2023/8/24 shibuya gee-ge.
1.あお
紙っぺらにぬりたくった あお ふかくふかい
大空にとりをとばそう うたをうたおう
おさかなが歩くみちは ながくながい それは
しおかぜのドレスをきた あの人のところまで
うまれたいろが ぼくをよんでいる
うまれたいろに とびこんだ
紙っぺらにぬりたくった あお ふかくふかい ぼくは
"かのうせい"のいろなんだと しってたみたいだ
2.絵本の中で
そっと ふと 思い出すような
あの日の僕の1ページを作るような
存在する誰かの話じゃないけど
それでも それでも心は “キミに寄り添いたい”
キミが空を操るなら世界にちょっと風が吹く
物語の主人公は息するみたいに 魔法かかったように
歩き始めた
見つけた海の向こうの世界に 走る光を僕は見たんだ
泳いで触れるかな? 人はきっとバカにするんだろう
見開きサイズの小さな世界にも
僕とおんなじを思った人がいるはずだから
もしかしてキミ? キミだったりするのかな
存在する誰かの話じゃないけど
それでも それでも いつかのキミを見ているよう
"キミを感じてたい"
キミが空を操るなら僕はちっちゃな鳥になる
雨上がりを告げるような脇役でいいから 魔法をかけてよ
絵本の中で
キミが描く世界終わる日に 雲間に光が 魔法が解けたら
キミに会いたい
3.立ち耳
2人で暮らすこの部屋には
足りないものがたくさんあるんだよ
1人分のコップとフォーク、丸いイスと四角い枕
どこで手に入れよう? 僕に似合うものは
君が見つけるよ 扉の先を僕にも教えて
いつか、2人で買い物に行こう 君の手を引くよ
ああ 来世は立ち耳でクールな 僕になってみせるから
丸いお顔のせい 「かわいい」と君は言うけど
今度は僕から 君の顔 撫でてあげるよ
ねえいつか、2人で旅に出よう 4つの足跡並べて
ああ 来世は立ち耳でクールな 僕になるからね
青い空、部屋で眺めるだけの 僕に足りないもの
立ち耳があればなんでもできるから
今世の間はただの猫でいさせて
来世は……
4.アーリオオーリオ
隣で小さく寝息が聞こえる生活 関係シンプルでいいよ
口ずさんだうたも 零れた本音も 漏らさずこの手で受け止めていたいから
ねえ あの日沈まずにいた夕陽が僕らを映すけど
もう君はまぼろしだ 下手くそな気持ちで どう手を伸ばせばいいか
あのパスタのような恋をして スパイスが欲しいとねだり過ぎた
辛くなり辛くなる僕達は アーリオオーリオみたいだね
脆くて儚い僕のハートが傷つかないように
「僕のこと 夢だったと思ってくれればいい」
なんて 台詞が欲しいんだ
いつかの味 もう思い出せず 味見は君に止められてしまう
まろやかに穏やかに暮らしても アーリオオーリオ
戻れない
思い描いたエンディング たった1/80ページに
それでもいい 当分栞を挟んでおくから
あのパスタのような恋をして 物足りなくなることわかってた
空腹を満たせない僕のこと 君は笑ったね
アーリオオーリオみたいだねと
5.僕の描く物語を
悪者のいない物語 ヒーローさえもいないお話
人は皆等しく 良い子に生まれるのだろう
丁寧な日々のその隙間に 僕の描く物語を差し込んで
君に招待状 渡しに行くから ねえおいでよ
ニセモノが本当になること 君が信じ続けた証
優しい嘘は雨に溶けて いずれ僕らの道となる
平凡な日々のその向こうに 僕の描く物語の続きを
君が主人公で 歩めるように ねえ待ってて
大袈裟な君の現実に 僕の描く物語を差し込んで
頭の片隅に 心の隙間に
悪者のいない物語 ヒーローさえもいないお話
人は皆等しく 良い子に生まれるのだろう