とはいえ、決して『リバーデイル』を視聴していなければ楽しめないわけではない。
同じ世界観を共有しながらも、しっかりとした単独作品に仕上がっているため、誰もが楽しめるストーリーとなっている。
物語の舞台は、夢の街・ニューヨーク。
摩天楼に囲まれ、世界中から‘‘夢追い人’’がやってくるこの街で暮らす主人公のケイティ・キーン(ルーシー・ヘイル)は、仕事に恋に大忙しの日々を送りながら、ファッションデザイナーとしての成功を夢見る普通の女の子。常に全力投球の彼女を中心とした若者たちが、ニューヨークでの成功を夢見て奮闘する姿を描きだした作品である。
すべての‘‘夢追い人’’に贈る海外ドラマ
本作は、一度でも何かを夢見たことのある人間ならば、大いに感情移入させられてしまうことだろう。
「‘‘夢’’があるけど生活のために違う仕事をしている」、「本当にやりたいことはこれじゃない」といったような毎日を誰しもが送っている。自分の‘‘夢’’に生きている人間なんて、ほんの一握りしかいない。
ケイティ・キーンも幼い頃から憧れていた高級デパートで働いているものの、本当にやりたい仕事というのは、ありのままの自分自身を表現できるファッションデザイナーなのだ。
そんな彼女の成功への軌跡を映し出しながら、ありのままの自分でいることの大切さを伝えるストーリーがとてつもない没入感を生み出す。
劇中で使われているファッショナブルな衣装や煌びやかなセットももちろん見どころなのだが、やはり登場人物全員が何かしらの夢を追いかけているというところに魅力を感じずにはいられない。
シンガーソングライターとしての成功を夢見るジョシーやドラァグクイーンの‘‘ジンジャー’’となり自分を表現するホルヘなど、ケイティを支える友人たちもまた夢を追いかけているのだ。
彼らが全力で生きている姿に、観ているこちらまでもが大きな影響を受け、「よし!がんばろう!」という気持ちにさせられてしまう。
まさに、すべての‘‘夢追い人’’に贈る最高の海外ドラマなのである。
主演はキュートな魅力を発揮するルーシー・ヘイル
本作で主人公ケイティ・キーン役に扮するのは、ルーシー・ヘイル。
大ヒットガールズ・ミステリー『プリティ・リトル・ライアーズ』アリア役で有名な女優である。
筆者は個人的にルーシー・ヘイルという女優が大好きなため、初めてメインキャストに起用された『バイオニック・ウーマン』から、そのキャリアを追い続けている。そんな筆者でも、とても新鮮な印象を受けたのが、この『ケイティ・キーン』である。
ルーシー・ヘイルという女優は、これまでどちらかというと、心に影を落としたような役どころを得意としてきたのだが、今回のケイティ役では、上司や同僚からの嫌がらせにも決してめげないひたすらにハツラツとした表情を浮かべているのだ。それでも相変わらず彼女本来のキュートな魅力は変わらず、非常に魅力的な演技を魅せている印象を受ける。彼女のファンなら絶対に見逃せないだろう。
彼女の親友ジョシー役に扮するのは、『リバーデイル』でも同役を演じた、アシュリー・マレー。
『リバーデイル』でも‘‘プッシーキャッツ’’の一人として安定のパフォーマンスを魅せた彼女だが、本作ではさらにその歌声に磨きがかかった圧巻の美声を披露。思わず聴き入ってしまうほどの魅力があり、あらためて彼女の才能に驚かされる。
役どころに関しても、ケイティと並行してストーリーの中心にいる人物で、視聴者の感情移入の対象となりうる存在である。
そのほか、トランジェンダー役を演じることに定評のあるジョニー・ボーシャン、DCドラマ『GOTHAM/ゴッサム』のジュリア・チャン、『インポスターズ 愛しの結婚詐欺師』のキャサリン・ナ・ラサなど、ベテランから若手まで全員が小気味よい存在感を発揮しているのが印象深い。
かつてニューヨークを舞台にした傑作海外ドラマ『ゴシップガール』や『アグリー・ベティ』が好きだったというファンなら、絶対にハマること間違いなしの海外ドラマ『ケイティ・キーン』。
仕事に、恋に、友情に、何事にも全力で取り組むすべての現代人におススメしたい素晴らしい作品である。
(文・構成:zash)