24-25WEリーグカップ4節試合後取材 セレッソ大阪ヤンマーレディースvsジェフ千葉レディース
2024-25WEリーグ クラシエカップ グループステージ グループC 第4節
セレッソ大阪ヤンマーレディース vs ジェフ千葉レディース 5-2
・得点者
セレッソ 13分 脇阪 麗奈
58分 高和 芹夏
71分 百濃 実結香
75分 高和 芹夏
84分 高和 芹夏
ジェフ 53分 岸川 奈津希
90+3'分 今田 紗良
■試合所感
立ち上がりはジェフペースで進む。5分にはミドルレンジから大澤春花がシュートを放つなど攻めの姿勢をみせた。
しかし、先制はセレッソ。こぼれ球を拾った和田麻希が中へボールを入れるが壁に阻まれる。跳ね返った球を右に開いていた矢形海優が拾いマイナスのクロス。走りこんできた脇阪麗奈がダイレクトシュートを放ち先制。
そこからはセレッソペースに。相手の3バックのサイドを突きチャンスを作った。
ただジェフも31分に林香奈絵への縦パスに合わせた大澤がDFの間を掻い潜り裏へ抜け出すシーンや、35分に石田菜々海からのロングボールを受けた城和怜奈がドリブルからシュートを放つシーンもあった。
後半に入りやはり立ち上がりはジェフがボールを握る時間が増える。
53分CKを得たジェフ。キッカーは後半から出場した鴨川実歩。ファーサイドの田中真理子がブラインドとなり低めの球を頭で岸川奈津希が押し込み同点に。リーグ3節ノジマステラ戦に引き続いてのCKから岸川ヘディングシュートの流れ。
荻久保の左足での精度の高いワンタッチパスに高和が頭で合わせ2点目。
脇阪のスルーパスに浅山が追い付きクロス、149㎝の百濃のヘディングシュートで3点目とセレッソが得点を重ねていく。
72分。ジェフ反撃のチャンス。FKからまたも岸川がヘディング。クリアしようとしたセレッソがハンドとなりジェフがPKを獲得する。
ジェフは直近のリーグ・新潟戦の決勝点はPKでの得点。前回対戦のカップ2節では大澤のPKを山下莉奈に止められいるため、そのイメージを払拭した上で1点返して流れを変えたい。
対するセレッソはWEデビュー戦から2試合連続PKの苦境に立たされるゴールキーパー名和。
試合の潮目となったPKは鴨川が蹴ったコースをしっかりと見切った名和がセーブ、立て続けに大澤がシュートを放つもここも名和が立て続けにビックセーブをみせ流れと点を渡さなかった。
75分セレッソの4点目。この試合の良い部分を凝縮したような得点となった。荻久保の今度は右足からの柔らかいパス。受けた浅山がキープし右からフリーで上がってきていた高和へボールを送る。高和の放ったシュートはゴールに突き刺さった。
84分ここでも荻久保が魅せる。今度はロングパスで起点に。パスの長短関係なく正確に蹴られる技術力の高さを発揮。DF裏へ抜け出した高和が受け、GKと1対1を作り出しシュート。2022年皇后杯日ノ本学園戦以来のハットトリックとなった。
89分には善積わらいがWEデビュー。個人チャントにのってのピッチイン。怪我を乗り越えての復帰となった。
リーグ戦ではなでしこリーグ1部2022/10/16アンジュヴィオレ広島戦以来。公式戦は皇后杯2022/12/3静岡SSUボニータ戦以来の復帰となる。
このままでは終われないジェフは90+3分。
鴨川からのパスを右で受けた稲山美優がゴール前へ送ると中央の今田はスルーし奥から来た藤代折り返し。このボールを今田が流し込んで意地の2点目を挙げた。
終わってみれば5-2。セレッソはWEでのチーム最多得点。
そして2023―24WEリーグカップ/グループB 第5節 ちふれASエルフェン埼玉VS日テレ・東京ベレーザの試合に並ぶWEリーグカップ最多得点での勝利となった。
■セレッソ所感
セレッソはこの試合、和田を右SH。荻久保が左のSB。中谷を右SB。立ち位置を変えて戦いに臨んだ。
右SHで先発した和田は慣れないポジションに苦戦する場面も。ただ、1点目は和田がこぼれ球を拾ったことが起点となった。また、流れの中で矢形と場所を入れ替えた時には持ち前のドリブルからの推進力も見せた。今後持ち味そのままにSHのポジションにどう適応していくか楽しみだ。
荻久保は守備だけでなく、攻撃面では左からの起点になり2アシストの活躍(2点目・5点目)また、4点目にも関与。まさに起点になれる頭脳派ディフェンダーだった。15分に矢形のバー直撃シュートがあるがこのシーンの起点になっている。このシーン含め非常に百濃との連携が良かった。百濃の位置をみて、しっかりとパスを出す。それに合わせて百濃も走る。連動性が見て取れた。
今季左SBでの起用が続いていた中谷は右SBでの先発。相手の強みであるサイドを封じるのに一役買っていた。カバーリングも良くジェフの山口とのマッチアップは見ごたえがあった。攻撃では、1列前の和田を追い越しボールを受ける場面も。
またこの試合FWでの出場となった浅山のキープ力、ポストプレーの強さも光った。浅山も2アシスト。
今節へ向けた練習時によく「マーク」の声掛けがされていた。試合を見ても、相手への対応、自分のマークを素早く見つけDFにつく部分が直近のリーグ戦対ベレーザの試合よりも徹底されていた。取り組んでいた部分でしっかりと結果を残す形となった。
■ジェフ千葉所感
後半から入ってきた鴨川が早々に足元の技術の高さを見せセットプレーで得点。フィジカルの強さだけでなく、それを囮にしたデザインされたセットプレーとなった。2点目の起点も鴨川と言うこともあり、今日の試合の様にターンオーバーした際の攻撃組み立てが今後求められそうだ。
また4失点目のあと、ピッチ内の選手全員で円陣を組み、修正を試みる様子も見られた。
イスマエル監督が「プレスかいくぐられて冷静にボールを繋げられていた。個人技術の高い選手がいる中でいなされて、いい形を作られてしまった。あとは決定力の差。自分たちの決定的なシーンもあった。」と話すように攻撃の形は作れている。2点目の崩しは良かっただけにPKをはじめとした決定的なシーンでのミスが悔やまれる。
大敗した試合ではミスやマイナスの部分に目が行きがちになる。その中で、イスマエル監督の話した「やれていたことを再確認する」ことはもう一度顔を上げるために大切な部分になるだろう。
■ジェフ千葉監督会見
■イスマエル オルトゥーニョ カスティージョ監督
Q.試合後、選手にはどのような声をかけられましたか。
プレシーズンからいい形を作れていて、最近の試合も4試合負けのない状態で雰囲気もとてもいい、トレーニングからいい形も作れている。それを選手に伝えた上で、この1試合負けてしまったことを分析をして振り返りをして次の試合に繋げていくのは大事ですが、引きずることなく前を向いていくために今までやれていたことを再認識した上でもう一度明日からやり直そう、次のちふれ戦に向けてしっかりと準備してやっていこうということを伝えました。
■セレッソインタビュー
■名和咲香選手
Q.PKストップから直後のシュートストップについて
事前に映像を見ていたので頭に入っていました。あとは迷わずにタイミングだけ合わせて飛ぼうと思っていました。一個前の試合で方向は合っていたけど決められてしまっていたので、次は絶対止めると思って。
(直後のシュートについては?)体が勝手に動いてました(笑)ボールを弾いたのを見てて方向的に「まだ残っているな」と思ってすぐ立ち上がって、一瞬ちらっと中をみて「中はなさそうやな」と思って、シュートがバーンってきたので「おりゃあ!」って感じで体が反応しました。
Q.普段(ヨドコウ)と距離感の違うヤンマースタジアム長居が会場だったが?
あんまり気にしてなかったです。会場が変わってもそんなに気にならないです。
■荻久保優里選手
Q.様々なポジションをしている中で自分で一番しっくり来ているポジションは
難しいですね。しっくりきてはないですけど、サイドバックかなあ?って感じです。どこでも出来るのが武器ではあるけど、一つのポジションを磨いていきたいという気持ちもあるのでまだ探している途中です。
■善積わらい選手
Q.選手交代時、個人チャント(応援歌)が流れていたが、聞こえていましたか?
めっちゃ聞こえてました。試合前から「わらい」って言ってくれていたので、本当にサポーターさんが温かくてセレッソは良いなあと思いました。