日記201227

午前中、引っ越し業者の方がきて、13時には荷物が運び出されて行った。チビは段ボールの山を散策したあと、空っぽの家を駆け回る。さて家を引き払おうという所で、眠ってしまった。1時間弱ほど抱いて寝かせておいてあげて、出発する。3年弱住んだ家も、もう戻らない。婚姻届を出した雨の日。妊娠が判った時、未来を描いて見上げた天井。チビが来た日。チビを抱いて見た窓の外の四季。もう2度と見ることはないのだ。最後に、お世話になりました、と玄関で声に出すと、少し感情が込み上げて声が掠れた。

子連れの引っ越しがここまで大変だとは思わなかった。子供が居ると荷造りに限界があるので梱包を業者に任せていたが、細かい判断が追いつかずチビのお世話品がいつのまにか業者に運び出されていた。手荷物も検討がつかず、チビの服をあるだけ持ってきてしまったし、1歳時用の食事がどこで手に入るか分からず全て持参しているのでとにかく重い。高田馬場ではスムーズに乗り換えできるエレベーターが見つからずベビーカーでグルグルと遠回りしたと思ったらどうしてもエレベーターの無い数段の階段に当たってしまい、少なくとも15kgはあるチビの乗ったベビーカーを1人で持ち上げていたら男性が助けてくれた。

その後は義妹宅へ。義妹は再婚したばかりで、働いたり、時に専業主婦になったりしている。ご主人の体調の事情で子供を作らない事を選択した。義妹の家は綺麗に掃除が行き届いていて、エスニックの小物が棚に等間隔でたくさん置いてあって、いい匂いがした。そんな中ぐったりとボロ雑巾の様になっている私達。

私は整えられた部屋で自分の好きな事が出来る義妹のことを羨ましく思う。けれど、義妹は自分の作ったご飯を美味しそうに頬張って、毎夜おやすみと手を振ってくれるチビが居ることに憧れているのも知っている。今夜はそんなお互いの環境をちょっぴり分け合った、幸せな時間だった。

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